第1章―第3話―

「おや、日本の人だったのかい?ごめんなさいねえ着物じゃなかったから…」

着物?と、悠李は少し違和感を抱えながらもこう返した。

「いえ。大丈夫です。」

そう話していた時、玄関から「ごめんください」という声が聞こえてきた。

「ああ、忘れてた!今日は税の徴収だった!」

(いや、そんな大事なこと忘れちゃダメでしょう…)

と、悠李は思っていた。

「こちら、税のお米です~」

「確かに。」

「ん?見かけない格好をしているがそちらの人は?」

「私は平嶋悠李です。目が覚めたら知らない場所にいて、ここの人に泊まらせてもらっています。」

「そうだったか。俺は東京に駐在している武士の秋野雄介あきのゆうすけだ。」

そういわれたとき、悠李は一瞬頭が真っ白になった。

「武士!?」

「ああそうだ」

「そんなに珍しいものかい?」

雪が悠李に問うと、悠李はこう答えた。

「逆に珍しくないのですか…?」

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『異世界とかじゃなくて別の世界線に迷い込んだんじゃ?』 ゆきのはな @mio1789

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