第4話[16]~[19]
[16]
【急募】地域伝統行事の協力者募集 ~地域安全を支える大切なお仕事~
仕事内容 ■■近郊で行われる伝統的な地域貢献行事に参加していただける18~29歳の方を募集しています。この行事は、地域の安全と安定を保つためのもので、特に若年層の皆さまの力が必要とされております。参加者には重要な役割を担っていただき、無事完了の際には、地域の守護に貢献した証として特別な加護が授けられます。
求める人材
• 18~29歳の健康な方(特に若々しい活力をお持ちの方歓迎)
• 地域貢献や伝統行事に興味があり、心身ともに清らかな状態で参加できる方
• 前日、事前の準備および心身の確認に協力いただける方
実施日程 6月下旬~9月上旬に月1回程度開催予定。 実施は夜間から明け方にかけての数時間(約2~4時間)を予定しています。
謝礼 行事にご参加いただいた方には、特別な謝礼をご用意しております。 詳細は面談時にお伝えいたしますが、地域貢献者としての特別な評価を受ける機会となります。
応募方法 下記の連絡先まで、お名前・年齢・ご連絡先を添えてご応募ください。 担当者より詳細および面談の日時についてご連絡させていただきます。
※行事の内容に関しては秘守義務がございます。内容の詳細は開示できませんが、地域を支える貴重な役割を果たす意義あるお仕事となります。お気軽にお問い合わせください。
七曜社
[17]
し■■■ について
毎年、六月の末から九月にかけて現れ、ひどい大雨を降らせて川を溢れさせよる。
そんで、子供や働き人を連れて、■の方まで流してしまうてぇ話じゃ。
し■■■っつぁ若い衆が好物と聞いておるが、ことさら十代から二十代の若ぇ者をよう好むそうじゃて。
[18]
・坂田祐美と、有吉健吾によるLINEでのやりとりの記録
17:55
健吾「おっつー」
18:00
祐美(熊が炎をバックに怒っているスタンプ)
18:00
健吾「どしたん 笑」
18:00
祐美(うさぎが涙を流しているスタンプ)
18:01
健吾「何、会えなかったん?」
18:05
祐美(熊が壁にもたれて落ち込んでるスタンプ)
(熊が炎をバックに怒っているスタンプ)
18:06
健吾「会えなかったんだな 笑 菊池さんだっけ」
18:10
祐美「ハメられた」
(熊が地面に何かを投げつけてるスタンプ)
18:10
健吾「どゆこと 笑」
18:20
祐美「行ったら」
18:20
健吾「うん」
18:23
祐美「誰もいなかった」
(炎をバックに熊が怒っているスタンプ)
18:24
健吾「ドンマイ 笑」
18:40
祐美「代わりに」
18:40
健吾「うん」
18:50
祐美「駅に、ジジ様ババ様が大勢いて、ものすごい笑顔で挨拶された」
18:51
健吾「なにそれ 笑」
[19]
真っ暗な山の中を、ひたすら佐伯さんと走って下っていく。
自分達の息の音、草木をかき分ける音、遠くで川の音がする。
口の中には、さっき食わされたゲロみたいな気持ちの悪い食い物の味が残っていて、その不快な匂いが未だに鼻から抜け出てくる。
懐中電灯の細い灯りだけが頼りだ。あって無いようなものと同じだが、これすら無いと思うと恐ろしくてならない。
急勾配の、ほとんど道なんて呼べる代物じゃなかった。
濡れた草や土の上を、半ば転がりながら下りている。
それでも、走る速度を落とすわけにはいかなかった。
自分が今いるのが東京都だなんて信じられない光景だ。
「ああ!!」
目の前で佐伯さんが滑落した。
「あ…!佐伯さん!佐伯さん!!」
「いい!いい!……お前先いけ!」
「でも……!」
「いいか、もし道に出ても……誰とも目を合わすな!」
「無理です!こんな山奥で!とにかく警察を呼びます!」
「けけ警察はダメだ!一番ダメだ!……」
「じゃあどうすれば!僕一人じゃ最寄りの駅にだって行けませんよ!」
「…… ……いいか……『笑ってるやつ』に気を許すな」
「どういうことですか!」
「いいから!お前を見て『笑ってるやつ』に近寄るな!目を合わせるな!」
と、勾配の上の方から、山の中では不自然な鈴の音がした
「ひぃ!!く、来る!!」
「落ち着け!いいから行け!!いいな!誰も信用するな!」
鈴の音が近くなってくることに恐怖し、僕は必死に山を降りた。
「ヒ!…… ……ギィぃぃぃぃぃぃいいいい!!!!」
遠くで大きな声が聞こえるが、野生動物の声か、佐伯さんの叫び声かはわからない。
……わかりたくもない。
あれから必死になって、東京を出て家に帰ったけど……
僕はいまだに雨の日は外に出られない。
うっかり間違えて側溝を覗いてしまったら……
……側溝の底から佐伯さんが浮かんできたら、たまらない。
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