18.クリスマスイベントとプレゼント

【公式ホームページアナウンス】


 『SBO』をご愛顧いただき誠にありがとうございます。来る、12月24日。はじまりの島・アンファングのフィールド及び、第一の島・アインスブーセにてサンタクロースのボスが随時出現します。プレイヤーの皆様には是非こちらのボスを討伐していただきます。討伐した際には経験値は勿論、アイテムをご用意しておりますのでお楽しみください。尚、特殊条件として『のパーティ』が討伐成功の際、クリスマス仕様の特殊アイテムもありますので皆様の挑戦を心待ちにしています。


                  運営より。


♦︎


[昼休み。生徒会室]


 昨日の夜にこんなアナウンスが発表された。それを僕、詩能さん、玲音さん、創、杏香のいつものメンツで画面を睨めっこしながら話をする。


 「これどう思うよ」

 「どう、たって……やるしかないんじゃない?」

 「でもフィールドは2つだけだよ?」

 「そこの2つだが更にどこに来るとも記載されていないしな。メンバーを分けるか?」

 「難易度が分からないじゃない今だと危険だと思うわよ」


 各々、う〜んと頭を悩ませた。


 「あとこれさ、」


 僕はスマホに指を伸ばす。


 「ボスが出るだけって文言しかないから何体出るのか、時間帯はどうなのかも分からないと思うんだ」

 「さすがに1体なんじゃないのか?」

 「それならちゃんと数を明記すると思う。詩能の前でアレだけど……そこまで意地悪な運営じゃないと思うんだ。まぁ、僕が『SBO』が初めてだからってのもあるけど」


 詩能さんは腕組みをしてしばらく沈黙を保っていたけれど、ゆっくり口を開く。


 「…………父上はそうだが、プログラマーたちは分からないな。あの人たちもまたゲーマーだから私たちがされて嫌なことはしてくるかも……しれない」

 「まぁ、それがゲームだものね」

 「どっちみち当日にならんと無理だな」

 「結局どーするー? 2・3で分ける〜?」


 テーブルに突っ伏しながら杏香は言う。僕たちは顔を見合わせ頷き合う。


 「当面はそれで行こっか。何かあったら随時メッセージうつって感じで」

 「りょーかーい」

 「それで行くか」

 「分かった。それで行こう」

 「おっけー。それじゃ今はもう教室に戻りましょ。そろそろ終わるわよ」


♦︎


[12月23日 16:49 帰宅途中]


 流石に気温も低くなり、コートで口を隠しつつ隣を歩く詩能さんに目を向ける。


 「だいぶ寒くなったよね」

 「そうだなぁ……。理和は……ふふっ、寒そうだな」

 「寒いの得意じゃないんだよねぇ」

 「冷え性なのか?」

 「んーん。冷え性じゃないよ。ただ寒いのが苦手なだけ。ねぇ詩能。手出して?」

 「む? あぁ。良いぞ」


 白い手は指先がほんのりと赤かった。僕はその手を握ってコートのポケットに一緒に突っ込んだ。


 「はぁー。あったかいや」

 「んなっ……!? ま、まったく……そういうとこが卑怯だぞ。……ばか」

 「あはは。詩能の手あったかいね」

 「……………ふんっ」


 僕は敢えて意地悪なことを言ってポケットの中で指を絡める。


 「今日の深夜」

 「……?」

 「背中任せたよ詩能」

 「…………! 任された。お前のことは私が守ってやる。だから好きに動け」

 「それは……団長命令?」

 「それもあるが……としてのお願いでもあるな。お前が楽しんでるのが見たいからな」


 気付けば詩能さんの家の前だった。立ち止まって互いに向かい合う。いつからかどっちからというわけでもないけれど、僕は膝を曲げ、詩能さんは背伸びをしてソフトキスをしてお別れするというのがお約束だった。


 「じゃあ、今夜また」

 「ん。『SBO』で、だな」


♦︎


[23:50 『SBO』はじまりの島──アンファング]


