十九、論理くん、お泊まり最終日を過ごす

「ここ久しぶりに来たなぁ。家からバス一本で行けるんだけど」

論理くんのお泊まりの最後の日になってしまった。みんなが夕方に帰ってくる予定なので、それまで二人でどこかで過ごそうかということになり、私たちは鶴賀(つるが)公園にやってきた。

「私も久しぶりに来たよ。それにしても暑いね」

春になるとお花見客で賑わう桜の林に、今は油蝉がたくさんいて、蝉時雨をひとしきり聞かせている。太陽はほとんど真上。ギラギラと日が照りつけてくる。今日も三十六度くらいあるのかな。論理くんは、顔に大量の汗をかいている。論理くんって、結構汗っかきだよね。そういえば、優衣が以前、論理くんの制服のシャツに汗染みが広がっているのを見て気持ち悪がってた。

「ねぇ、暑いね。でもこんなに暑いのに、結構人がいるって思わない?」

「そうだね、こんなに人がいると、誰かに会いそうだよね」

私がそう言うのを待っていたみたいに、背後から突然声がかかる。

「はぁい!そこの新婚さん!」

聞きなれた声に驚いて振り向くと、果たしてそこには、優衣がいた。そしてさらに驚くべきことに、沢田くんもいる。そして二人は、手を繋ぎあっていた。

「優衣!」

「沢田!」

二人はにこやかに、そして晴れ晴れと私たちに近づいて来た。え?なんで二人でいるんだろう?しかもなんで手を繋いでるんだろう?もしかして、付き合ってるの?

「優衣と沢田くん…、どうしたの、こんなところで」

「いやぁ、こんなに暑いのにさ、義久(よしひさ)が、どっかでデートしようって言うから、木陰のあるとこにしようと思って、バス乗って来た」

優衣は、私に見せたことのない、女の子みたいな笑顔で言った。沢田くんのこと、名前で、しかも呼び捨てで呼んでる…。私はこのとき、沢田くんの名前が義久だということに改めて気づいた。

「お前…たちさ…」

論理くんが、心底驚いたというような顔で問いかける。

「その…付き合ってる?」

「そうだな」

沢田くんの笑顔も、眩しい。沢田くんは、いつもちょっと格好をつけた表情や仕草を学校ではよく見せる。こういう沢田くんの笑顔は、私には初めてかもしれない。

「一週間前に、サッカー部の練習が終わったあと、偶然合唱部の練習の終わりにも重なってな。そのとき優衣に、物陰に引きずり込まれてずっこんばっこんと…」

「またそういうこと言うんだから!」

優衣が、沢田くんのほっぺたを叩く。仲よさそう…。しかも、沢田くんまで、優衣のこと名前で呼び捨てで呼んでる…。私たちだって、名前呼び捨てで呼んでないのに…。一週間前って、いつ?私そのときいたよね?いつの間に⁉︎

