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コルヴォ様の部屋に朝食を運び、部屋に戻ればコタロー君は枕元に用意していた着替えを済ませており、寝室にて今まで着ていた寝巻きを丁寧に畳んでいる所だった。


「コタロー君、朝食を貴方の部屋に運びますので「ね、ねぇ紅菊お姉さん」ん?」

「僕達っていつもご飯別々で食べてるよね?」

「そうですね」

「1人でご飯食べるのって寂しいと思うんだ、だからお姉さんが良かったら何だけど、僕と一緒にご飯食べて欲しいなーなんて…」

「…」


コタロー君はもじもじしながら私と食事を取りたいと申し出る。突然の申し出に彼を眺めていると迷惑がられたのかと勘違いしたのか、私から視線を外し床を見た…帽子で隠している彼の眉は八の字に曲げているだろう。


「………やっやっぱり何でもないや!僕ちゃんとお部屋で食べるよ!」

「…良いですよ」

「え?」

「コルヴォ様の部屋とは離れてますが、コタロー君との部屋は隣同士だというのにいちいち運ぶのも、手間がかかりますからねぇ。…今日から共に私の部屋で食事しましょうか」

「本当!?」

「ええ、ほら早く椅子に座って下さい」

「うん!」




×××




「大丈夫でやんすか親分?」

「あ゛、あ゛ー、あー…げふん!だいぶマシになっできたな」


軍人と警察の手から逃れた俺達ナイヤファミリーは隠れ家の一つに身を隠し一夜を過ごした。必殺技で痛めた喉は唾だけでも痛むってーのに、8月は過ぎたがまだまだ暑い熱帯夜の中で脱水症状を起こさねぇ様に、激痛と戦いながら水分を補給し、今朝になって何とか喋れるまでに回復した。


「だがごの喉の調子だど今日の能力の使用は2〜3回が限度だな。普通に声出ずだけで痛ぇ」

「親分、そんなんで必殺技使えるんですか?」

「あ゛ーーー…無理だ、こんな喉で必殺技使ったら喉が裂けて死んじまうだろうな」

「怖っ!親分今日の活動は控えて治療に専念した方が良いんじゃねーか?」

「俺達も手足怪我してるしなー。俺の右足クナイで切られていてーのなんの…」

「何だそんくらい、俺何か手の平にぶっ刺さって穴が貫通してんだぜ?縫った跡見るか?」

「見ねえよ!おい見ねえからガーゼ外そうとするんじゃねーよ!」

「………許ぜねぇ!!」

「「「「へ?」」」」

「大事な子分を傷付げたごの恨み!痛み何かじゃ抑え切れねぇ!!げっほげほ!ごほぉ!!」

「お、親分!」


怒り任せにテーブルを殴り怒鳴り散らすと喉に激痛が走る、痛みで喉を抑え咳込む俺に、黄蛇が水を用意し緑蛇が慌てて背中を摩って来た。


「大丈夫でやんすか?」

「気持ちは嬉しいですけどそんな調子で復讐は無理っすよ〜、今日は大人しく療養してましょうよ」

「…ごんな時こぞ占いだ!」

「え?」

「“しまう占い”の結果が大吉なら復讐!ぞれ以外は療養!!ぼら緑蛇ざっざと『今日あのガキを見づけられるかどうか』占え!」

「へ、へい!」

「いやいや親分、流石にこの怪我じゃ大吉出ても無理でしょ」

「まーでも、大吉何てそうそう出ないからなぁ、大丈夫だろう」

「出やした親分!」


横で他の子分が騒いでいると緑蛇が俺の所に占いの結果を持って来る、俺は緑蛇の手の平にある結果を覗き込んだ。


「ん〜どれどれ?…おっ大吉!」

「「「はぁ!?」」」

「『大吉、探し人は思い出の場所に行けば再会出来ます 開運 サインペン 書き置きするのに便利です』…よしお前等!ありったけのサインペンをかき集めろ!!」

「お前何でこういう時に限って、大吉出すんだよ…」

「そうは言われやしても、運としか言いようが無いでやんす」

「ごちゃごちゃ言っでねーで早ぐ用意じろ!ガララララ…大吉が出だ以上俺達に後怖いもん無じだ!」

「しかし親分、思い出の場所って一体何処をさしてるんでやんしょ?それがわからない事には見付けられるかどうか…」

「あ゛?何言っでんだ、あのガキとの思い出の場所どいえば一つじがねーだろ?闇鴉を暗殺じよーとじだ―――」

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