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僕は寝ながら泣いたせいで、ぐしょぐしょになった顔を袖で拭って頭を振る。


「洗濯物してお布団干して、掃除機かけさなきゃー…っ!!」


本当はもっとお母さんの夢を見ていたいけど、やる事いっぱいあるから必死に頭を振って思いっきり伸びをする。でも腕を思いっ切り伸ばしたら右肩に激痛が走った。


「いたたたたたた!痛い!痛い!痛い!?…あれ?」


パジャマの下に何か巻いてある?僕は服を捲って見てみると、そこには包帯が巻かれていた。


「あれ?何で包帯?…あれ?!これ僕のパジャマじゃない!!誰のパジャマだろ…う?」


僕は周りを見渡すと辺りは薄暗いお部屋で、僕の家じゃない事に気付いた。


「…ここ、どこ?」


その部屋は厚手のカーテンの隙間から差し込む光だけが、何とか部屋を照らす薄暗い部屋だった。僕の家の部屋よりもずっと広い部屋…なんで僕はこんな所にいるのだろう?


「真っ暗…取り敢えずカーテン開けないと…」


僕は起き上がってカーテンを開けようとベッドから降りようとする。けどベッドが大きくてお布団がモコモコ過ぎてなかなか降りられない。


「ちょっ…なにこのベッド!巨人さん用のお布団なのかな…っぶ!」


やっとの事で降りるけど、布団に足を取られて頭から落ちちゃった。


「いたたたたたたた!痛い!肩も痛いよ〜〜〜っ」


頭と一緒に右肩にも痛みが走って暫くうずくまって痛みを堪える、何で僕右肩怪我してんだろう?




×××




「?…起きた様ですね」


暗い中でも昼の様に普通に見える私は、アジト内の監視を兼ねて暗闇の中で新しいシーツを取り付けていると、コルヴォ様の寝室で何かが動く気配を感じた。動いている箇所にベッドが置いてある事から、少年が目を覚ましたのだろう。


懐中時計のスイッチを押し時計場を照らしてから覗き込むと、時刻は現在正午丁度。


「…(コルヴォ様は今日の昼過ぎには帰ると言っていましたので、もうすぐで戻るでしょうから、昼食の準備をしないといけませんね…あっベッドから落ちた)」


少年が転落したのを感じつつ、私は割烹着を脱ぎ掃除用具を片付ける事にした。


「(ちょうど掃除も終わった事ですが、子供を相手にするのめんどくさいですし、部屋に向かわずともこうして影伝いに少年を監視しながら、調理にかかれば大丈夫でしょう………あっ)」


そんな事を考えていると、コルヴォ様の寝室に光が差し込み探知が出来なくなった。恐らくカーテンを開けたか電気を点けたのだろう。


私が探知出来るのは闇の中だけで光がある箇所は見れない、少年の様子が窺えなくなった。




×××




「…ホテル?」


カーテンを開けて改めて部屋を見渡してみる、そこはテレビで見た高級ホテルみたいなお部屋だった…僕は何でこんな所にいるんだろう?


思い出そうとするけど頭が痛い、ベッドから落ちた時にこぶ出来ちゃったのかな…あれ?


おでこに触ってみると何か貼ってある?何だろうと思ってると部屋に大きな鏡があった、その鏡を覗いてみると頭にガーゼが張ってあった。


「ガーゼ?何でガーゼなんか張ってあるの??!!」


もしかして僕事故に合った?でも何で病院じゃなくてホテル?!


「ん〜…頭痛くて昨日の事思い出せない…誰かいないのかな?何か知ってるかも」


僕は人を探す為に部屋を出ると、また真っ暗な部屋があった。


「こっちの部屋も真っ暗…カーテン開けなきゃ…?」


カーテンを開けようと窓の方に向かうと、突然天井の方から音が聞こえ始めた。


ゴソ…ゴソ…


「な…なに?何の音?」


ゴソゴソ…ゴソ………ガタン!


「ひっ!」


ガタンガタン!ガタン!!


奥の方から何か激しい物音が聞こえ始めて、怖くなった僕は急いで扉の鍵を開けてこの部屋から出る事にした。

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