好きが溢れて 前編

あたしの幼馴染はいつもあたしに付きまとってくる



「あれ!夏妃いつもと感じ違くない!?可愛すぎ!....あ!もしかしてメイク変えた!?...あれ?違う?」


「今日さ!友達とゲームで遊んでてさ!あと少しだったんだけど僅差で負けてさぁ!次リベンジする為に練習付き合ってぇ〜!」


「あ!これ絶対夏妃好きだよ!食べな!」


「なつきぃ〜ここの問題わっかんない〜!!」


「夏妃、一緒に帰ろ?」


「夏妃、今日も可愛いね」


「なーつき!」


「夏妃!」


「夏妃」



口を開けば何時もあたしの名前を呼んでは後ろを着いてくるあなたに最初は嫌気が差していた



「なぁ昴、何でお前あんなデブと一緒に居るんだよ」

「デブ?誰が?」

「夏妃だよ!あんなんデブ以外のなんだってんだッ!」

「?」

「なッんで分かんねぇんだよ!!!!!!このアホ!」

「????」

「もういいッ!お前とは二度と遊んでやんねー!!!」

「?...何だったんだ?」


「.......」



「ねぇ昴君ってぇ好きな子とか居るの?」

「好きな子?」

「そう!私はぁ...いつも明るくてぇ...運動も出来てぇ...昴君「夏妃かな」みたい...な...は?」

「あ、あれぇ?聞き間違いかなぁ?今昴君の口から夏妃って言葉が聞こえた気がするんだけどぉ?」

「うん、間違ってないよ」

「はぁ!?あんな根暗女の何処がいいのよ!」

「何処って、んーそうだなぁ...いい所がありすぎて何処から話せばいいのか...あっ!夏妃ってね好きな給食のメニューの時って...」

「聞きたくない聞きたくないッ!もう昴君なんて知らないッ!」

「先に食べ終わっちゃったあとなんて....あれ?まだ話終わってないよ!」




「...何で知ってるのよッ!///」






そう、嫌気が差していたはずだったのよ....



「ちょっと!あんたでしょッ!私の春樹君に色目使ってゆーわく?してる子ってのは!」

「は?何のことよ」

「惚けるつもり?」

「惚けるも何も身に覚えが無いんだけど」

「貴方が言うつもりが無いのならそれでいいわ...あんた達!」


そういい後ろに控えさせてた彼女達に目配りさせると控えていた彼女たちは私の両腕に掴みかかりあたしは身動きひとつ取れなくさせられた


「くッ!...あんた達こんな事してただで済むと思ってんの?」

「あら、あたしってこれでも優等生で通ってるのよ?暗くて惨めで...皆からの嫌われ者のあんたと、皆の人気者で優等生の私...どちらの言い分が信じられるかしら?」

「....ッ!」

「何その反抗的な目...気に食わないのよッ!!」



振り上げられた手、来るであろう衝撃に備えて目を瞑るが、いくら待てども来ない衝撃に不思議に思い目を開ける


「怪我は無い? 夏妃」

「なんで...あんたが....」


そこには振り上げられた手を掴んでる昴が居た


「寂しくて来ちゃった」

「〜ッ寂しくてって!...さっきまで一緒に居たじゃないッ....」


あたしを安心させるために二ッと笑った顔とあたしよりもずっと身長が低いはずなのに大き過ぎるその背中に思わず涙腺が緩む


「俺で良かったら話聞くけど?塚本さん」

「お、女の子同士の話に割って入るとか信じらん無いッ!...行くわよ!」


捨て台詞を吐きながら慌てたように走り去っていく彼女達を尻目に見ると安堵からか急に身体から力が抜ける


「わっ!...大丈夫?」

「だっ...大丈夫に決まってんでしょ!...あたしは獣人、あんたと違って丈夫に出来てんのよ!」

「今も震えて立てないくせに?」

「こっ...これは...その」

「僕は君をか弱いだなんて思わない....だけどね夏妃、君は誰よりも可愛くてちょっと不器用なだけの普通の女の子だ...だから泣きたい時はいっぱい泣いていいんだよ」



これよ...この顔、あたしの事を全て見透かしたかのような顔をするこいつの事が嫌いだったのに、この笑顔にいつの間にか絆されて...


