34.憑依と遭遇

♦︎


[『SBO』 はじまりの島──アンファング]


 『うわぁ〜! すご〜い! ミカはいつもこんな景色を見てるんだねっ!』

 「そうだよ。アンファングは僕たちプレイヤーの安息地だし、そっちの方に僕が所属してるギルドの本拠地。どこか行きたいとこはある?」

 『そうだなぁ〜……あっ! ミカが初めて出た平原見てみたいかも!』

 「分かった」


 今、僕の体に憑依という形でシェリーがついてきている。どうしてこうなったのかというとクリスマスの日にゴールの泉に訪れた際に外の景色は見れないものかと思っていたらウンディーネが提案してくれたのだ。《憑依》というスキルであればシェリーを外に出せると。そうして今こうして外で観光しているのだ。


 『ミカの彼女さんとかは来なかったの?』

 「呼べば来ると思うよ。呼ぼうか?」

 『呼んで呼んで〜!』


 シェリーのお願いを聞くためにフレンド欄を開き、みんなにメッセージを送った。全員数分したら集まってくれて良かった。


 「珍しいな。お前が呼ぶなんてよ」

 「お兄ちゃん、今日なにかあるの?」

 「……ん? なぁ、ミカ。?」

 「アサ様何か感じるの?」


 アサは僕の斜め後ろに目を向けていた。アサは僕といるからかわからないけど勘が鋭くなっていると思う。


 「正解だよアサ。といってもいるのは人魚のシェリー、シェリエールっていう子で本来は第四の島のゴールの泉でしかいれないんだけど、そこの泉の妖精でシェリエールの友達のウンディーネが《憑依》っていうスキルがあればシェリーを外に出せるって聞いてね」


 僕はアサに説明すると僕の背中側からふわりと白いモヤが浮き出た。それに目を向けるとシェリーの姿を取った。


 『やっほ〜! ボクはシェリエールだよ! みんなのことはミカから聞いてるよ〜』

 「うわっ!? な、なんか出たぁ!?」

 「あはは。この子がそのシェリエールなんだ。仲良くしてあげてくれると僕も嬉しい」

 「よ、よろしく……な?」

 『よろしくね〜! えっときみはニノマエ、だよね?』

 「おぉ……正解だ」

 『それで、そっちがキョウでヴェイン、そしてアサ!』


 シェリーはピシッと指を向けながらそれぞれの名前を呼んだ。その度にみんなは驚いた顔をしてから笑った。


 「すごいなシェリエールとやらは」

 「でしょ。みんな呼んだのはこの子がみんなと話したかったからなのと会ってみたかったらしくてね。まぁ、今から平原出るから歩きながら話そう」


 みんなをそう促して平原へと出る。


 「でもまたなんで平原へと出るんだ?」

 『ボクが見てみたかったんだ〜。ほら、泉って戦闘とか禁止だからさ』

 「あ〜……。確かにそうだったなぁ。俺はもう入れねぇけどミカなら安心だもんな」

 「そうね。ミカだったらちゃんと話も出来るしね」

 「……僕のことなんだと思ってるんだい?」


 みんなは口を揃えて苦笑する僕を見て言った。


 「『菩薩』」


♦︎


[第一の島──アインスブーセ]


 今度は荒野のフィールドのアインスブーセへと来た。今僕が前衛をしているからみんなは後ろで歩きながらふよふよと浮いているシェリーと談笑していた。シェリーの明るさとみんなの優しさもあってかすぐに打ち解けていて仲良くなってくれて嬉しい。


