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「それは抗争相手が能力者だからだよー。確か犯罪を犯した能力者は社会不適合とされて、日ノ本軍に強制連行されるんだよねー?」

「ナイヤファミリーの者達は抗争相手は能力者だと明言していました。恐らく管理人と抗争相手は親しい間柄にあり、我々軍人から庇っているのでしょう」

「あっそうか、マフィアと言えば思いっ切り犯罪組織じゃからのー。…あの管理人良い人そうじゃったし、友人を売る様な真似は出来ないじゃろうな〜」

「だから明日になったら僕1人でこの霊園に来て、管理人からそれとなく話を聞いてみるよー。何か情報が入ったら2人に報告したいんだけど、連絡取るにはどうすれば良いかなー?」

「今日ノ本軍は上から下まで大忙しですから、電話を取れるかどうかすら怪しいですねぇ…時間が出来たら私の方から電話かけます」

「そっかー、なら僕の派出所の電話番号渡しとくねー!あっそういえば僕夜の9時で上がりだから、一応家の電話番号も書いた方が良いかなー?」


そう言って藍ちゃんは、懐からケースの中から名刺とペンを取り出すと名刺の裏の白紙に、家の番号を書くとワシ等に手渡した。


「夜は推理小説読んでて大体11時まで起きてるよー。でも流石に夜中に電話されたら困るかなー」

「ワシ等もそん頃には家か仮眠室で熟睡中じゃから、安心しとくれ藍ちゃん」

「そっかーなら良かったー」

「あっ藍ちゃんって酒強い方かの?甥の捜索の他に、ワシと兄者が飲みに行く時に誘っても良いかのう?」

「え?」

「は?何考えてんですかあんた」

「だってほら、電話だけじゃアレじゃろ?色々話す事とか資料とかもあるし、酒でも飲みながら甥の事とかでゆっくり話したら良いとワシは思うのう」

「…酒の席に他人を招くのは癪ですが、それならしょうがないですね」


兄は納得してない表情で了承する…よしよし、兄がワシ以外の人と楽しくお話したり笑ったりするのは藍ちゃんが初めてじゃからのう。これを気に藍ちゃんと兄が友人になってくれたら嬉しいのう。


「それでどうじゃ藍ちゃん?明日の夜にワシ等行き着けの店に行かんかの?」

「そうだねー、家宅捜索の調査資料とか明日の管理人から聞き出した情報とか、色々話す事が沢山あるからお呼ばれする事にするよー」

「よし!明日仕事が終わったら電話するから、楽しみにしててくれ藍ちゃん!」

「明日の事より目の前の事に集中したらどうですか?」

「へ?ああ」


話し込んどる内に墓に着いたらしい、灰色で長方形の墓石にひのした家と書かれ、下の方には銅で出来た線香建てと蝋燭建てが一体となったお供えもんを乗せる台があり、近くで見ると立派な墓じゃった。


「この墓を見てどう思います?」

「やっぱり線香だけでも買った方が良かったとワシは思うのう」

「…藍雨はどう思います?」

「立派な墓だよねー…墓石って安くても10万はするけど、これはトータルで30万位するかなー?」

「なに!?墓石ってそんなにするもんなのか!」

「知らなかったんですか?死人の為にこんな高価な墓を建てて、甥の事はほったらかしとはカルロの行動はますます不可解なものになりますね」

「…この花束って光太郎君が供えたのかなー?」


藍ちゃんがしゃがみ、花瓶に活けられていた萎れた花束に手を伸ばす。


「これ全部菊の花だねー、確かに葬儀の花だけど仏花って他にもあるし。花屋でも色んな種類入れたお墓参り用の花束ってある筈だよねー?」

「そりゃ多分これじゃろ」


ワシは墓石に刻まれた甥っ子の母親の名前を指差した。


「…ひのした菊美ー?これ光太郎君のお母さんの名前ー?」

「ああ、多分甥っ子は菊美さんの名前に因んで、菊だけの花束を活けたんじゃろう」

「ふーん…鷹さんは管理小屋の方見て何してるのー?」

「ん?」

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