第1章―第4話―

「そんなに珍しいものかな?」

 そう言われた悠李は思った。なぜ、武士が珍しいものじゃないのか…と。

「逆に武士がいないところなんてあるのか?」

 雄介はこう言っているが普通武士が当たり前の地域自体どこにあるのだろうか。そう言いたげな悠李だったが寸前で言葉を飲み込んだ。

「…ところでなんだが。その光る板はなんだ?」

「…え?これはスマホですよ?」

「すまほ?とはなんだ?」

 …え?スマホがわからない?そう思った悠李であった。

「…えっと、スマホっていうのは遠くにいる家族と連絡が取れたり、中に専用のアプリというものを入れて地図を見たり、遊んだりできるものです。」

 この話を聞いた雄介と雪は目を輝かせながらこう言った。

「そんなにも便利なものがあるのか!?」

「え!?そんなに便利なものがあるの!?」

 悠李はふと、気になったことを聞いてみることにした。

「あの…私も少し聞いてもいいですか?」

「ああ。俺がわかる範囲であれば答えよう。」

「じゃあ、今って何年ですか?」

「今は2024年だが…」

「2024年…(ボソッ)えっと、じゃあ今は政治を行っているのはどこですか?」

「幕府だが…」

「もしかして江戸幕府ですか?」

「そうだが。それがどうかしたのか?」

 悠李はこの瞬間一つの仮説が頭の中に浮かんだ。建物自体は現代風だが皆着物を着て、武士もいたからずっと異世界にでも来たんじゃないかと思っていた。

 しかし、現代であり幕府が政治をしているとなり別の仮説が浮かんだのだ。

「もしかして私、異世界とかじゃなくて別の世界線に迷い込んだんじゃ…?」

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『異世界とかじゃなくて別の世界線に迷い込んだんじゃ?』 ゆきのはな @mio1789

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