第17話 特別生活魔法 2
魔動車工場をあとにして特別生活魔法ショップに来た。本当に面白い魔法が並んでいる。
「とりあえず『カラー』をみんな買おうか、自転車の色塗り手伝ってもらうから、ジョン君もこれは経費だからね」
「わかりました」
「私は、青と黒が、ダメね。水と闇の属性無いもの」
「私は、黄色がダメみたいです」
「ちょっと、グエナ、白もダメじゃない」
「えっと……その……」
グミエさんに凄く睨まれている。
「ジョ、ジョン君は?」
「はい。僕はアクセサリーでステータスは全部足りてます」
「流石だね」
「グーエーナー。ちょっと来なさい」
グミエさんがグエナちゃんの体を調べ始めた。
「あら、ずいぶんステキなネックレスしてるのね?」
「カ、カズキさんにプレゼントしてもらいました……」
すごい形相で近づいて来た。
「グエナにだけ、すごい甘いのね」
あからさまな、泣いたフリをしている……。
「グミエさんのバッグのが、絶対高いよ……」
まだ、泣いてるフリをしている。
「ぐすん。私はそんな値段の事を言ってるんじゃないの。秘密にしてた事を言ってるのよ。ぐすん」
「わかったよ。ごめんね……」
「そう。じゃあ、闇とは言わない、水のアクセサリーで許してあげるわ。グエナも土のアクセサリー買ってもらいなさい」
「…………わかったよ、これでカラーは全員全部買えるかな? ああ……」
「あー、また、私だけ、黒がない」
他の特別生活魔法も見た。かなり生活魔法と呼べないような、攻撃魔法が多めだ。値段はまちまちである。
作れるやつは値段は自由なのかな?
俺は『ビリビリしちゃうぞ』と『ビックリしちゃうよ』を、とりあえず買う事にした。
これ制作者同じ人だろ?
ビリビリしちゃうぞ、必要ステータス、ライトニングボール、スロー、水20、風20、光7、電気が走る。
ビックリしちゃうよ、必要ステータス、ファイア、ウォーター、ホット、クール、スロー、闇2、音がでる。
店の奥に小さく、上級特別生活魔法コーナーがあった。注意書もあった。
理論書使えるものも含まれます。
んー。使える人がいないって事かな?
遮音結界、必要ステータス、もう、うるさくないもん、スロー、水40、光10、闇5、完全に音を遮断する。1800万円。
ん? 完全にだと……じゃあ、あの声も?
これは買うしかないと思い、もう、うるさくないもん、も、買うことにした。
もう、うるさくないもん、必要ステータス、ライトウォール、ウォーター、エアー、土10、光3、闇1、音を軽減する。
「店員さーん、お聞きしたい事が」
「はい。どうなされました?」
「なんて、言うか、言いづらいんですけどぉ、アホみたいな名前の魔法と普通の名前の魔法があるのは何でですか?」
「えーと、そちらの商品の説明見てもらっても良いですか?」
サンダーボルト(仮)必要ステータス、ライトニングアロー、エアーショット、くらえドッカン、水40、風20、光11、7770万円
備考、作者コメント、こんな凄い魔法考えたのに、上級に入れられて、名前つけられないなんて、やんなっちゃう。超上級って感じよ! もし、使える人がいたらご連絡くださーい。お安くしますよ。
なんだコレ……?
「その、魔法の様に、理論的に発動可能で、創ったけど、まだ、ちゃんと使用されてない物には(仮)が付きまして、まだ名前をつける権利がないので、他の職員が適当だと思われる名前をつけます。作者コメントにある様に、ちゃんと使用出来る証明が出来れば(仮)が外れるので、その時に名前の登録がされます。名前が、決定される時が、唯一サンダーボルトから、変更出来るチャンスなのですよ」
「なるほど、じゃあ、普通の名前のやつは製作者が、その魔法が使えるステータスが無い時って事ですね」
「大半はそうですね。ほとんどの研究員が、名前を残すために研究してますからね」
……んなバカな……名前、そんなに大事か?