 「あっ、ミカー。左前方に敵反応あったぞ」

 「ありがとうニノマエ。アサ、一緒にやる?」

 「あぁっ!」


 こんなふうに時折、みんなでそれぞれひとりでやったり2人でやったりと動いていた。


 「体勢崩したぞ!」

 「おっけー!」


 アサと位置を交替してノックバックで倒れかけた機械人形を股から斬りあげる。しっかりと倒し切り、長刀を収めたあとアサとハイタッチする。


 『ミカとアサはほんとに息ぴったりだね』

 「ふふ、そうだな。そう言ってもらえて私も嬉しいよ。次の組み合わせはどうする?」

 「そうだなぁ……ニノマエとキョウはどう?」

 「お、良いぜ。んじゃ行くか〜キョウちゃん」

 「は〜い! ヴェインちゃんは次だね!」

 「えぇ、良いわよ」


 交替とばかりにニノマエとハイタッチを交わす。


 『ミカの周りってさ、温かいね』

 「ん、そう? まぁ、でも分かるよ。それもこれもキョウのおかげなんだけどね」

 「けどあたしたちとはひとえにあんたの力のおかげじゃない。あんたは謙虚すぎよ」

 「そうだな。それがお前の良いとこではあるが時には強欲になったって良いと思うぞ」

 「あれ、なんで嗜められてるんだ?」

 『でもミカは虚飾を誇らないからかっこいいよ』

 「あ、ありがとう……?」


 前ではキョウとニノマエが暴れに暴れていた。


 「ニノマエくんそっち行った〜!」

 「任せとけ! おぉりゃっ!」

 「わたしもいっくよ〜!」


 2人の暴れっぷりを僕たちは眺めて先に発したのはシェリーだった。


 『元気だね。キョウとニノマエ』

 「それが取り柄だからねぇあの2人」

 「あの2人いると場が明るいものな」

 「騒々しいの間違いじゃない?」

 「オブラートはどこだ?」

 「事実じゃない。ねぇ、ミカ?」

 「僕に振られてもなぁ……」

 『あははっ! ミカが困ってる〜』


 空を泳ぐように動いて僕を指差しながらカラカラ笑うシェリーの額をデコピンする。もちろん実体がないのだからすり抜けるのだが。


 『あ〜、やったなぁ〜!?』

 「実体じゃないんだから大丈夫でしょ」

 『こうしてやる!』


 うなじ付近がヒヤッとした。


 「うぉぁっ!? えっ、冷たっ!?」

 『ふふ〜ん。どやどや』

 「いまのは……まさかミカに干渉出来るのか?」

 『ん〜、ちょっと違うかなぁ? ボクはいまミカの体借りてるでしょ?』


 シェリーの言葉に僕たちは頷く。


 『それで前は加護だけの繋がりだったのが今は憑依してることでかなり深くまで繋がってるんだ』

 「……一心同体みたいなこと?」

 『それに近いね』

 「ふぅーむ……憑依というスキルはそういうものだったのか」

 「どうなんでしょうね。今までシャーマン系のビルドはいなかったものね」

 「ネクロマンサーみたいなのはいなかったの?」

 「いなかった……はずだ。いや、探せばいるかもしれんな」

 「何の話してんだ〜?」


 どうやら全部倒し終えたようで戻ってきたニノマエが疑問符浮かべながら聞いてきた。


 「ネクロマンサーっているのかなって」

 「あー。どうなんだろうな。キョウちゃんなんか知ってる?」

 「ん〜……知らないかな。あるかもしれないけど見たことないかも」

 「見てみたいね」

 『ネクロマンサーってのがよくわからないけど、黒魔術? みたいなの使う人はいるよ〜?』


 全員が「えっ?」とふよふよ浮かぶシェリーを見て固まった。


 『…………ほよ?』


♦︎


[第六の島──淫靡なる湿原]


