3

「はぁいコルヴォ様ぁ!30分以内にアジトに来いだなんて、遂に私を抱いてくれる気になったの?!しかも上着脱いで準備万端?OKOK気が変わらない内に熱く溶けそうな時間を過ごしましょう!例え今が真っ昼間であろうとも、愛し合う時間に変わりは無いのだから!!」


…鼓膜痛い。


「あららんそこに見えますは紅菊ちゃん?はっ!!まさか3P?!オーケー私真ん中なのね!!」

「違います」


部屋に入った途端に真っ赤な口紅を塗った唇から、マシンガントークを炸裂させた。メリッサ・マゾストレッティ、通称エムエム…相変わらず胸にぶら下げている重そうな塊、肩凝らないのだろうか?


「え?まさか攻め?!良いわよ私どちらかと言えば攻めるより受ける方が好きだから!ああお二人に攻めて貰えるだなんて考えただけで絶頂を迎えそう!さぁさぁ何プレイで行く?SMだったら私愛用のSMグッズ惜しみなく貸しま…


ザシュッ


ずぅ゛…」


私はエムエムの下品なマシンガントークを黙らせる為、鉄扇で喉元を切り裂いた。


「おい」

「すみませんコルヴォ様、後で床の掃除致します」

「…エムエム、お前を呼んだのは治療の為だ。かなり血を流してしまったから早急に手当てをしろ」


喉元を抑えうずくまるエムエムに、コルヴォ様は呼び出した訳を話した。


そうエムエムは単なるドMではなく医師、それもただの医師ではなくナノマシンやら細胞組織の研究をしている研究員である、それも…。


「は゛ぁ゛ーい゛コ゛ル゛ヴォ様゛」


エムエムはコルヴォ様の命令に顔を上げ、喉から血を流しながら笑顔で返事を返した。喉を切り裂かれても絶命しない(むしろ喜んでいる)のはドMであるエムエムは更なる快楽を求め、自分の体を致命傷であろうとも、死ぬ事の無い肉体に作り替える事に成功した“天才”と呼ばれる存在なのだ。


「も゛ー紅゛菊゛ぢゃん゛った゛ら゛過激な゛ん゛だか゛ら゛ぁ゛…危うくイっちゃう所だったわぁ♡」


みるみる内に泡立ちながら再生してゆく喉の傷、ああ何回見ても気持ち悪い。


「それでコルヴォ様どこを怪我したんです?」

「私じゃない、この子だ」


エムエムは喉元の瘡蓋を剥がしながら、コルヴォ様が指差した先にいる子供を見る。


「え?この子…」


エムエムは驚愕した表情で子供を見る、知っているのでしょうか?


「コルヴォ様酷い!!私というものがありながら隠し子だなんて…はっ!まさかコルヴォ様はペドフェリア?!!」


…な訳ないか、そこでふとコルヴォ様の右手に黒い球が出来上がっているのに気付く。


「(…一応影の中に非難しておきますか)」

「通りで私に欲情しない訳だわぁ…わかったわコルヴォ様!私若返り薬の調合を「黒羽の弾丸」


ドォオン!


コルヴォ様の手から放たれた黒い球体が直撃し、エムエムの体が吹き飛び、顔面から壁に勢いよく激突した。


「壁の掃除も追加されましたね」

「給料上乗せするから許せ…エムエム、さっさとやれ」

「紅菊ちゃんとの温度差…余りの冷たさにゾクゾクしちゃうわぁ♡」


影から出て血で汚れ若干凹んだ壁を眺めていると、エムエムが折れ曲がり出血する鼻をさすながら、ポーチの中から注射を一本取り出しソファーへと向かう。


「いやーねぇコルヴォ様、私が重傷患者の前でふざけてると思います?私には本当にやばいかどうかなんてちゃんとわかってますって」

「「………」」


そう言いつつ取り出した注射を、少年の腕へと注射する。


「今増血剤打ったから出血死は無くなったわ。…それでコルヴォ様、この子が怪我した時の様子聞かせてもらえます?」

「銃弾が一発肩に当たった…弾は貫通したが打たれた際に階段から転げ落ち気絶した。かなりの高さから落ちたから骨折の可能性もある」

「あらら可哀相に、どれどれ?」

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