第2話 テネブラファミリー
1970年代、私達が在籍する国・日ノ本
かつては夜を火で照らし、全ての国民が着物を身に纏い、武士は頭を刈り上げ、武器は刀と火繩銃、建物は木造建築が殆どで、和の国と呼ばれていました。
しかし他国と同盟を組んだのを機に、日ノ本は文明開化し生活の発展と共に、文化も異国のものへと姿を変えて行く事となりました…が、異国のものを交えた発展は、悪い方面にも影響を与える事になる。
伊国と同盟を組んだ際に美味しい料理のレシピと共に、マフィアが裏社会に姿を現す事になったのだ。あと付け加えるならテネブラファミリーの先代の祖父が、1番最初に裏社会に足を踏み入れたマフィアであった。
当初はイタリアン極道など冷やかしを受けていた。しかし交渉術に長けた先代の祖父と、策士である先代の父親が親子2代で功績を上げた事から、あっという間に裏社会に溶け込み。更には日ノ本軍に対抗する意味合いで、裏社会はイタリアの文化を取り込み、今では極道を押し退けマフィアがにほんにおける裏社会の顔となっていた。
まぁ幾ら裏社会が伊国の文化を取り入れたとしても、私は純日ノ本人であり朝食は白米が1番です。
パン何て確かに用意は簡単ですが、スカスカで食べた気にならない上に、パン生地にはバターたっぷり。更に砂糖たっぷりのジャムを塗らなきゃいけない、無駄にカロリー高い食べ物じゃないですか。
私は塩と梅干しの酸味で、米の甘さが引き立つのを楽しみながら、おにぎりを噛み締める。前回の買い物で海苔を買い忘れたのが本当に悔しい限りです。
…さて今日の昼にはコルヴォ様が抗争から帰宅する上に、少年は(ベットに寝かされた時はコルヴォ様のシャツが着せられてましたが、余りにサイズが違い過ぎたので、汗を拭く際に私の寝巻きを着替えさせた時に、男の子だと判明しました)昨日丸一日眠っていたので、いつ目を覚ましても可笑しくない状態。部下達が掃除を終わらせた部屋のベットメイク等の最後の仕上げに向かいますかね。
そう思いながら朝食を食べ終えた私は、食器を流しへと片し自室を後にした。
×××
ぐるぐる、ぐるぐる
頭の中が洗濯機になったみたいに、脳みそが掻き回されて、すっごく熱くて痛くて体中が寒かった。
眠いのに眠れなくてでも起きられない位、頭が痛くって…涙が止まらなかった。
『コタロー』
僕が頭が痛くて泣いてるとお母さんが隣のベッドから、僕のお布団の中に移ってきて抱きしめてくれた。看護師さんに注意され何回も自分のベッドに戻っても、看護師さんがいなくなると、僕のベッドに入ってきてくれた。
『寒いわねぇ、知ってる?昨日から夏は寒いものになっちゃったんだって…寒くて眠れないから一緒に寝よう?』
お母さんは嘘つきだった。
いつもお母さんは嘘をついていて、お母さんも頭が痛いのに無理をして僕を寝かせようと、僕を抱きしめて子守唄を歌ってくれた。
お母さん、お母さん、僕はもう大丈夫だよ、大丈夫だからベッドに戻ってて良いよ。
『コタロー…私はね、お父さん以外に守ってくれる人がいなかったから、嘘つきになっちゃったんだよ』
でもお母さんは僕を抱きしめるのも、子守唄を歌うのを最期までやめてくれなかった。
『でもコタローは嘘つく必要ないんだよ、だってコタローは優しい子だから、守ってくれる人が沢山現れる…あなたはお父さんに似た優しい子なんだから…』
「おかぁ…さん?」
重たい瞼を開けると僕を抱きしめてくれてたお母さんはいなくなっていた。何回か瞬きをして体を起こして周りを見るとお薬の匂いも、患者さんの呻き声も、真っ白な病室も、頭痛も熱さも寒さも無くなっていた。
…またお母さんの夢見てたんだ。
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