第11話

『ママ、もう少しで坂があるからね!』





『ありがとう』





私のそばにピッタリくっついて

時たまそう伝えてくる優莉が本当に愛おしくて

たまらない。






『ママ、お家に帰ったら優莉が

ご飯作ってあげるね!』






『楽しみにしてるね』





優莉はそういうとまた笑顔で頷いた。






____お家に沢山卵はあったから

オムライスの作り方教えてあげようかな





そんな事を考えながら

自宅まで歩いていた。






_____その時だった。







『ママ、あの車かっこいいね!!』





優莉はそう手話をして

アパートの前に停まっている1台の乗用車を

指さした。






『そうだね』





_____車の免許っていくらくらいするのかな?


…すぐにはとれないだろうけど

優莉と一緒にいつかドライブしたいなぁ





そんなことを考えていると




『ママ、鍵は??』





『開けられる??』





『うん!』






優莉は走って玄関へと向かった。

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