「優衣、なんで言ってくれなかったの⁉︎」

「いやぁ、言おうと思ってたんだよ。でもなんか恥ずかしくて…。私さ、こういうこと、初めてだからさ。だから、ぶんちゃんにも何も言えなかった。ごめんね」

優衣は、乙女のような恥じらいを漂わせながらそう言った。私の知らない優衣が、そこにいる。

「優衣って、そんな顔するんだね」

私が冷ややかな目でそう言っても、優衣は、余裕を持ってこう言った。

「そんな顔って、どんな顔?ぶんちゃん、いつもそんな顔してるじゃない、論理の前で」

優衣が、私と論理くんを見ながらニヤニヤと笑う。優衣め〜!論理くんは、依然として驚きを隠せない様子で沢田くんに尋ねる。

「沢田、物陰に引きずり込まれたとか言うけど、お前、つまり、告白されたのか?」

論理くんの少し無遠慮なその言葉に、優衣が、一気に赤くなる。その隣で、沢田くんが、嬉しそうな顔をしてこう言った。

「『沢田くんじゃなきゃ、嫌』だそうだ。それと、『世界のどんな女の子よりも、私は』…」

「だからどうしてそんなこと言うんだよぉ!」

また沢田くんの頬に平手打ち。痛そう。でも、幸せそう。

「優衣、沢田くんのこと、好きだったの?」

「うん。ぶんちゃんにちょっと言おうとしたけど、論理のことしか見えてなかったみたいだったから、やめた」

「えぇ、言ってよぉ」

優衣と沢田くんが付き合うなんて、思ってもいなかった。まあ、仲良さそうにはしてたけど。それにしても、二人ともキラキラしてるなぁ。親友の優衣が幸せそうにしてるのは、私も嬉しいけど、なんだか妬けちゃう。二人…どこまでいったんだろう。よし、聞いてみよう。

「ねぇ、優衣と沢田くん、ズバリ聞くけどさ、もうえっちした?」

「やめてよぶんちゃん!」

お腹が空いたときに食べ物を食べるように、至極当然のように私がそう聞いた瞬間、優衣が弾かれたようにそう叫んで、両手で顔を覆った。沢田くんは目を逸らしながら、それでも格好をつけたように立っている。論理くんは、おい、変態なのは俺の前だけにしてくれと言うような目で私を見ている。

「え?してないの?私たちはもうしたけど」

私は、にぱーっとニコニコしながらそう言うと、優衣は、はぁっ⁉︎という顔。沢田くんは、ヒューっと口笛を鳴らして論理くんを囃し立てる。論理くんは、池田さん、もう黙っていてくれというような顔をしてるように見えるけど、気のせいだよね。優衣は、真っ赤な顔をしながら、思い切り大きく息を吸って、

「したわよ!もー!こんなこと言わせないでよ!」

と、言い放った。じゃあ、こんなことも聞いてしまおう!

