第2話 職場で出会った年下の君②

「おはようございますー」

お気に入りのタンブラーを置いて自分のデスクに座る。

月末なのでここ2、3日ちょっと忙しめだ。


さー、今日もさっさと終わらせて定時で帰るぞー!




「竹中の資料はこっちに入れてるからな!あと分からない事があれば全然聞いてな!」

「はい、ありがとうございます!」


朝から聞こえてくる爽やかな声の先には昨日異動してきた彼がいた。


「竹中は前の所でけっこう実績残してるらしいな!

 こっちでも期待してるぞ!」

「いやいや、そんなっすよ!(笑)」



そうなんだ...すご。

けっこう仕事できる感じなんだなぁ...


「てか竹中って今いくつだ?」

上司に質問攻めされてるみたい。


「僕は今年26になりますね!」

「そうなのか!?けっこう若く見られるだろ?」

「いやー、そうでもないですよ」



え、26歳なんだ。童顔で爽やかだからもっと若いと思ってた。

爽やかイケメンで仕事できる26歳ってレベル高...



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お昼休憩が終わり、またデスクに戻る。

お腹いっぱいになったから眠すぎる。


「あ、あの。すみません」

すぐ後ろから聞こえてきた声にびっくりして振り返る。

竹内君の顔がすぐ後ろにあって一気に緊張する。


「この売上の提出ってどなたに渡したらいいか分かりますか...?」

「えっ!あ、田中さんかな!事務の主任の!」


「田中さんってどの方ですか?」

「あのショートカットで眼鏡かけてる人!」

「あ、ありがとうございます!」


そういうと竹内君はいそいそと主任のほうに歩いていった。



あーびっくりした...

まさか私に聞いてくるなんてね...

まぁデスクの1番端っこだし、声かけやすいのか。


私顔赤くなってないよね!?

最近ドキドキすることなんてなかったから

変に挙動不審になってなかったか心配。


バクバクしてる心臓を落ち着かせるために

お気に入りのコーヒーを一気に飲み干した。




少し遠くの席で主任と竹中君が話してるのが見える。

笑った時の顔がドタイプすぎて眩しい...。

無意識にジーと見つめてしまった。


話が終わって竹中君が振り返った瞬間にまた目が合ってしまった。

びっくりしてすぐ目を逸らす。



え、てか私キュンキュンしてる?

いや、男性と接する機会少ないから緊張してるだけだよな、きっと。



「竹中君ってさー、彼女とかいんのかな?」

「さぁ、でもけっこうカッコいいし彼女くらいいるんじゃない?」

「誰か聞いてみてよ!」

隣の女性陣たちが盛り上がっていた。



彼女...いるのかな?

いやいやいや、私には関係ない話だし、仕事に集中しよ!


さっきのでアドレナリンが出すぎたのか

めちゃくちゃ仕事がはかどって、今日も無事に定時で退勤した。

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職場で出会った年下の君 月乃 @tukinoch

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