第9話 ファンタジスタフロンティア 〜その1〜
レク「んんっ…ここは…」
???「ようやくめざめたか!このねぼすけが!」
レク「君は…?」
???「我が名はバハムート!バハムとでも呼ぶが良い!」
レク「バハムート…ドラゴンか?」
バハム「まぁそんなところじゃ、ところで、我が与えたスキルの使い心地はどうじゃ?」
レク「我が与えた…?てことはまさか、お前が俺をこの世界に転移させたのか!?」
バハム「転移させたのは我じゃないが…それを可哀想だと思って貴様にそのスキルを与えたのじゃ」
レク「じゃあ転移させたやつは他にいるってことか!?そいつをここに呼ぶことは!?」
バハム「不可能じゃな…我はこの現実と夢の境目にしか存在できぬ…魂のようなものじゃからな、じゃが奴は違う…奴は魂を他の肉体に移し、長い間現実世界で彷徨っておる…人間を他の世界から転生、転移させる目的は己の器になるものを探すためじゃからな」
レク「己の…器!?」
バハム「そうじゃ、じゃが貴様は他とはちと違う」
レク「他とは違う…?どうして…」
バハム「何故って?それはもちろん!この我に気に入られた唯一の人間じゃからな!」
レク「俺が、お前に気に入られたぁぁぁぁ!?」
バハム「そうじゃ!貴様は元の世界でも孤独を苦と感じず悠々自適に暮らしておったじゃろう?まさに我の生き方と同じ!気に入らないわけがなかろう」
レク「ずいぶんと自由な奴だなお前…」
バハム「まぁ長いこと1人じゃからな、自由な時間も余るほどある」
レク「俺はお前と違って今は1人じゃない…そろそろ元の時間に戻させてくれ」
バハム「えぇぇぇぇ!そんにゃぁぁぁぁ!もーちょっと話そうよぉぉぉぉ!!やだやだぁ!帰っちゃやだぁ!!!」
レク「さっきまでの話し方とはずいぶんと違う性格になったな…」
バハム「なんでも答えるからぁぁぁぁ!!」
レク「なんでも…?今なんでもつったか!?」
バハム「う、うん…もーちょっと話してくれるなら…」
レク「なら…聞きたいことが…俺が元の世界に戻ることはできるのか…?」
バハム「…それは…できぬ」
レク「そん…な…元の世界に…戻れないなんて…」
バハム「だが、戻れたとしてもそれはまた貴様には大変信じがたいことが起きておる」
レク「信じがたいこと…?」
バハム「あぁ、貴様を転移させた奴の能力で貴様は元の世界に存在しなかったことになっておる」
レク「はぁぁぁ!?向こうは向こうでとんでもスキル持ちかよ!!」
バハム「あぁ、じゃから奴を倒したとして元の世界に戻れたとしてもかなり精神的苦痛を伴う」
レク「まぁ…元の世界に戻ったところで、引きこもってたからどーってことねーけどよ」
バハム「ははっ!貴様なら言うと思ったわい!そろそろ朝になるぞ!仲間のところへ戻るとよい!またいつでもここに来れるからな!」
レク「いつでもここに来れるって…まぁ、気が向いたら来てやるよバハム」
バハム「おう!また会おう!レク!」
こうしてレクは謎の存在バハムと別れ、元の時間へ戻った
レク「んっん〜!いい朝だな!さーて!今日は何をしようか!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます