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「良いのか兄者?」

「そんな重要な事書いてませんからね、それに甥が帰ってくるなら安いもんです」

「…流石親族だけあって似てるねー、これだけそっくりなら直ぐに、2人の甥ってわかるかもしれないねー」

「巡査部長!容疑者をパトカーの後部席に運び終えました!」

「ご苦労さんー、ああそれとー…その弟さんって“何番目の兄弟”なんだい?」

「!」

「確かテレビじゃあ君達って“双子の英雄”って呼ばれてるんだよねー?なら何番目の兄弟なのかなー?そんでその人は軍人じゃないのかなー?」

「私達は双子じゃ「そーそー!ワシ等双子の下に弟がおってのー!!」


ワシは急いで兄の口を両手で閉じ、巡査部長に大きな声で説明する。


「君達の弟ー?」


「おうそうじゃ!ワシ等が産まれた次の年に産まれた子での!頑丈に産まれたワシ等と違って、病弱に産まれてしもうたから一般人やっとったんじゃ!」

「…ふーん?」

「あっ!そうじゃそういえばそこに始業式サボって遊びほうけとる悪い子がおるんじゃが、お巡りさんからも叱ってやってくれんかのー!」


巡査部長がワシの言葉にうたぐり深い目で見てきたから、話題を逸らす為にちょっと坊主には犠牲になって貰うた。


「え?!あっコラー君!学校サボって何やっとるかー!」

「げぇっ!おっさんの裏切り者ー!」


ワシが指差した先で隠れとる坊主に気付いた巡査が逃げ出した坊主を追いかけて行く、そのやり取りの間に兄はワシの腕を剥がそうと、腕に爪を立て膝を蹴り飛ばして来た。


「…兄者すまんここは堪えてくれ!いち早く甥っ子の捜索せにゃならんし、ややこしい説明しとる時間は無いんじゃ!双子言われるの兄者が嫌っとるのは、百の承知だがここは…ぐへぇっ?!」


兄を宥める為に巡査部長には聞こえん小声で必死に説得を試みとる最中に、兄から渾身の肘鉄を鳩尾に喰らった。


「はぁっ…はぁっ…鼻まで塞ぐんじゃねぇ!殺す気かぁ?!」

「す…すまんあに…ごふっごふっ」

「…大体あんたに言われなくてもですね…私だってわかってるんですよ」

「…」




「君達仲良いねー、流石兄弟だねー」

「!」

「僕も兄弟欲しかったなー」


巡査部長が俯くワシを顔を覗き込んできおった、いきなりのドアップにワシは驚いておると兄が家に向かって歩いていった。


「あれーどこ行くのー?」

「…甥の行方を知る手掛かりが家に残ってないか調べに行くんですよ」

「ふーん、ならちょっと鷲三少尉は僕と一緒にパトカーで待機しててくれないかなー?」

「へ?なして?」

「だって周囲にボスを救出しようと、マフィアが潜伏してるんでしょー?僕軍人みたいに戦えないから攻めてこられたら太刀打ち出来ないよー」


僕免許持ってないし巡査戻って来るまでここ動けないからさー、と困った様に巡査部長は眉間にシワを寄せた。


「…わかりました、家は私だけが見てきますので、鷲三はパトカーで待機してて下さい」

「えっ兄者?!」

「いってらっしゃーい」


そうこう言っとる間に兄は、ワシと手を振る巡査部長を残し行ってもうた…。


「………君達、本当は双子じゃないでしょー?」

「えっ?!」

「本当は三つ子で真ん中の子がもう1人の弟…いや鷲三伍長にとっては、もう1人の兄かなー?」

「なっ何故それを?」

「テレビで鷹の目兄弟の名前を聞いた時に鷹一と鷲三で“ニ”はどこに行ったんだろうってずーっと引っ掛かってたんだよねー、でも君達のさっきの態度を見て核心したよー、二の名前を持つ次男は別にいるってさー」

「…おっしゃる通りじゃ」

「それともう一つ推理してあげようかー?」

「ん?」




君のもう1人のお兄さん、能力者でしょー?

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