第24話 罠成功


「あ、私、今レベル上がったー」


「おめー」


 翌日。


「おはよう。レベル上がった?」


「おはようございます。寝てる間は気づかなかったかもですが、たぶん上がってないです」


「だよね。俺も上がってないんだよね。ステータスも確認したけど……んーちょっと、ステータスの指輪アップグレードしないと経験値が見えないからさあ、今度、街行ったらしてくるよ」


「カズキはステータス気にしてなさすぎ前の王都でそれもやってると思ってたよ」


「あはは。面目ない」


「カズキさん、敵無しですもん。ステータス気にしないのわかる気がします」


「とりあえず、朝食食べて、罠見に行こうか」


「ですね」


 そして、ダンジョン2階へ。


「あ、なるほど、罠が、ダンジョンに吸収されちゃったのか……」


「失敗ですね」


「うん、たぶん大丈夫。作り直すよ。今日は一旦、帰ろう」


「はーい」


 帰宅。


「今日は俺、罠作るよ、二人は、うーん、自由時間」


 俺は黙々と罠を改良した。浮遊を付与して、冒険者から見つからないようにミラージュも付与した。そして、折角作った罠が無くなるのが、嫌なので、三箇所だけ、一人でしかけに行った。


 翌日。


「おはようございます。カズキさん、私レベル上がったんですけど」


「おお、成功したのかな? 実は昨日少しだけ、仕掛けに行ったんだ」


「カズキー、私、今レベル上がったぞ」


「と言うことは、まだ罠が活きてるって事だ。成功だ」


「やりましたね」


「うん。じゃあ俺は今日、罠増産するから、二人は2階の、まだ設置してない場所、お願いしてもいい?」


「了解」


「もし、危なかったら逃げるんだよ。それ以上の階に行っちゃダメだよ」


「カズキさん、心配症ですね。でも、了解しました」


「うん。よろー」


 この日は、罠作りに励んだ。足りない素材も取りに行った。最後にステータスの指輪のアップグレードをしに王都でもよかったが、越竹のが近かったのでそちらでし、プラネタリウムの料金箱の、お金を回収して帰った。道中レベルが上がった。


「ただいまー」


「おかえりなさい」


「罠は設置出来た?」


「はい。完璧です。さっき、また、あの勇者マイコって人来ましたよ」


「え? 何もされなかった?」


「そうですね。お姉ちゃんと、ちょっと、喧嘩してたけど、なんか文句言って帰っちゃいました」


「何しに来たって?」


「んーわからなかったです」


 …………。

 

「あ、お姉ちゃん、お風呂でたの?」


「うん、お先、それよりアイツ何なんだ、腹立つー」


「あ、俺もレベル上がったよ。二人のおかげだよ」


「そんな事ないですよ」


「じゃ、明日はみんなで3階行こうか」


「オオー」


 それから七日後、また、マイが、やって来た。


 ピンポーン。


「あ、マイ。……何かな?」


「カズくん、私も仲間に入れて。彼女なのよ」


「えと、そう言われても……、急に攻撃してくるし」


 俺は本当に覚えていないのだ。


「それは、悪かったわよ。だから仲間に入れて、彼女をほったらかして、他の女の人と同棲なんて、エッチだよ」


「いやいや、何もしてないし……とりあえず、二人に相談してくる」


 猛反対された……。

 グミエが奥から出てきた。


「ギャーギャーうるさいと思ったら、またお前か」


「あ、成金ババア」


「んだと、表出ろ、このアマ!」


「出てるっつーの、お前が出ろ」


「上等だ」


 俺はグミエを止めた。


「えと、マイ。仲間はこんな感じだからムリかな」


「なんでよー、このままじゃ魔王倒せないじゃない」


「だから、魔王って俺知らないんだけど……」


「私と因縁があるの。私勇者だし倒さないと、それにカズくんも知ってるやつだよ。ムカつくやつだけど」


「え? 俺も知ってるの? 日本人?」


 グミエが後ろから、


「ムカつくやつってんなら、お前が魔王だろ」


「うっさい、ババア。カズくんは知ってるけど、たぶん知らないっていうかぁ」


「いいから、早く帰れ。グエナー塩持ってきてー」


「うっざ、とにかく私を仲間にするか、その二人と奴隷契約やめて」


「なんで、二人が奴隷って知ってるの?」


「とにかく、知ってる物は知ってるの」


 …………。


「私はもう帰るよ」


 行ってしまった……。


 更に、三日後、5階まで罠の設置が、終わった。ボス部屋も罠で行けてしまった。帰宅したら、置き手紙が、あった。


 何で、留守なのよ。またくるね。愛しの麻衣子より。


「カズキ、それ、ちょっと貸しなさい」


「ファイア」


 …………。


「夕飯何にします?」


「任せるよ」


「はーい」


「カズキー、思ったんだけど、経験値は入るけどさあ、ドロップアイテムとか、ボスの宝物とか勿体無くない?」


「あー、ね。俺もそれ思ってたんだよ」


「ギルドにアイテム回収する人募集の依頼でも出す?」

 

「うーん……、あれはどうかな?」


「あれ?」


「テイムか、奴隷、魔物の」


「ああ、なるほど、それいいかも」


「テイムはスキルでしか無いよね? 新しい魔法とかであればいいんだけど……」


「奴隷でいいんじゃない?」


「ご飯できましたよー、今日はオムライスです。おいしくなあれ」


「いただきまーす」


「で、奴隷ってさ、どうすればいいの? 教会に魔物連れて行くの?」


「カズキさん、忘れちゃったんですか? その本読んでた気がしましたけど」


「あ、うん。ごめん」


「魔物の奴隷は、まず、仲良くなって、その子から好かれて奴隷が受け入れられれば、奴隷の首輪がその子に装備出来ます」


「ああ、そうだった」


「奴隷が受け入れられなければ、勇者の指輪みたいに弾かれて、装備出来ません」


「なるほど」


「私『お友だちからはじめましょ』使えますよ」


「じゃあ、明日はみんなで、奴隷候補の魔物探しに行こうか? 奴隷ってグエナちゃんが、契約しても、俺の奴隷になるって事だったよね? 確か」


「ですです」


 なんか、奴隷の奴隷は主人の物って事は覚えていた。

 ドヤった。


「あ、そういえば、ちょっと待って『アイテムボックス』やっぱりあった」


「何ですか?」


「これあげる『お友だちからはじめましょ』の上位『結婚して下さい勘違いしないでよね魔法名なんだからね』余ってた。今のグエナちゃんなら覚えれるんじゃない?」


「ちょっと、カズキ、何で余ってるのよ?」


「あはは、ここからここまで下さいって言った時に被ってたんだよね……てへぺろ」


「ムダ遣いじゃない」


「いやいや、グエナちゃんにあげる為だよ」


「嘘おっしゃい」


「……じゃ、魔物のお世話係はグエナちゃんに任せようかな、俺、苦手だし」


「はい。かわいい、ワンちゃんとかが、いいです」


「明日、がんばろー、おやすみー」


「はい。おやすみなさい」

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