第11話 御宅ストレイドッグス 〜その1〜

レク「はぁ…はぁ…ありがとな…バハム…」

バハム「はぁ…はぁ…こちらこそ、感謝するぞ…レク…貴様のおかげで久しぶりにひと暴れできたわい…」

レク「っはぁぁぁっ…疲れたぁぁ…だけどまだ現実世界では数時間しか経ってねぇっ!まだ…強くなれるはずなんだ…!」

バハム「どうしてそこまで貴様は強くなろうとするんじゃ…」

レク「さっきも言ったが…このままじゃ仲間を守ることなんてとてもじゃねーができやしねぇ…それに…」

バハム「それに…?」

レク「俺はとある組織に狙われてる…そいつらに襲われてもいいように力をつけておきたいんだ…」

バハム「とある組織?」

レク「そうだ…なんでも邪神を崇拝する組織みたいでな…転生者のみを狙うって噂があるらしいんだ」

バハム「邪神…まさか…!」

レク「何か知ってるのか!?」

バハム「知ってるも何も貴様をこの世界に転移させたのはその邪神のうちの1人じゃ」

レク「はぁぁぁ!?邪神が俺をこの世界にぃ!?」

バハム「あぁ、そうじゃ…詳しいことは知らぬが、邪神の1人が転移魔法を使った気配がしたんでな」

レク「てことはまだ誰かはわからねぇってことか」

バハム「そういうことじゃな…で、どうするまだ続けるか?」

レク「お願いする…!」


そうしてレクとバハムは特訓を再開した


バハム「さて、次は何を使おうかのぉ…よし!喰らえ!『龍の涙(ドラゴナロス)』!!」

レク「っ!ちょっとかすっただけでこの痛さっ!お前現世にいたころ絶対やばい奴だったろ!」

バハム「はっ!一部の奴らには邪竜扱いされたわい!じゃが現世で暴れたことなど一度ぐらいしかないわい!」

レク「ったく!信用ならねぇな!『メタルクロー』!!」

バハム「じゃから言ったろう!?貴様のそんなアリンコみたいな技は効かんと!そいつをどう強くするか考えろ!」

レク「悪いが今はこれしかねーんだよ!現世で戦ったやつとお前とでは格が違いすぎる!」

バハム「ったく!貴様の頭の回転なら作れるだろう!」

レク「そこまで言われちゃあ!作るしかねーな!!!」

(龍にも通用する爪技…)

レク「よし!喰らえ!『ドラゴンクロー』!!」

バハム「くっ!目には目を…龍には龍をってか!今のはかなり効いたぞ!じゃがまだ力不足じゃのぉ!!」

レク「悪いが俺は龍じゃねぇからな!」

バハム「貴様の努力次第では我の加護を与えてやっても良いぞ!」

レク「そいつぁありがたいっ!『簪』っ!」

バハム「っ!釘を刺すとはっ!なかなかやるのぉ!」

レク「だろぉ?本家の技だともーちょっと強いんだがなぁ…」

バハム「油断するでない!我は全力で行くと言ったであろう!『ミスティ・ドラゴテイル』!!」

レク「っ!咄嗟に剣が出せてよかったっ!出なかったら確実に死だ!!」

バハム「はっ!我の動きを封じたり武器にスキルを上乗せでもしなければ我に大きな傷つけることはできぬぞ!」

レク「武器にスキルを…上乗せ…?」

バハム「ちとヒントを与え過ぎたかのぉ?」

(このクローにスキルを上乗せ…虎のように強力な技を出せるスキル…)

レク「できるかわからねぇが一か八かだ!『月下獣 半人半虎』…!」


レクがスキルの名を呼んだ時、持っていた武器が虎の腕に変化した


レク「できたぁ!!!」

バハム「なんじゃそりゃぁぁぁぁっ!!!」

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