「じゃあさ、優衣の歌で、沢田くん、射精してくれた?」

私は、目を輝かせた。

「え?どういうこと?」

優衣と沢田くんは、私の言っていることが百パーセント以上わからないような顔をしている。論理くんは、こいつ何言い出すんだと言わんばかりだ。

「どういうことだ?なんかいきなり際どい話だぞ」

「あのね!昨日カラオケで、私が『COSMOS』を歌ったとき、論理くん、それ聞いて射精してくれたの!私すっごく嬉しかったの!」

「うわぁ、やめてくれぇぇぇ…」

論理くんが、私の脇で頭を抱える。どうしたんだろう。私の話を聞いた二人は、ポカンと口を開けたまま、言葉を失っている。あれ?私の言うこと、変だったかな。

「ふ、ふーん…。わ、私たちは、そういうことは、まだだわ。ねぇ、義久」

「お、俺に振るなよ、困るだろ」

学校ではいつも余裕を見せている沢田くんが、珍しく狼狽している。

「んで!そ、その、二人とも、お泊まりはどうなの?」

優衣が、話を変えた。

「二泊三日の今日で三日目だよ」

と、論理くんが口を開く。なんだか、すごくありがたそうな口調に聞こえるのはどうしてだろう。

「いろいろあったけれど、とても楽しかった。池田さんの愛情に全身を浸されたような三日間だったよ」

「え?ほんとに泊まってんの?ぶんちゃんのお母さん、ダメだって言ってたじゃん?」

「いろいろあって、結局泊まることになったんだよ」

私がそう言うと、優衣はにこにこと笑った。

「そかそか、そうだったか。それにしても論理ん家、親が厳しいらしいけど、よくお泊りさせてもらえたね」

優衣にそう言われ、論理くんは顔を伏せた。

「正直、夕方に家に帰ったら、あれこれ厄介だと思う。でも、母親を取るか、池田さんを取るかと言われたら、答えは一つしかない」

「相変わらず、池田のことになると論理熱いな。俺にはちょっと真似できねーぜ」

沢田くんがそう言うと、優衣は拗ねた顔をした。

「えぇ〜!義久、私に熱い気持ち持ってないの?」

「実はナ」

「酷ーい!」

と、また、平手打ち。痛いだろうなぁ。幸せだろうなぁ。

「お前らもいろいろあると思うが、お互い幸せにやろうぜ」

沢田くんは、爽やかにそう言ってくれた。あ、そうだ、優衣にクリスマスのお返しをしなきゃ。

「うん、ありがとう。ちなみに沢田くん、優衣って実は小学生のとき、教室でお漏らししたことあるって知ってた?」

「ぎゃああああ!おいぶん!なに言い出すの!」

優衣が、両手で顔を覆う。

「へっへ〜ん。いつぞやのクリスマスのお返しだよぉ」

「クリスマス?何それ?」

「優衣、私にクリトリスのこと、クリスマスって間違えて教えたでしょ。私、一昨日論理くんに間違い指摘されて、めちゃくちゃ恥ずかしかったんだからね!ちゃんと、クリトリスはクリトリスって言ってくれなきゃ、困るんだからね!」

私は、優衣を指差して、どうだと言わんばかりの顔で言った。優衣は、私がクリトリスと一度言う度に、びくんと体をくねらせ、顔を青ざめさせていく。沢田くんは、空を仰いで、俺は関係ないという態度を取っている。論理くんは、大きくため息をついて、言葉も出ない状態だ。さっきからみんな、どうしちゃったんだろう。私、また変なこと言った?

「あぁ…。私の知っているぶんちゃんはどっか遠くに行ってしまった…。あぁぁ…」

優衣は、ひとしきり呻いて、さらにこう言う。

「私、あのときちゃんと言ったよ!聞き間違えたのはぶんちゃんだよ。それにそういう言葉は、むやみに口にしないほうがいいよ!周りに人もいるんだから恥ずかしいよ!」

「あぁ、そうだったっけ?ごめん、聞き間違えてたんだ。うん、あまり口にしないようにする」

優衣は、呆れたようなため息を大きくついて、沢田くんの手を引っ張った。

「はぁ…、一学期の国語で習ったけど、『病膏肓に入る』とはこのことね。ぶんちゃん完全に逝っちゃってるわ。こんなのといると病気が移る。行こ、義久」

「まぁ、お前らもいろいろとキてるけど、お互い幸せにやろうや」

優衣と沢田くんは行ってしまった。私は、呆然と二人を見送った。

「…ねぇ、論理くん、私たち、病膏肓に入っちゃってるのかな」

「うーん…」

論理くんは、暫く考えた。

「いわゆる、『天然』っていう点では、池田さん、入っちゃってるのかも」

「えぇー?」

「でも、」

論理くんは、力を取り戻したように、例の視線で私を見つめた。

「俺は、そんな天然の池田さんも、何もかも、大好きだけどね」

太陽の強い日差しが上から注いできて、熱中症になりそうだった。でも、その熱中症の原因は太陽だけじゃない。桜林の蝉時雨が、相変わらず私たちを湧き立たせるように鳴り響いていた。


その日の夕方はすぐやってきた。論理くんは、もう、帰り支度を整えてしまっている。お母さんと正志とお父さんが帰ってくるまで、だっこっこをして過ごしていた。

「論理くん、もう帰っちゃうの?寂しいよぉ」

論理くんと過ごした三日間は、実にあっという間だった。どうして論理くんと過ごす時間はすぐに経っちゃうんだろう。このまま時間が止まればいいのに。

「俺も、帰らなきゃいけないの寂しい。池田さんと、いつまでもこうしていたい」

「じゃあ、こうしていようよぉ」

「池田さんと離れると、俺の行く先は、池田さん知っての通りの場所だ。ごちゃごちゃしたから、家ではめんどくさいことになっているだろう。池田さんとだっこっこしているほうが、どれだけいいか!」

論理くんは、吐き捨てるように言った。

「論理くん、帰って大丈夫かな。めちゃくちゃ怒られるんじゃない?心配だよ」

論理くんは意を決したように大きく口を開け、胸と肩いっぱいに息を吸い込んだ。

「雷が落ちようが、地震が来ようが、火事が燃え盛ろうが、あのババアが何を吠えようが、これからの俺は、池田さんに支えられて思うままのことをする。それだけだ」

私は、論理くんを強く抱きしめた。論理くんがこう言ってくれてる。私も、論理くんを精一杯支えなくちゃ。

「論理くん」

「池田さん」

「愛してるよ」

「愛してるよ」

「大好きだよ」

「大好きだよ」

「ずっと一緒だよ」

「ずっと一緒だよ」

私たちは固く抱き合った。ふと私は、優衣と沢田くんが名前で呼び合っていたことを思い出した。

「ねぇ論理くん、優衣と沢田くん、お互い下の名前呼び捨てで呼び合ってたでしょ?」

「え?あ、そういえばそうだな」

「私たちも、そうしない?文香って、呼んでほしいな…」

私は、はにかみながらそう言った。でも論理くんは、暗い表情を見せた。

「俺なんか、まだまだ、池田さんを名前で呼べたもんじゃないよ」

え?どういうこと?そのとき、

「お姉ちゃーん!論理くーん!帰ってきたわよー!」

お母さんだ!お母さんたち帰ってきたんだ!私たちは、玄関に降りた。大きな荷物を手にしたお母さんと正志とお父さんがいた。私は、あの雑誌のことが頭にあって、お父さんを一瞬睨み、目を背けてしまう。お父さんは、怪訝な顔をしていた。

「論理くん、はじめまして」

お母さんが、論理くんに挨拶をする。みんなと論理くんは、初対面だったことに今さら気付いた。

「文香の母の池田静江(しずえ)です。こっちが、父の昭徳(あきのり)です。弟の正志です。よろしくね」

「こんにちは。父です。娘がお世話になっています」

「正志です。まぁ、がんばってください」

「正志ったら。何をがんばるんだよ」

私は、思わず正志にツッ込んだ。

「あ、えーっと」

論理くんが、おずおずと自己紹介をする。

「太田論理です。竹田町(たけだちょう)に住んでいます。よろしくお願いします」

「竹田町って言ったら、花吹(はなぶき)学区よね?」

お母さんが、そう尋ねる。

「はい」

「うちは、桜木(さくらぎ)学区。ちょっと月影(つきかげ)中学校にも、桜木小学校にも、離れているんだけどね」

「竹田町っていうと、今は紫(むらさき)何丁目になるの?」

今度はお父さんが尋ねる。また睨んでしまう。

「うちは、三丁目なので、紫でも三丁目です。二丁目や一丁目だと、紫二丁目になります」

そんな感じで、私たちはしばらく玄関で立ち話をした。そうするうちに、初めは硬かった論理くんの表情が和らいでいく。やがて論理くんは、

「この三日間、本当にありがとうございました。それでは、今夜はお暇いたします。本当にありがとうございました」

「本当にありがとうございました」を二度繰り返すところに、論理くんの気持ちが現れているようだった。

「ありがとう、論理くん。気をつけてね」

お母さんは、最後まで論理くんのお母さんのことには触れない。今も、お家の皆さんによろしくとか言ってもおかしくないのに。お母さんの優しさなんだろうな。

「論理くん、またね。今度は、十一日の登校日だね。楽しみにしてるからね!」

私は、泣きそうになってしまう。論理くんは、そんな私の頬に手を添えてくれる。

「うん。登校日、会おうね。それに池田さん、合唱部の練習あるじゃない。俺、そのとき、シャワー浴びてるから」

「いくらでも浴びにきて。待ってるから」

「それじゃ」

論理くんは、もう一度私たちに深々とお辞儀をして、ドアの向こうに消えた。

「なかなか大人っぽくて、礼儀正しい子ね、論理くん。それに、かわいいし」

お母さんが、そんな嬉しい感想を言ってくれる。

「うん。論理くん、かわいいよ。それに加えて優しいし」

「お母さん、お姉ちゃんこういうこと初めてだから、相手がどんな子になるのかって、ちょっと心配してたの。でも、大丈夫そうね」

お母さんが論理くんを認めてくれたのは、嬉しかった。あっちは、敵だらけだけど、少なくとも私の家は安全地帯だ。

「俺は、文香にはまだ恋愛とか早いと思うけどなぁ」

お父さんがそうほざく。あんな雑誌隠し持っていて、どの口が言うか。

「お父さんは黙ってて。気持ち悪っ」

私は、お父さんを睨んだ。

「えぇ⁉︎どうして⁉︎」

お父さんには、私の反応が急すぎるのか、心底困惑した顔をしている。

「お父さん、どうしたの?何かお姉ちゃんに握られたのかな?」

お母さんは、笑いながらお父さんに言った。

「えぇっ、こ、心当たりは…な、ないぞ…」

お父さんは、すっかり上ずった調子でやっとのことでそう言う。あんな雑誌を見て、ひょっとしたら娘を思い浮かべていたのかもしれない。ああ、気持ち悪い。論理くん、こんな気持ち悪い男になっちゃダメだよ。それにしても論理くん、今頃、どこを歩いているのかな。家に着いたら、どうなっちゃうのかな。論理くん、会いたいよ…。


その夜。論理くんは、今頃どうなっちゃってるんだろう…大丈夫なのかな…。論理くんからのラインはない。私は心配になって、論理くんにラインをする。

『論理くん。この三日間本当にありがとう。すごく幸せだった。論理くんも同じように感じてくれていたら嬉しいな』

既読はすぐに付いた。ちょっと安心。

『池田さん。俺のほうこそありがとう。夢のような三日間だった。池田さんとの絆が、一層深く強くなったのを感じる』

『まだ付き合って間もないけど、私たちの絆は切れることはないよね!』

『ああ。もちろんだ。誰が何を言ってこようが俺たちは変わらない』

ああ、論理くん…。私はスマホを握りしめて、うっとりする。

『ねえ論理くん。家に帰ってからどうだった?お母さんたちに何か言われた?』

少し返事が返ってくるまで間があった。

『ああ、その話か。またあとで話すよ。それより今は、三日間の思い出に浸りたい』

論理くん、家での出来事を話してくれない。よっぽど嫌なことがあったのかな…。聞きたいけど、無理に聞き出すのも、論理くんかわいそうかも。私はそのあと、論理くんとこの三日間のことをあれこれとラインしあった。一時間くらい論理くんと話してラインが終わった。論理くん…。枕に顔を埋める。論理くんの匂いが、残っていた。

「ライン!」

あ、論理くんまだ話したいことあるのかな。慌てて画面を見る。優衣からだった。優衣かよ〜。でも、優衣のほうも気になる。

『ハロ〜ぶんちゃん!今日は偶然だったねぇ。論理帰った?』

『うん、さっき帰ったとこ。幸せいっぱいの三日間だったよ』

『お〜お〜あついあつい。まあ、あつさでは私たちも負けてないけどネ』

優衣ったら…。鶴賀公園での、優衣と沢田くんが思い起こされる。

『もー、びっくりしたよ。優衣、沢田くんのこと好きだったの?優衣から告白したの?』

『うん。それはだな…はっはっは』

汗を垂らした顔文字が付いている。しばらく待つと、こんな書き込みが来た。

『もともと気になってたんだよね。んで、ぶんちゃんが論理に夢中になるのと並行するように、私も燃え上がってきちゃってさ。私のほうから、えいやぁっとばかりに、ネ。ほら、ぶんちゃんも構ってくれなかったし、さみしかったんだぞー』

『ごめんごめん。さみしがらせちゃったね。そうだったんだ。優衣が沢田くん好きなんて全然わからなかった。でも付き合えてよかったね。またダブルデートしよ!』

『うん!しよしよ!四人で今度どっか遊び行こ!』

優衣も幸せそうだな。中二になっていろいろあったけど、優衣も私も、ハッピーになれてよかった。

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