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家に帰ったら僕1人ぼっちで寂しいから、図書館で夕方になるまで本を読むのが日課になってたんだ、静かにしてなきゃいけなかったけど沢山人がいるし受付の人に話かければ優しく答えてくれるから、図書館は大好きな場所だったなぁ。
訓練所が近くにあるって事から、技術系の本が沢山あったから将来おもちゃ屋さんになった時の為に、読んでおこうと思って技術系の本を読む事にしたんだ。
そんで今日はどの本を読もうかな〜と思って本棚の所に行ったら、僕より小さな子が脚立の上で必死に手を伸ばして本を取ろうとしてたの、危なかったから僕はその本を取ってあげたんだ。
そしたら…
『余計な事すんな!!これぐらい取れるよバカ!!』
『えっ!?あっ…ごめんね』
って怒鳴られちゃって悪い事しちゃったかな〜って、思いながら僕が読む本を選んでたら、その子に声をかけられたんだ。
『おい』
『…(よし、今日はこの科学基礎編を読もうかな〜)』
『おい!学生帽被ったお前だ!』
『え?僕?』
さっきの子が脚立の上で僕を睨み付けていて、僕に何の用だろうって思ったら
『気がきかねぇ奴だな!ここから降ろせよ!』
『…降りられなくなったの?』
『ちげぇよバカ!手を貸すなら最後まで貸せって言ってんだよ!』
『え…う、うん』
脚立から降ろした子は楽途君と同じくらいで、もしかしたら同級生かな?と思ってたらその子はスタスタと歩いて行こうとしたんだ。
『ぇえ!君、ありがとうは!?』
『は?何でそんな事言わなきゃいけないの?』
『人に何かをして貰ったらありがとうって言わなきゃいけないんだよ?』
『はぁ?天才が凡人に何かをしてもらうのは当然の事だろ?』
『天才?』
『全教科100点満点、中訓練所入学と同時にS組確定の大天才だ、お前S組の奴じゃないだろ?』
『え?何でわかったの?』
『S組の帽子はそんな安い帽子被ってねーよ』
『安い帽子…』
『お前名前は?』
『僕?ひのした光太郎だよ?』
『あんまり生意気な事言うと、成年訓練所の光太郎って奴に虐められたって、先生に泣きついて今の組から降格させてやるからな』
『僕I組みだからこれ以上降格出来ないよ?因みに僕中訓練所だよ』
『はぁ?正真正銘のバカかよ、ならワザと痣作ってお前に殴られたって言って訓練所から追い出してやるよ、軍人になれない上に、小訓練所の子に暴行したって知ったら親御さん泣くぜ〜』
『あ〜…僕どの道一般人コースに行くし、お父さんとお母さん死んじゃったから…』
『はぁ!?お前嘘つくなよ!』
『嘘じゃないよ?』
『〜っ〜っ〜っ』
『?』
何か顔真っ赤にして、しかめっ面して黙っちゃったからどうしたのかな?って声かけたんだ。
『どうしたの?お腹痛いの?トイレはあっちだよ…『うるせーバーカバーカバーカ!』
そんでその子あっかんべーして、走って行っちゃったんだ
それから図書館で本を読んでると、男の子がこっちを睨み付けてきて何か用かな?って声をかけようとするけどすぐまた走って行っちゃって、暫くしたらまたこっち睨み付けてくるの。
それを何回も繰り返す日が何日も続いてね、ある日図書館にある技術の本はもう大体読んじゃったから、本で得た知識で僕がおもちゃ屋になったらこんなのを作ろうかなーって、ノートに設計図を書いてたらトイレに行きたくなったから、財布はポケットにあるし荷物そのままにトイレに行っちゃったんだ。
そしてトイレから戻ってきたら…
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