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僕には愛と言うものが分からなかった。
親は子供のころから海外へ仕事に行っておりいつも一人でいた
親の代わりの人達は最低限の仕事をするだけ、
そしてそんな僕に近づきたがるもの好きもおらず友達もできずに僕は常に一人でいた
当時の僕はそれでよかった
別に複数人でいるより一人でいる方が好きなことをできるし時間を好きなように使えたからだ
まあその時間は勉強ばかりしていたのだが....
そんな生活をしてはや十数年
僕は小学校を卒業した
誰からのメッセージもない卒業アルバムを貰い適当に近くの中学に進学した
進学して少し経つとある噂が流れるようになった
雨の日の放課後校舎に紅い目をした幽霊が出る。と
その時の僕はなぜだか無性にそのことが頭に残った
朝から晩まで
テスト中にも頭の端でそのことを考えていた
そしてある日、僕は幽霊を探すことにした
初めて、塾をサボって
立ち入り禁止の屋上、今では使われていない教室
自分のクラス、教材室
色々な場所を巡ったが幽霊はいなかった
やっぱりいなかったのか
分かっていたことだろう幽霊何て言う非科学的存在がいるはずがなかったのだ
はぁと溜息をついた
頭も痛くなってきたし頭痛薬か何かを保健室でもらって帰ろう
そう思い保健室に向かう
そして保健室の扉を開けた先には
一人の女性が窓から外を眺めていた
彼女は客観的に見れば醜いといわれるだろう
全身を包帯で巻かれており包帯の合間には爛れた皮膚、女性の命ともいえる髪の毛は生えているのかどうかすらわからなかった
しかしかろうじて彼女の異質とも言える紅い右目だけは包帯が巻かれておらず見えていた
その女性を目にした瞬間僕の心はドクンと鼓動した
まるで.....そう、一目惚れをした
そんな感情だった
そんな初めて味わう感情に僕は気づけば彼女の傍に来ていた
傍まで行くとようやく僕に気づき、彼女はなにかにおびえるように手で顔を隠した
しかし僕には関係なかった
感情の赴くまま
片膝をつき、片手を彼女の方に差し出して
僕は彼女を見つめて
「僕と付き合ってくれませんか?」
そう言葉を発した
さよならと言うのはまだ遠い ルイ @ruisyousetu
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