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目の前で強盗が行われている事に、恐怖で萎縮する。は、早く此処から離れて警察呼ばないと…俺は大人達に気付かれない様にそっと、物置の後ろから出て橋の方へ向かう、見付からないように…早く逃げ「おいガキ…お前こんな所で何してる?」
背後から男の野太い声が鼓膜に響いたと共に、視界に銀色に光るナイフが映った。
「ヒッヒィ?!」
「おっと大声出すなよ?首、かっ捌かれたくなかったらじっとしてろ…良いな?」
怖い!怖い!怖い!!動いたら駄目だと思っても体はガクガク震えて瞳から涙が零れ落ちる。
「ぅ…ぅうう゛う゛う゛〜っ」
「おいガキ何泣いてんだ?!うぜぇから泣き止め!鼻水も止めろぉ!!」
「いやそりゃ無理だろ、ちょっと冷静になれよ赤蛇」
マフィアの1人が、俺の所まで歩いて来て喉元に当てているナイフの手を掴む…何だ?助けてくれるのか?
「おいおい喉ちょっと切れてるじゃねーかもう少し離してやれよ、ほら坊やこのティッシュで鼻かみなさい」
「おい勝手な事してんじゃねーよ」
「いやいや、ちょっと坊やに聞きたい事があるからさ」
俺は渡されたティッシュで鼻をかみながら優しく笑いかける男を見る、この人俺の事助けてくれるのか?
「君学校はどうしたのかな?もう始業式は終わり?」
「ぞの…コ、コダローが、気になって…」
「そうかコダロー君?の事が心配で此処にいたのか、それでコダロー君が何処に居るのか知らないかい?」
「お…俺も知らない、です」
「うーんその様子じゃ本当の様だね」
「なぁ青蛇、俺はちょっと思うんだが…」
「どうした黄蛇?」
一人の男が手を上げ、ティッシュをくれた奴に近付いていく。
「多分そのガキ、病院にいるんじゃね?」
「ん?何で?」
「いや霊園での襲撃で闇鴉から逃げ帰って来た奴から聞いた話じゃ、そのガキ撃たれたんだよな?」
「?!」
今こいつ何て言った?!
「あーそうか病院か…本当黄蛇はワンテンポ遅れてるけど良い事に気付くな」
「おっおい!コタローが撃たれたってどういう意味だよ!」
「君に説明する必要は無いよ」
「なに?」
「だって君今から死ぬんだし」
そう言って男は懐から拳銃を取り出し、俺に向けた。
「目撃者は殺すのはマフィアの掟だ、君達はマフィアのお仕事を“目撃”してしまった…ああ心配する事はない、そのコタロー君だっけ?その子も近い内に君と会える事になる」
ああ…俺、死ぬんだな。………死ぬ前にあいつに謝りたかった。
「…(ごめんなコタロー、酷い事言って…俺、お前と仲直りしてもう一度友達になりたかったよ)」
そう心の中で謝罪をして、俺は瞼を閉じた。
「ぎゃぁぁあ゛あ゛あ゛!」
俺の頭上で野太い悲鳴が響いた、何だ?瞼を開ければ、目の前に鮮血が散っていた。
「あ゛あ゛あ゛…俺の手がぁああ!!」
ただし血を流しているのは、俺を人質にしていたマフィアのナイフを持っていた手からだった、マフィアは俺を拘束していた腕を離し、流血する手を抑える。
「(何だ?!目を閉じてる間に何が起こった?)」
良く見るとそいつの手には、アサシンキャットで良く見るクナイが、突き刺さっていた。
ヒュッヒュッ
「ぐっぐああああ!」
風を切る音と共にクナイが俺に銃を向けていたマフィアの腕に刺さり、拳銃を落としていた。
「な゛っ何でこんな物が…」
「!、赤蛇!後ろ!!」
「?!」
1人のマフィアが呼びかけると、俺を拘束していた奴が後ろを振り向く、俺も釣られ後ろを向くと、そこには大柄の男がこちらに向かって駆け寄ってきていた。
「何だお前?!「ぅおおおおお!どりゃあ!!」ぐお!」
大柄な男は俺を拘束していたマフィアの顔面に蹴りを食らわせる、蹴りを喰らった男の体は数メートル吹っ飛んだ。
「赤蛇ぃ!てめぇ良くも!」
マフィアは慌てて落とした拳銃を拾い大柄な男に向ける。だがそれよりも早く大柄な男は走り出し、飛び蹴りを食らわせると両足は見事にマフィアの腹部に命中し、後方へ蹴り飛ばされる。
「ぐっはあ!」
「子供相手に銃振り回して良い気になるなんて大人気ないのう!」
大柄な男は近くのマフィアに飛び掛かり腹部に拳を連打させた。
「大丈夫か坊主?ナイフ突き付けられて怖かったじゃろ?ワシ等が来たからにはもう大丈夫じゃ!」
大柄な男はマフィアの男を回し蹴りで蹴り飛ばす。俺はその男の顔に見覚えがあった。
「あんた…朝ニュースで見た鷲三って奴か?」
コタローと良く似てて強く印象に残っていたからだ、現に笑ってる表情もコタローに似てる…っておっさん!!
