ウェザーカレンダー 秋待諷月様
作品URL
https://kakuyomu.jp/works/16817330667504898341
キャッチコピー
大物のご機嫌を伺うには、俺達はまだ半熟のようだ。弁当の卵焼きのように。
人類が自然を掌握する機会がよもや訪れようとは。
自然の前には、人はあまりにも無力 とはいつの時代だったか。無力どころか、万力である。「自然(災害)」を「未然」に防ぐなら、いわば勝ち確である。
ウェザーカレンダー。平準化された天気は、人々にとって安寧をもたらし、洗濯物……特に布団や毛布等の乾きにくい大物をいつ洗濯するべきか、という見通しが立てやすいのは大きな利点だと思ったのが、最初の印象だ。
「ハレの日」=「晴れの日」。催事に合わせてそう設定されるのは、合点が行けども、(仕方ないとは言え)「ケの日」に降る雨は、先が読めない今までの天気予報の雨よりも、どこかもやもやとした雲がかかるのがなんとも……。
やめろ! 私のおかずを……。お気に入りのおかずだけに、後に取っておいたのに……。からの、急転直下。そんな中私は、牛蒡は食道を無事に通過しただろうかと、内心、心配になっていた。(物語が続いているということは、大丈夫だっただろうという体で引き続き、感想をタイプする。)
ここへきて、衝撃の事実が発覚。……なるほど、掌握していたのは天気でも自然でもなかったのか。権力者が己の「掌」で「握」りつぶす為の、口実が「気象制御調整」。臭いものには蓋を白とは言えども、本当に蓋をすべきは、その口で。木を隠すなら森の中。しかし、システマチックに構築され、「人工」的に決定された天気を隠すものなんて、それこそ「人口」くらいのものだろう。否、それでも無理だろうけれど。
止まない雨はない。だけどそれは、自然に管理された天気ならの話である。
(そんな言葉を生み出したのは人間、というのは何とも皮肉めいてはいるけれど。)。
そんな……そんな話があってたまるか! と読みながら思わず激昂しそうになるほどに悲しい事実に打ちひしがれ、その事実を知った上での絶望はとても……。当事者にとってはもう、目も当てられない。どうか、彼ら家族に日の目(快晴)を見せて上げてほしい。心中では、それをただひたすらに願っていた。
その願いが届いたのか(是非ともそうだと言わせてほしい)
人の幸せは、その他大多数の人々の不幸の上に成り立っている なんて言葉。まさに、それをひっくり返す。その大物に、大物(集中豪雨)を見せてやる時が……ついに来た!
雨降って地は固まるどころか、ぬかるんだ地面に足を取られている間に、火山が大噴火。逃げ場はなし……と思ったら、ここで卵焼きの借りが返ってくるとは……。
なんというか……冒頭の非礼を許してください。
天野さん、あなたは立派なヒーローだよ。
その日のウェザーカレンダーに、太陽のマークの隣にヒーローのマークも手書きで添えておこう。そうだな……黄色い星マークなんてどうだろうか。卵焼きみたいな黄色い黄色い星マーク。
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