第3話 これって……ですよね?
リズムを
「──ん」
(ここは――どこ?)
「
「え? え?」
「さっきの
「
わたしの
「便利屋……さん?」
「そうだ。
じゃあ、わたしはなんだってその便利屋さんの車に
ありったけの
「
便利屋さんが
「コルボのやつらに頼まれたんだ」
そうだ。便利屋さんの言葉で
(わたし、どうなっちゃったんだろう?)
身を起こして、オープンカーのミラーをのぞき
「……なんだよ?」
「な、なんでもありません」
あわててシートに身をしずめる。
「お前さ、コルボでなんかやらかしたのか?」
ぱたぱたしているわたしに、便利屋さんが声を
そうだった。自分の
「ゎ、わたし、なんでこの車に乗ってるんですか!?」
「言ったよな。
「
便利屋さんが、チラリとわたしを見たけど、わたしにも意味はわからない。
「ま、どうなろうと
「ぃ、
「
* *
赤いオープンカーは、
「なんでだよ!? どこからも
便利屋さんが文句を言っている。
わたしの家は、
だけど、そこに
『
「
「ぁ、あの……わたし、ここでいいです」
「いいのか?」
「ここからだったら、
「──そうかい」
便利屋さんは
「おらよ……」
「ありがとうございます」
わたしは車を降りて、ぺこりと
「じゃあな。
便利屋さんがぷらぷらと
コウモリ――やっぱり、わたしにはそれがお
明日、
「さよなら、便利屋さん」
わたしは
「お、おう……」
便利屋さんが
「なんだかわかんねえけど、その……
気まずいのか帽子で顔を
「いいんです。わたしはコウモリだから」
そうだ、いくら
これまで通り、コウモリみたいに生きていこう。わたしは顔を上げた。
夕日の
「…………えっ!?」
それを
──春の
──車のエンジン
──わたしと便利屋さんの
音だ。音が光っている!?
「な、なに……これ?」
すべての音がこだまし、
「おい? どうかしたのか!? って、うわっ!? なんだこれ!?」
車から
わたしの
まぶしすぎて何も見えない。まるで
そして――その金色の闇の
それは
……これって、もしかしてわたし? わたし
光のうずが
「なんなんだよ、これは!?」
しりもちをついていた便利屋さんが声を上げた。
そのとたん、便利屋さんの声が
〝くもり
「きゃ……っ!?」
そのまぶしさにわたしは、びっくりして声を上げた。すると、
(なに……これ?)
こんな
バサっ! と、音を立てて何かが大きくひらめいた。
「な、な、なな、なに、これ?!」
わたしの
大きな黒い花びらのような『何か』。
「コウモリの……」
「「
「べ、便利屋……さん」
「な、なんだよ……」便利屋さんは
「こ、これ……なんでしょう? ちょっと、さわってみてくれませんか?」
わたしは、自分の腕にはえたコウモリの翼をさし出した。
「ええっ!? 俺が
「
「怖かねえよ! いや、そもそも、
バレてた。これがなんなのか確かめたい。でも、こんなの怖くて
「いいから、触ってみてください!」
「ったく、なんで俺が……」
便利屋さんが
「いいか? 触るぞ」
「ど、どうぞ」
わたしは
「う、ひゃあああっ………???????」
突然、思いもよらないところがくすぐったくなって、変な声が出た。
触られたのは、翼ではなく、
「ど、ど、どこ触ってるんですかっ!?」
わたしは触られた耳を
「触ってみろって言ったのは、お前だろ!」
「触ってみてくださいって言ったのは、こっちです! 耳じゃありません!!」
わたしは腕をぷらぷらと振りながら文句を言った。
「そんな
耳!? 言われた意味がわからない。
だけど、確かにヘンだ。だって、わたしは自分の頭のてっぺんを押さえていたから。
「え……?」 思わず
「えええっ?」
さわったものの意味がわかって、わたしはびっくりした。
何か大きなリボンのようなものが頭の上にある!?
しかも、それが自分の耳だと思えるのだ。
あわてて、わたしは本来の耳の
だけど、そこはつるんとしていて、耳らしいものは何もなかった。
「耳が──変!?」
「なんだ、気が付いてなかったのかよ?」
便利屋さんがあきれた顔をしている。
おかしななことが起こっているのは腕だけじゃなかったんだ。
「べ、便利屋さん……」
「なんだよ? 今度は」
「わたし、いったいどう見えます?」
「どう、って……。コウモリ……姉ちゃん?」
――思ってた通りの
―――― ―――― ―――― ―――― ―――― ――――
明日から毎日18時半ごろ更新させていただきます!
気になる展開が続きます。お話は児童文庫にして5冊分ほどの長さになる予定です。
みなさまどうぞよろしくお願いいたします!
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