「あ!嫌別に泣いてもいいとは言ったけど無理にという訳でもなくこれは言葉の綾というかぁ...」

「──さいよ」

「え?」

「ぐすっ...ちょっと胸貸しなさいよッ!」

「はいはい、お姫様」



彼があたしの頭を撫でる手は凄く暖かくてあたしを傷付けないよう気遣ってくれてて...あたしの心を暖かな陽の光のように優しく絆ていって...あたしはこいつの事が好きなんだと気付かされた



「ねぇ...何でこんなあたしの傍に居てくれるの?」



分かりきってることなのに...それでも確信を得たくて聞きたくなった


「え!?....そ、それはぁ...言わなきゃ駄目?////」

「聞きたいの...あなたの口から」


私は彼の目をじっと見つめる、一言一句聞き逃さない為に


「すぅ.....はぁ......す、好きだから///」

「誰を?」

「夏妃...を///」


夕焼けを背に頬色に茜さすあなたの頬に手を当てこの胸に溢れる気持ちをあなたへと伝える


「ふふっ....及第点ってとこね...ええ、あたしもあなたの事が好きよ昴、あたしとお付き合いしてください」

「は.....はい!」




こうして晴れてあたし達は正式にお付き合いする事になった訳だけど....ひとつ、問題があった



「夏妃、コレ好きだったよね?俺の分も食べていいよ?」


「あ...あのぉ...手、繋いでいい?」


「ん...何?夏妃」



あたしの好きな物を覚えてくれてそれを惜しげも無くあたしにくれる昴、付き合って暫くしても未だに手を繋ぐことに赤面する昴、あたしがじっと見つめてることに気がついて年不相応に妖艶に笑う昴



好きだと自覚してからこんなにも一挙手一投足が愛おしいと感じると同時に下腹部から湧き上がる衝動も日に日に強くなっていった


「あ〜イきそう♡...イクイク...イクッ!♡う”ッ♡......はぁッ!♡はぁッ!♡はぁッ!♡.........あ〜今日もしちゃった....前まではこんなこと滅多にしなかったのに....」


あたしってもしかして淫乱なのかしら...と日に日に強まっていく性欲に困惑しながらも湧き上がる欲求を満たす


「彼も...あたしを想って....んっ♡....してるのかしら....」


1度絶頂へと達したはずが自然と手は下半身へとのび、もし彼とそういうこと・・・・・が起きた時の事を想像する



彼の事だものきっとあたしの事を気遣ってくれて優しくしてくれるはず...キスはいっぱいしたいわね...舌を絡めて...愛を沢山交換し合って...満たされて...


「あっ♡....んぅ♡....うぅ♡」


にゅじにゅじと粘り気が混じった水音が部屋全体を支配する


彼のモノはどんなのだろう...おっきかったりするのかしら...匂いは...やっぱり汗臭かったりして...



想像するだけで子宮の奥底が寂しくなる、幾ら自分で弄っても満たされない、もどかしさだけが募っていく


「ふっ♡....うぅ〜♡...子宮切ないッ♡♡....んぅ〜ッ!♡」

「はぁっ♡...はぁっ♡...はぁっ♡んッ♡」


性器を擦る手は早くなるばかりで一向に絶頂に達することは出来ない


子宮切ない〜ッ!♡奥まで挿れて欲しいッ!♡

早くこのあつあつおまんこにおちんぽズププ〜ッて奥まで挿れて欲しいぃ〜ッ!♡♡♡



「はぁッ!♡はぁッ!はぁッ!♡あっ....ぁあ”ぁぁあぁッ!♡くるくるッ♡...気持ちいの来るッ!♡♡オ”ォッ!!!イ””ッ!!!」


盛り上がるにつれどんどん腰が上がる


絶頂を限界まで焦らされた身体は小刻みに震えビクンッ!...ビクンッ!と一定の感覚で来る快感に脚を震わせる



「はぁっ♡....はぁっ♡...はぁっ♡.....早く手出しなさいよ...ばか♡」



こうして思春期真っ只中の彼女の蒸し暑い夜は更にふけていく











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