「おおワシも有名人になっとったか、何だか照れるの「後ろぉぉおおお!」む?!」
「死ねぇ!」
俺の言葉に照れた様子で頬を掻くおっさんの後頭部に向かって、マフィアの男が斧を振り下ろす。俺の大声で気付いたおっさんは間一髪の所で振り返り斧を白羽取りする。
「ぅお!危なっ!?」
「何っ?!…ぐはっ!」
おっさんは斧を白羽取りをしたまま、立ち上がり腹に蹴りを食らわせ後方へ吹っ飛ばす…このおっさん蹴り食らわせる度に相手吹っ飛んでるけど、どんだけ脚力あるんだよ?!
「お〜危ない危ない、冷や汗かいたわい…ん?終わった様だの」
周囲を見渡せば、マフィア達は全員血まみれで倒れ伏していた。おっさんの攻撃は打撃戦なのに血?不思議に思いマフィア達を良く見れば、全員手足にクナイが刺さりそこから血を流していた…そういやこのクナイどっから飛んできてんだろ?
「…っおいてめぇ等!コタローの事で聞きたい事がある!」
マフィア達が全員倒れた事と、頼りになるおっさんが居る事から俺は気が大きくなり、疑問をぶつける。
「てめぇ等コタローを撃ったとか訳わからねぇ事言ってたな!どういう事か説明しろ!」
「ガララララララララ…その必要はねぇよ」
「え?」
橋の方から蛇の様な鳴き声と共に男の声がした、そっちを見ると1人の男が銃をこっちに向けて立っていた。
「ガララララララララ…おいおい、ガキ攫って金品を奪うだけでなにこんなに手間どってんだ?」
「お…親分!」
「やっぱりボスである俺様が指揮を取らねぇとな…おめぇ等下がれ!こいつ等は俺様が相手してやる!」
「しかし親分怪我「良いからさっさと下がれ!お前等も俺様の無敵の能力の餌食になりてぇか!」
「!っわ、わかりやした!おいおめぇ等下がれ!」
橋の近くにいる男は、俺達に銃を向けながら近付いてくるのと入れ違いになる様に、周囲のマフィア達は互いに肩を貸し合いここから離れ様としている。
「おいおっさん、良いのか行っちまうぞ?」
「いや…ここは坊主の安全優先じゃ、あの親玉の銃弾が間違って主らに命中したら大変じゃからの」
そう言っておっさんは俺を庇う様に、銃を持った男の前に立った。
「主がこいつ等の親玉か?」
「ガラララララ…ああそうだ、俺様の手下が世話になったな」
「ワシの甥っ子に何の用じゃ?!しかも斧や鉄砲持って、手土産一つ持ってこんとは礼儀知らずじゃのお!」
「俺様の華麗な計画を邪魔した小僧の方がよっぽど礼儀知らずだ!」
「計画?」
「俺様達はなぁ、小僧にその迷惑料を請求しにここに来たんだよ…お前小僧の親戚って事だよな?なら丁度良い、お前に迷惑料払って貰おうじゃねぇか」
「迷惑料?高いのか?」
「ああ…勿論命に決まってんじゃねぇか」
「そりゃまたぼったくりも良い所だのう」
男が銃を構え直し、おっさんもテレビで良く見る武道の構えをとる。
「おい坊主、ワシがコイツの注意を引き付けておく…その間に安全な場所まで走って避難するんじゃ」
おっさんが俺にしか聞こえない位、小さい声で話かけてきた。
「坊主、ワシがあいつに向かって行ったら、正反対の方に全速力で走ってくれ」
「は?」
「主を守りながら戦うのはキツイかもしれん」
「おいおい怪我人相手に苦戦するなんて、おっさん1人で大丈夫か?」
「作戦会議は終わったか?ガキも逃がすわきゃねーだろ」
そう言って男は大口開けて、すぅーーーっと大きく息を吸い込み胸元を膨らませ始める。
「いかん!走れ坊主!!」
それを見たおっさんが男に向かって走り出す、突然の事にどうしようと慌てていると、男からでっかいこえがき こえて のう み そ が か き ま わ さ れれれれれれれれれれれ
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