第2話井藤砦2
何故ならこちらは、山頂を目指しつつ移動しながら不利な姿勢で弓矢を射らなければならず、一方砦側から見れば敵は恰好の的なのである。
砦側の攻撃で怪我人や死人が出始めると、自然と攻める足が鈍る。それを見越したかのように三郎兵衛は短い槍を杖にして兵団の前列近くまで上がり、敵側を挑発し始めた。
「この黒田三郎兵衛に矢を当てて見よ!我が殿本田忠康を裏切り、土地を掠め獲ろうとするような外道の矢など儂等精鋭に当たる気骨などあるわけがない!今宵その砦に首を転がされたくなければ、今すぐ降伏せよ!さすればこの黒田三郎兵衛が忠康様に取りはからってやるぞ」
「三郎兵衛様!いい加減になさって下され」
十吉は叫ぶように懇願するが、その視界には信じられない光景があった。
なんと敵の矢が、まるで意思を持っているかのように三郎兵衛を避け、中には三郎兵衛の前で失速して落ちる矢もあるのだ。
何故ならこちらは、山頂を目指しつつ移動しながら不利な姿勢で弓矢を射らなければならず、一方砦側から見れば敵は恰好の的なのである。
砦側の攻撃で怪我人や死人が出始めると、自然と攻める足が鈍る。それを見越したかのように三郎兵衛は短い槍を杖にして兵団の前列近くまで上がり、敵側を挑発し始めた。
「この黒田三郎兵衛に矢を当てて見よ!我が殿本田忠康を裏切り、土地を掠め獲ろうとするような外道の矢など儂等精鋭に当たる気骨などあるわけがない!今宵その砦に首を転がされたくなければ、今すぐ降伏せよ!さすればこの黒田三郎兵衛が忠康様に取りはからってやるぞ」
「三郎兵衛様!いい加減になさって下され」
十吉は叫ぶように懇願するが、その視界には信じられない光景があった。
なんと敵の矢が、まるで意思を持っているかのように三郎兵衛を避け、中には三郎兵衛の前で失速して落ちる矢もあるのだ。
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