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ガララララララララララ…
とある廃業ビル、数年前に倒産し使われていない事務室から、蛇の様な鳴き声が響き渡る。
その事務室で、1人の男が備え付けられていた埃まみれのソファに腰掛けていた。
「ガララララ…不味い飯を食らいつつ警察から逃亡する事7日間…傷も癒えて散り散りになった部下も集い、我がナイヤファミリーの復活は近い!…っ!?」
男は決めポーズをとろうとしたのか右手を勢い良く振り上げる、しかしその腕にはギブスが巻かれてあり、動かしたせいで折れた骨から激痛が走った。
「い゛っでぇぇえええ!!???…くっぞぉ!俺様の組織が壊滅しかけたのも、崖から落ちて右腕が骨折したのも治療費に全財産使い果たして、無銭飲食しなくちゃならなくて警察から逃亡生活する羽目になったのも、全部全部テネブラファミリーのせいだぁぁあああ!!」
ガァン!!
「ぃっぐ!!???っ」
男は喚きちらしながらソファを蹴り上げる、しかし柔らかい材質に反し重量感あるソファは、男の爪先に大ダメージを与えた。
「っっっ〜〜〜!!っくっそ〜…闇鴉め!俺様と同じ能力者って噂は聞いてたけど、遠距離戦が得意だなんて聞いてねぇぞ!俺様の能力範囲外からバンバン攻撃しやがって…「親分!」
男が痛む足を抱え飛び跳ねたい気持ちを抑えつつ、うずくまっていると事務所の扉が勢い良く開き、1人の若者が入ってくる。
「おう、どうした?」
「あの霊園にいたガキの住所がわかりました!」
「なに!?本当か!」
「へい!」
「よぉし!そうと決まったら出発だ!そこのコートを俺様の肩にかけろ!」
「…えっ!?親分も行くんですか?」
「ったりめーだろ?おら右手使えねーんだから早くしろよ」
「いやでも親分右手骨折中っすよね?安静にしていた方が…「ガキ一匹攫うのにこのぐれーどうって事ねーっつの!!」
「いやしかし親分、医師に激しい運動は禁止って言われてたでしょ?木々がクッションになったとはいえあんな高さの崖から落ちて、右腕の骨折だけだったのは奇跡だったって《だ・ま・れぇぇえええ!!》!?っ」
男は若者の耳元で大きく声を張り上げる、その声を聞いた若者は両膝を地につけ、両手で耳を抑えながらうずくまった。
「ぉ…ぉゃ、ぶ…耳元でそれ…は………ぐっ」
「ん?おおすまんすまん、だがこれでわかったろ?腕一本使えなくったって俺様は無敵何だよ」
「ぁ…ぅ………」
「…おいおい大丈夫か?吐くんじゃねーぞ?」
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