第6話 マゾヒストな女王蜂
突然廊下から響き渡る叫び声、コタロー君が幽霊だぁ!と怯え私にしがみついてきた。
「どどどどうしよう!お化けが出ちゃった!」
「いえ、私はこの声に凄く心当たりがあるので幽霊ではないでしょう、様子を見に行きますのでここで待ってて下さい」
「えっ!駄目だよ幽霊に会ったら食べられちゃうよ!?」
「(何故毎回怖いモノに遭遇すると食べられるという発想に至るのでしょうか?)…例え幽霊だとしても逆に返り討ちにしますから大丈夫ですよ」
「…うん」
私の着物の裾を掴んで離さないコタロー君を、宥めつつ手を離す様に促す、納得したのかコタロー君は手を離した。
さて一体何事なのでしょうか?私は確認の為にドアを開けた。
「あぁあ〜ん♡いっ良いわぁ〜もっと縛ってぇ〜♡♡♡」
私は開けた扉を勢い良く閉めた、私は何も見ていない。
『侵入者です!侵入者です!紅菊さん直ぐ来て下さい!紅菊さん大至急来て下さい!!』
…熊さんが大音量で私を呼ぶ、ああ本当は開けたくないけど仕方がありません。
扉の向こうで熊さんが、エムエムの体中をワイヤーで縛り付けていた。
「…何してるんですか」
「ああん♡…あら紅菊ちゃん、見てわからない?ぬいぐるみと束縛プレイよん♡」
『ナナシさん!テネブラファミリーではない侵入者が入って参りました!どう致しましょう!』
「(ああそう言えばエムエムの事を言い忘れていました)…そのまま締め落として下さい」
『了解!』
「ああん!イく!イっちゃうーーー!!♡♡♡」
「…お姉さん?熊さんの声が聞こえたけどどうしたの?」
更にきつく縛る熊さんと、気持ち悪い奇声を発するエムエムを見ていると、後ろからコタロー君の声がする、振り返ればドアを小さく開け、隙間からこちらの様子を窺うコタロー君がいた。
「…熊さん、子供の教育によろしくない光景なので直ちに止めて下さい」
『え?良いんですか?』
「さっきのはほんの冗談(9割本気)で本当はエムエムは知り合いです」
『…わかりました』
熊さんはワイヤーを解きエムエムを自由にする、エムエムは肩を解しながら立ち上がった。
「はぁ〜気持ち良かった♡」
「呼んでもないのに何しに来たんですか」
「え?何しに来たって?勿論これからコルヴォ様と紅菊ちゃんとニャンニャンしに「帰れ」
「冗談よ、私が来たのは坊やの様子を見に来たのよ」
「坊や?」
「ええ、私もこう見えても医者だから、怪我人の怪我の経過が気になるのは当たり前じゃない…あら!」
ドアの隙間からこちらを見るコタロー君の存在に気付き、エムエムはドアを掴み一気に開いた。
「ぅわっ!!」
「あらあらあの坊やじゃない!帽子でわからなかったわ」
「べ…紅菊お姉さん、この人だぁれ?」
「変態です」
「へんたい?」
「さっ余り近寄ると変態が移ります、部屋に非難しますよ」
「え?」
「いやん放置プレイしないで♡」
コタローの手を引き部屋に入ると、エムエムが私達に続き部屋に入ってきた、そのままUターンして帰って欲しい。
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