埋めた秘密の饐えた臭いは、それはもう厭なもので

武江成緒

第1話 遊び場




「確かにな。ここに来んのんも久しぶりだな」

「……ああ」


「小学校でて以来かな」

「……そうだな」


「だったらもう……七年くらいになるんよな」

「…………多分な」


「いやぁ、懐かしいよなあ。

 あの頃は、ガッコ終わったら、いっつも行ってたんよなぁ」

「…………ああ」


「通学路からこのハヤシん中、はいってすぐのとこだったから。

 ほかにも来るヤツ、いてもヘンじゃなかったのにな。

 なんでかさ、オレ達しかここ来なかったよな」

「…………そうだな」


「まあ、おかげで小学校のあいだは、ここでさんざん遊べたけどな。

 秘密の遊び場、ってヤツよなぁ。

 二人だけであれやこれや、さんざんアホなことやらかしたもんだよなぁ」

「………………二人?」


「ん? いま俺、なんかヘンなことでも言ったか?

 てか、さっきからお前こそ、なんか様子ヘンじゃんか。

 だいたいさ、久しぶりに帰ってきたとおもったら、急に呼びだされて、こんなとこへ連れてこられて。

 ……いったい、何のつもりなんよ」




「……二人じゃ、なかっただろ」



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