 街の中は薄らと雪が降り積もっているような景色だった。一応季節感大切にしてるんだなと思った。


 「そんじゃ、俺とキョウちゃんはアインスブーセだな」

 「うん。2人でも大丈夫?」


 僕がアサのギルドに入ったことで2人も結局入った。各々、メインの格好にワンポイントとしてギルドの紋章をつけている。キョウは左胸に。ニノマエは羽織の背中に。そして僕はロングコートの背中に。


 「へへ。任せときなって。なっ、キョウちゃん」

 「うんっ! お兄ちゃんにまけないくらいわたしだって強いんだからね〜?」

 「ふふっ。そっか。じゃあお願いねキョウ。ニノマエと協力して倒してきて」

 「んっ!」


 2人は僕に手を振りつつアインスブーセのフィールドへと向かった。


 「それじゃあ、僕たちもいこっか」

 「あぁ」

 「おっけー」


 3人で拳を合わせながらアンファングのフィールドに出る。


♦︎


[23:59 アンファング、草原フィールド]


 深夜というのもあり、更には満月が煌々と灯りを灯してくれている。


 「ん。ちょっとやっぱり肌寒いわね」

 「そうだな。やはり少し着込んでおくべきだったか?」

 「それならこれ飲んどきなよ」

 「あっ。ありがとう」

 「ありがとうミカ」


 2人に温感ポーションを渡す。僕は寒さを今のところ感じないため飲まない。


 「ほんとその装備すごいわよね〜」

 「温感、冷感の耐性あるんだったか?」

 「そうだね。まぁ、セットで着用してればだけどね……っと、もうそろそろみたい」


 セットしていたタイマーが10秒前になった。僕の言葉で2人はスイッチが切り替わったのか目を細めて周りに気を配り始める。


 ──────ピリリリ。


 0時。12月24日になった。その瞬間。


 「な、なんだっ!?」

 「きゃっ!?」

 「っ!?」


 僕たちの周りが眩しく輝きだす。右腕で顔を覆いながら薄く目を開けて前を見る。光が数秒で収まると腕を退けて周りをみる。


 「ほ、ほかのプレイヤーたちがいないぞ!?」

 「これは……」

 「そう。そういうことね。これ、インスタントゾーンね」

 「い、インス……なんだって?」


 ヴェインの言葉に疑問符を浮かべる。


 「パーティそれぞれに用意される専用エリアのことだな」

 「そうね。きっとキョウちゃんたちもそのはずよ」

 「なるほどね……。取り敢えず、移動しよう。周りに目を……?」


 歩きかけた足を止めて今聞こえた音に集中する。


 「今、……何か聞こえなかった?」

 「そう?」

 「そうか?」


 2人は聞こえなかったらしいけど、僕は更に注力する。すると。


 ──────リィン……。


 「……っ!? 上だっ!」


 ちょうど満月が浮かんでいる方向。その方向から音がした。僕の声に2人は驚きつつ同じように警戒する。そして段々とその音は大きくなっていく。恐らく鈴の音だろう。それと同時に姿も現れてくる。


 「────……まじで?」


 その姿は全長5メートルはあるだろう。とても大きな大きなサンタクロースだった。


♠︎


[同時刻]


