第6話

「いつもありがとね。」



「うん、行ってらっしゃい。」



大学の近くまで送ってくれる湊は、多分これから開店時間までもう一眠りするんだろう。



多忙な生活を送っているな…とは近くで見ていても思うけど、疲れを一切見せないのだから尊敬する。



私なんていつも“疲れた”が口癖みたいなものだ。



「はぁ……。」



でも、湊も頑張ってるんだから私も頑張らなきゃ。



湊は、私の中である意味原動力でもあった。



自分を奮い立たせてくれる密かな存在。



辛い時とか、疲れた時に湊のことを思うと少し落ち着く。



私にとって、効き目抜群の精神安定剤が湊だ。

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