 『そうそう。ここにいると思うよ』


 シェリーの案内のもと訪れたのは初上陸した第六の島、淫靡なる湿原。確かにじめっとしていて、湿度が高い。地面も幾分か泥濘ぬかるんでいるようだった。


 「でもここって何がいるの?」

 「私も分かっていないんだ」

 「あたしも」

 「俺も」

 「わたしも〜」


 全員知らないようだ。だから全員、シェリーを見る。シェリーはにこやかな顔のまま答えた。


 『ここにいるのはメデューサだよ。このまま奥に進んでけば分かるよ』


 前方へ指を差して言うので僕たちは歩く。先に進むたびに霧が立ち込める。


 「霧深くなってきたな」

 「離れないように注意して進もう」


 頷き合い、周りに注意しながら進む。


 『多分このあたりにいるって聞いたと思うんだけど……』


 シェリーの呟きに反応してか分からないけど突如目の前の霧だけが濃くなり、音がした。


 『その声は……シェリーね』

 『あっ! やっぱりメデューサだ!』


 前方から声が聞こえた。それもとても大人びていて、けれど綺麗な女性の声だった。けど姿がはっきりとしない。目を凝らしてもよく分からなかった。


 『そこにいるのは人間ね。貴方たちはわたくしの敵? それとも味方なのかしら?』


 霧の中から見定めるような……それこそ蛇に睨まれているような感覚がした。全員が忌避感からか各々の武器に手を掛けようとする。それを僕が止める。


 「……大丈夫。多分それより先に動いたらダメだと思う」

 「な、なんでわかんだ?」

 「…………勘。でも……そこのあなたは僕たちを見定めてる、よね? そう聞くってことは」


 固唾を飲みながら問い返す。霧の中の人────かどうかは分からないが────は笑った……ように感じた。


 『そこの黒い服の男の子は胆力があるわね。気に入ったわ。今から姿を出します。それでもその気を保てるなら味方と判断しましょう』


 そう声が響き、サァーッと霧が晴れていった。そこから現れたのは薄い布を所々留め、妖艶な大人の体をしている女性。けれど長い髪は薄緑で太い。よく見れば髪それぞれが独立して動いていて先端は蛇の顔があった。顔はとても人間とは思えないくらい整っていて、まるで彫像のような白い肌。スッと伸びる鼻梁。薄い唇は薄紅の色で目は横に細長く、瞳は綺麗なエメラルドの瞳でだけど瞳孔はまるで蛇のように縦長だった。


 「………………」


 全員、その様相に呆気に取られていた。それは僕もそうだった。そしてその女性は「ふふふ」と微笑った。


 「すごいわね。シェリー。この子たちは貴女の友達ね?」

 『そうだよ〜! ボクはミカに憑依して今来れてるの! すごくない!?』

 「へぇ……そう」


 僕がミカだと理解したようだ。教えてもないのに。ニィッと細められる相貌に思わず引き込まれた。けれど何故か分からないけど敵対心が湧かない。頭の中の警戒心もそうだった。それが不思議でならなかった。


 「ね?」

 「そうだよ。良く、分かったね」

 「ふふっ。だって、シェリーの纏ってるもの、貴方そっくりなんだもの」


 分かる、のか? シェリーを見ると笑いながらふよふよ泳いでいた。


 「……はぁ〜。そっか。ま、分かるんならいっか。改めて、僕がミカだよ。あなたが、シェリーの言ってたメデューサ……で良いんだよね?」


 背が高い。近づかれて理解した。この中だと僕が背が高いけどメデューサはそんな僕よりも背が高かった。僕の背丈が175だから軽く目を上げる程度だと180はありそうだ。


 「えぇ。わたくしはメデューサよ。貴方はとても胆力あるのね。私の姿を見ても恐れを見せないなんて」

 「……いや、正直怖いよ。けど多分それは恐れじゃなくてだよ。蛇の髪してるのは……まぁ良いけど、顔の作り、体の作りがまるで芸術品で見るようなものでなんというか……夢を見ているような感じ、とはまた違うねうん。言葉が出ないや」


 横にいるアサたちに目を向けて警戒を解くように目配せする。きっとメデューサはそういうキャラ付けだ。


 「メデューサは多分、僕たちが敵だと言ったり行動したらそのまま僕たちを石にするつもりだったと思う。警戒したとしても無駄だよ。メデューサに勝てるビジョンが浮かばない。それならまだ親身でいたほうがいい」