 クソデケェサンタの登場には俺とキョウちゃんは互いに呆然とした。だがすぐに我に返って得物を手にする。


 「動きわかんねぇけど行くぞキョウちゃん!」

 「おっけ〜!」


 俺たちが走り出したことに気付いたのかサンタのおっちゃんは一度仰け反り声を上げた。


 『GUOOOOOOOOOOU!!!!!』


 なんとも不協和音な叫び声だな。


 「叫ぶ暇あんのかァ!? お……っりゃッ!」


 左脚を斬りそのまま通り過ぎる。振り返りながらサンタのおっちゃんのHPバーを見る。


 「っぱあんま削れねぇよなぁ」

 「ニノマエくん! きをつけて!」

 「っと。ぼっとしてらんねぇよな」


 サンタは振り返りながら拳を振り下ろす。というかサンタならデケェ袋は何処だよ。


 「攻撃方法わかるまでは」

 「うんっ! 動き回ろう!」


 意見が一致し、左右に分かれて再度走る。現在タゲは俺に向いている。距離はまだあり拳が振り下ろされる。横に跳びつつ躱してその腕に乗り、駆け上がっていく。


 「……らァッ!」


 肩の辺りから跳び上がり、顔面に向けて連撃を放つ。ダメージエフェクトを確認しつつ、顔を蹴り、後ろへ跳び、何回転か回ったのちに着地する。


 「今んとこ動きは遅い! ヒットアンドアウェイ戦法で行くぞ!」

 「りょーかいっ! わたしじゃあそこまでダメージ出せないかも〜!」

 「多分、服から出てるとこがダメデケェとおもう!」

 「やってみる!」


 多分、本来の攻め方は攻撃を誘い、振り下ろされた拳に攻撃するってのが本来の攻略っぽそうだな。


 「はぁっ!」


 左からキョウちゃんの張り声を耳にしつつこっちも攻撃をギリギリで躱しつつ攻撃を繰り返す。すんでで躱しつつもそれでも余波で幾らかダメージを喰らう。けど。


 「ちょっとのダメくらい気にすんな、俺」


 こんなこと今までもあったしな。


 「うぉぉああッ!」


 ここで偶然クリティカルが入る。手首のちょうど筋に行ったからか? それともただLUKのおかけか? まぁ、今は考えなくていいか。今は……


 『先にどっちがボス倒せるか勝負しようぜ』

 『良いよ。やろう。負けた方が勝った方に奢りで良い?』

 『おう。いつものな』


 ここにくる前、ミカと賭けをした。それに勝つ!


♦︎


[同時刻]


 「アサ! 近づきすぎると足踏み来る!」

 「分かった!」

 「ヴェインはそのまま引き付けて、拳の攻撃!」

 「分かったわ!」


 2人に指示を飛ばしつつ僕はサンタの両足の間を通り抜けながら合間を縫うように攻撃する。


 『GURYUUUUUUUUUUUU!』

 「ははっ! ミカっ。ブチ切れてるぞ!」

 「笑い事じゃあないと思うんだけどなぁ、っと!」

 「ちょっと、大丈夫!?」

 「大丈夫! ほんの少しだけダメージ受けただけ! ボスの形態変化は!?」

 「今のとこなし!」

 「もうそろそろ50%切るわよ!」

 「集中切らさないで行こう!」

 『了解!』


 サンタは怒り心頭のようで足踏みを繰り返した。その様子を遠巻きで見つめ、10数秒。足踏みが止まった。目がギョロギョロと気色悪くなったな。


 「動き……止まったな?」

 「何か起きそう、ね?」

 「警戒を……っ!?」


 サンタは急に空に手を伸ばしたかと思えば空から大きな袋が落ちてきた。


 「ま、さか……」

 「そのまさかだな」

 「嫌な予感しかしないわね」


 その大きな袋を手にしたサンタは袋に手を突っ込み、何か取り出した。


 「お、おいおいおいおい……」

 「ハンマーは冗談だろう?」

 「範囲技を予想して動きましょう」


 僕とアサは頷いて、僕が先行する。サンタは僕の行動に反応し、ハンマーを振り上げそのまま振り下ろす。


 「ハンマー振り下ろし、ディレイ3秒!」

 『了解!』


 《縮地》を使い、サンタの足先に移動する。後ろではズドォンッ! と凄まじい音が響く。足先を通り過ぎ、見えた踝辺り目掛けて長刀を振るう。


 ──────ガキィンッ!


