第26話

音が聞こえる。

 目を開いた。

 白い天井が見える。

 白い壁。

 白く淡い光が窓から差し込んでいる。

 白い影。

 シーツがかけられて、

 ベッドに横になっている。

 白い病室。

 少し開けられた窓の隙間から流れる風。

 カーテンが揺れている。

 飛行機の音がゆっくりと聞こえる。

 この部屋の上空を通過しているのだろう。

 腰が痛い。

 衣擦れの音。

 また目を閉じる。

 それでも瞼の裏から光を感じた。

 手を少し動かす。

 シーツが肌に擦れる。

 ひんやりと冷たい。

 手を元の位置に。

 あたたかい。

 息をはいた。

 息を吸った。

 繰り返した。

 繰り返した。

 繰り返した。

 まどろんでいく意識。

 なんだろう、

 トランペットの音色だろうか。

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