寝台特急「ハロウィーン」殺人事件

沼津平成

第1話 (1シーン)(第1幕・)

 ヴっという呻き声が聞こえた。笠松雄也かさまつゆうやは目を覚ました。

 反射的に時計を見ると、短針は山頂を目指して張り切っていた。

「まだ十一時か……それにしても起こすなよな」

 笠松は一度起きてしまうと寝ようにも寝れない男だ。昨日の記憶を少し思い出してから寝よう、と思って部屋の明かりをつけた。

 寝台列車の8号室。普段は混んでおり、そのためか個室には例外なく二段ベッドが置いてある。しかし今日の列車は空いている。この部屋で寝ているのは雄也ただ一人だ。

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寝台特急「ハロウィーン」殺人事件 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel

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