 「賢明ね。いえ、身の程を理解していると言ったほうが良いかしらね。ふふっ。良いわ。そういう人間はとても好意的に見てるもの。貴方達もいらっしゃい。私の森へ招いてあげる」


 メデューサは笑みを深めて指を鳴らした。瞬間、霧に包まれた湿原の森が色とりどりの花に囲まれた森へと変わっていた。スンと鼻を鳴らすと花の香りがした。


 「……ま、まさか今までのは幻術!?」

 「少し違うけれどその認識で構わないわ。さ、切り株に座って良いわよ。シェリーが連れてきてくれた友人達」


 大きな切り株を囲む人数分の小さな切り株。僕たちはそれぞれ座る。


 「皆さんの名前を聞いても?」


 どこから現れたのか茶器が出てきた。ティーカップにとぷとぷと注がれる紅茶。白磁のポットはふわふわと浮いている。シェリーかと思ったけど違った。


 「私はアサだ。よろしく頼む」

 「あたしはヴェインよ」

 「わたしはキョウ!」

 「俺はニノマエ」


 順繰りに自己紹介をした。メデューサはうんうんと頷きつつカップに口をつけた。


 「ふんふん。分かったわ。是非とも仲良くして欲しいわね」

 「……あ、美味」


 みんなの自己紹介聞きながら紅茶を飲む。じんわりと爽やかで飲みやすかった。


 「ふふっ。警戒心の無い人ね」

 「ん? あーまぁ、だって僕は毒の耐性あるから問題ないし、メデューサからは敵意感じないし毒反応も無かったから大丈夫だなって」

 「…………人を疑うことを知らないのかしら?」


 酷い言われようだなぁ。ってみんなも頷くな。


 「でもミカは割と人の目を見る力はあると思うぞ」

 「あら、本当?」

 「あぁ。だからこそこうなんだろう」


 ちょっとアサ? その生温かい目はなんなのかな? メデューサも納得といった顔をしない。


 「試していた私が言うのもなんだけれど、私の方も試されていたのかもしれないわね」

 『でもでも〜、誰よりもメデューサが敵意ないって気付いたのもミカだよ〜』

 「分かってたのか?」

 『まぁね〜。憑依してるし』

 「シェリーはそんなに飛んでて大丈夫なの? 僕のMPとかは大丈夫?」

 『だいじょぶ〜。きみのMPは使わないから安心していいよ! あっ、それともぎゅってしたほういい? それはそれで大丈夫?』


 シェリーはチラッとアサを見た。アサは首を横に振った。


 『ダメみたーい。ま、仕方ないね。でも安心していいよ。近くを飛んでるだけだから。これ以上離れたら強制的に泉に帰るみたいだしボクは離れたくないしね』

 「ミカ。私からも感謝するわ。シェリーをこうして出してくれて」


 ふわりとメデューサは笑んだ。そこには親愛の感情があった。


 「……もしかして、それぞれのフィールドにいるシェリーやきみはそこからは」

 「そうね。動けないわ。だから貴方達が来てくれないとお話しできないの。でもこの子は話しやすいでしょうけど、私はこんな見た目だもの。だから見た目を明かしてお話し出来たのは貴方達が初めてよ」

