職場で出会った年下の君
月乃
第1話
「あー今週も始まっちゃうなー」
いつもの通勤路を歩きながら気怠い体で職場に向かう。
職場が見えてきて歩く速度が遅くなる。
この職場には2年前に転職してきた。
無難に事務の仕事を選んだけど、なんだかんだ続けられている。
仕事にやりがいを感じたりするわけではないけど
人間関係は悪くないし他にやりたい事も見つからない。
「せめて彼氏くらいできたらなー」
今年で28歳になるが、3年前に付き合ってた人と別れてから全然彼氏ができない。
周りの友達はどんどん結婚していってなんだか寂しい...
普段からそんなに恋愛体質ではないけどさすがに意識しちゃう。
私も彼氏ほしいな。てかそろそろ彼氏できないと干からびちゃいそう。
キュンキュンしたい...
職場の人からは
「凜ちゃんは可愛いんだから、この職場でいい人捕まえちゃいなよー!」
なんて言われるけど
実際、仕事関係から恋愛関係にどうやって繋がっていくのか全然分からない...
なんて思いながら
いつもの就業5分前の簡単な掃除を行ってる。
ほうきで床を掃いていると見慣れない顔が見えた。
「そっか今日から異動してきた人くるんだった」
見た目からして20代前半くらい...?
爽やかな感じの男性だ。
この職場は男性5 : 女性5のいい感じの比率の職場だ。
「本日からこちらの拠点に移動になりました、営業の竹中 透といいます。
よろしくお願いします。」
ちょっとガタイはいいけど顔が童顔で優しそう...
けっこう仕事できそうだな...
なんか名前もかっこいいな...
でもけっこう若く見えるし、だいぶ年下かな?それはなしだな...
なーんて、誰でも恋愛フィルターをかけてしまう。
本格的に業務に入る前に事務のメンバーで雑談してると
ふと目が合った。
やばい、かっこいいと思って無意識で見てしまってたかも!
恥ずかしい...
その後も何度か目が合ってしまって、変に意識してしまった。
なんとか頭の中を仕事モードにして今日を乗り切った。
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いつも通りにアニメを見ながら昨日作って余ってるご飯を食べる。
今日はまだ月曜日だからお酒は我慢。
ピコン♪
机の端に置いてるスマホが光った。
この間友達から紹介された男の人から連絡だ。
「なんだかなー」
彼氏が欲しいという気持ちはあるのに
会ったことない人と連絡とるのはあまり得意ではない。
「凜はさー、ちゃんと男の人に色目使って
自分からグイグイいったらすぐ彼氏できるよ」
友達の言葉を思い出す。
自分からグイグイなんて無理じゃない...?
女の一面を付き合う前から出すなんて
私にはレベルが高すぎる。
結局なんて返信しようか迷いすぎて、そのまま忘れて眠りについた。
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