「ねぇ、カズキさーん、これ見てー、これカズキさんが作った窓と同じなんじゃないかな?」
ガラスになんて負けないんだからね(ライト障壁)必要ステータス、ライトウォール、クール、クリーン、水20、風3、光7、闇1、備考、消費MPに注意! 消費MP50、100万円。
「うん、同じだね。一発で出来るのは効率いいなあ」
「カズキさんの、作ったやつだと、消費MPは?」
「30くらいかな?」
「すぐ作れるけど、MP重いって感じですか。買います?」
「うーん、いらないかな、まあ便利だけどね」
それよりも気になる……。
「店員さーん。またまた、すいません」
「はい」
「この(ライト障壁)って何ですか?」
「ああ、それは、正式名称じゃないよ。正式名称は、ガラスになんて負けないんだからね、までだね」
「では、何で?」
「みんな、省略して『ガラス、ガラス』って言っちゃうから、後から付けただけ、ガラスではないですもん」
「な、なるほど……」
結局、俺は『ビリビリしちゃうぞ』と『ビックリしちゃうよ』と『もう、うるさくないもん』と『麻痺』と『遮音結界』を買った。
麻痺、必要ステータス、ビリビリしちゃうぞ、ビックリしちゃうよ、スロー、風30、水30、光2、闇4、器用さ30。
経費でグミエさんに『どっこいしょ』をグエナちゃんに『痛いの痛いの飛んでけー』をジョン君に『おっちゃんに任せとけー』を買った。
どっこいしょ、必要ステータス、ロックウォール、ドライ、クリーン、風1、闇1、すぐに座れる快適なイスを作る
痛いの痛いの飛んでけー、必要ステータス、ドレイン 、ホット、クール、クリーン、ドライ、光1、傷の治りを、早くする。ちょっと痛み軽減
おっちゃんに任せとけー、必要ステータス、ファイア、火1、風1、土1、水1、光1、闇1、少しの間、筋力が増加する。
ジョン君はしれっと『おいしくなあれ』を買っていた。
おいしくなあれ、必要ステータス、ホット、クール、水1、光2、料理が、少し美味しく感じる。
「じゃあ、何か食べて宿に行こうか?」
「はい」
「今日は、ちょっと食べたいものあるんだけど」
「カズキさん、珍しいですね」
「て言うか、カズキさんが食べたいものなんて言うの初めてじゃないかしら?」
「あはは、そうかも」
「で、何が食べたいの?」
「寿司! ちょっと、海の魔物とか、図鑑で見てね」
「いいじゃない」
「賛成です」
「ジョン君も、いい?」
「はい」
「じゃあ、寿司屋探しながら、宿も探そうか」
「宿は、コロシアムの近くがいいわよね? 明日は武道大会だし」
「だね。空いてるといいけど……」
コロシアムの近くで、寿司屋と宿も見つけられた。寿司は美味しく感じた。
武道大会、当日。
「ごめんみんな、コロシアム先行ってて」
「えっ? カズキさんは?」
「魔法の事が、気になりすぎるので、図書館行ってくる
」
「えーっ! チケット無駄に、しないで下さいよー」
「うん。大丈夫すぐだから」
「じゃあ、先行ってるわね」
「師匠、お気をつけて」
「いってきまー」
急いで、図書館へ向かった。魔法の本を時間を忘れて貪った。
グミエさんから、連絡がきた。
「ちょっと、まだ、図書館に居るでしょ。もうすぐ準決勝始まっちゃいますよ」
「ああ、ごめん。すぐ向かう」
急いで、本を片付けた。
「あら、カズキさん、今日、武道大会見に行ったのでは?」
「あ、ガーテラさん。今から向かいます。お世話になりました」
ダッシュでコロシアムに向かった。
「もう、カズキさん、遅いですよー」
「ごめん、ごめん」
「師匠、次、決勝戦です」
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