 「……なぁ、メデューサさんよ。もし、俺たちの誰かが敵意出したら、ミカも……殺すのか?」

 「そうねぇ……」


 ニノマエの問いに顎に指を当て考える素振りをした。そしてゆっくりと答えた。


 「きっと殺すわね。でも、ゆっくりとは殺さないわ。痛みを感じないように一瞬で送るわね。それが私なりの流儀よ。勿論、また来るならその時はまたお話し出来たら良いわね」


 優しい笑みで物騒なことを言った。やはり人外は人外なのだろう。どうあれ価値観が違うのだ。それでも、歩み寄れるものはあると思う。


 「あ、そうだわ。貴方達のうち誰かでいいわ。貴方達の魔力……貴方達風で言うならMPだったわね。それをくださらない? この子達のご飯にもなるだろうし」


 メデューサの頼みに全員目を合わせた。そして。


 「全員でも良いか?」

 「構わないわよ。私の手に手を置いて『譲渡する』って言えば良いわ」


 アサが答え、メデューサが掌を向けると僕たちはその上に手を置いていく。そして。


 『譲渡する』


 全員のMPがみるみるうちに減っていった。ほぼ全部渡しただろう。


 「ん。ありがとう皆さん」


 フッと微笑むメデューサに僕たちは頷く。そして各々紅茶を飲むとMPが回復した。


 「あれっ? 回復してる!?」

 「そうみたいだね」

 「もしかしてこのために紅茶用意したのかしら?」

 「正解よ。でも断られても問題はなかったわ。ただ紅茶を楽しんで欲しかったもの」


 髪の蛇はそれぞれ動いていた。そして僕たちをみてぺこりぺこりと頭を下げた、と思う。


 「俺たちに感謝……してるのか?」

 「そうよ。この子達も意識があるのよ」

 「……撫でてみても良いかな?」

 「蛇平気なのか?」

 「んー……別にそこまで苦手だなーって思ったことないかも?」


 そういえば怖いとかそんなの思ってなかったなこの蛇たち。メデューサはくすくすと微笑ってほんの少しだけ身を寄せる。


 「あ、ひんやりしてる。やっぱり蛇だから変温なのはそのままなんだ。可愛いね」

 「わたしも撫でたーい!」

 「お、俺もいいか?」

 「えぇ、どうぞ」


 キョウとニノマエも興味津々といった感じで蛇を触った。チラリとアサとヴェインを見ると2人も触りたそうだった。2人に触ってみないの? と伝えてみる。


 「アサとヴェインも良いわよ」


 メデューサは察していたようで蛇が2人の方にも向かった。


 「ふぉぁ……すべすべしてるな」

 「触り心地良いわね」

 「ふふっ、良かったわ」


 蛇たちはしゅるるると舌を出し入れする。つぶらな瞳がとても綺麗で可愛い。あ、今笑った。可愛い。


 「テイムしたいな」

 「あら?」

 「え?」

 「ふふっ。口に出ていたわよミカ」

 「……マジ?」


 みんなにも目を向ける。みんな頷いていた。


 「あっ、ご、ごめんねメデューサ。きみの髪の毛なのに」

 「ふふっ。良いわよ〜。それくらい気に入ったってことよね。嬉しいわ」


 クスクスと楽しげに微笑うメデューサにその反応で面食らった。


 「そうそう。テイムは可能よ。今切り離すわね」

 「えっ、でもそれしたら……」

 「大丈夫よ。いくらでも蛇は生まれるもの。はい」


 しゅるるると僕の腕に巻きついてくるくると登ってくる。そして、頬に口先を付けた。


 「僕をご主人って認めてくれるの?」


 蛇は頷いた。


 「でもどうせだったら友達が良いな。だめかな?」


 蛇は舌をちろちろ出しながら首を横に振った。


 「友達でも良いの?」


 蛇は頷いた。


 「良かった。これからよろしくね」


 蛇は笑って僕の頭の上にトグロを巻いて落ち着いた。


 「名前、付けてみたら?」

 「名前か……何にしようかな」


 ふむと頭の中で候補を探す。それでふと考えつく。


 「シュラはどう?」


 蛇は頭から移動してきて僕を見て頷いてすりすりとしてきた。どうやらそれで良かったらしい。


 「良かった。それじゃあよろしくねシュラ」

 「ミカ。シュラとはどうしてその名前を?」

 「ドイツ語で蛇をシュランゲって言うんだ。だからシュラ」


 全員がなるほどなぁと頷いた。


 「ミカは賢いのねぇ」


 初めてシェリー以外の人との会話は初対面でもとても和気藹々と楽しかった。


 「そういえばシュラってMP食べさせれば良いんだよね?」

 「えぇ、それが主食だから大丈夫よ」


 主食ってことはそれ以外も食べるのかな? あとでアイテムボックスにあるものを食べさせようかな。

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