 「んなっ!?」


 通り過ぎ、手に残る感触と聞こえた音を頼りに2人に伝える。


 「……あ、足許ダメージ通らなかった!」

 「なっ!?」

 「なんですって!?」

 「手応えが無かったんだ! むしろ硬すぎた。まるで……」


 君主との戦いの時の鎧の上から叩いた時のようだった。


 「じ、じゃあどうするわけ?」

 「あるのはもう……」

 「手か顔面しかない」


 2人のもとに移動してサンタの顔を見上げる。サンタの顔はギョロギョロとした目のまま今の僕をまるで嘲笑うかのように嗤っていた。


 「っすぅ、はぁ〜…………。さすがの僕でもその顔されたらちょーっとカチンと来たかなぁ」


 一度深呼吸して落ち着きつつも左頬がピクピクと引き攣るのを自覚する。


 「アサ、ヴェイン」

 「分かってる」

 「えぇ、あんたの気持ちは分かるわ」


 互いに見合わせてから声を張り上げる。


 「ぶち倒してやる!」

 「ぶっ倒すぞ!」

 「ぶち倒すわ!」


♦︎


[30分後]


 『GYUOOOOOOOU……』


 最初はハンマーの攻撃に慣れるまで時間かかりつつもなんとか倒した。最後は額に長刀を突き立ててそのまま振り下ろした。


 「っあ〜! つっかれたぁ〜!!!!!」

 「お疲れ様、ミカ」

 「おっつかれ〜!」

 「うぉわっ!? い、いきなり背中叩かないでよヴェイン」

 「ふふん。悪かったわね」


 対して悪いとは思ってない顔なのは理解できた。


 「あ、フィールドも戻ってきたみたいだね」

 「そうみたいだな」

 「取り敢えず戻りましょ」


♦︎


[はじまりの島──アンファング、街中]


 同時期にニノマエたちも戻ってきてハイタッチしあう。


 「おつかれー。そっちも終わったみたいだな」

 「そうなんだよ。半分過ぎた辺りの形態変化がダルすぎた」

 「お兄ちゃんたちもそうだったの? わたしたちもなんだ〜」

 「ニノマエたちはどんな形態変化だったんだ?」

 「あー俺たちのとこは大剣だったな」


 ニノマエの言葉に3人して顔を見合わせる。


 「ニノマエ、キョウ。僕たちはハンマーだったんだ」

 「えっ。マジ?」

 「マジ」

 「大剣よりめんどくさそ〜」

 「めんどかったわ」


 ヴェインの言葉に僕とアサは深く頷く。


 「ハンマーの攻撃がね……」


 僕がサンタの攻撃を話しながら全員でギルドへ戻る。


 「あ、そういえば。なぁ、確認したか?」

 「え? あーまだ確認してなかったや。何貰えたんだろ」


 アイテムボックスを開いてスクロールする。それで入っていたアイテムに手が止まる。


 「ミカ? 何が入っていたんだ?」

 「……あー。えーっと……に、ニノマエの方はどうだった?」


 アサの言葉にちょっとしどろもどろになり、矛先を移す。


 「えっ? あー。指輪みたいだな。そっちは?」

 「ぐっ……ゆ、指輪だよ。僕も」

 「なんでミカは顔を赤くしてるんだ?」

 「そ、それは……い、言えない。で、でも……アサ、ちょっといい?」

 「む? あぁ」


 指輪の入ったケースをアイテムボックスから取り出して、それを手にアサを連れて、談話室から出る。


 「アサ、団長室に入って」

 「分かった」


 団長室に入ったあと、右手に握ったままのケースに視線を落とす。


 「どうしたんだ? さっきから様子がおかしいが」

 「…………」


 ええい、悩んでいたって何も解決しない。こうなったら行動に移せ。


 「アサ、手出して」

 「こうか?」

 「装備外してくれると助かる」


 アサは左手の装備を外して素手を向けてくれる。手を握るのもいつも左手だから無意識なんだろう。僕はケースから指輪を取り出す。


 「これは僕がつけるよりきみがつけた方が良い」

 「えっ?」


 手が震える。口をきゅっと横に引き結び、ケースをアイテムボックスに戻してから右手を左手に添えてそっとに嵌める。アサは当然その行為に理解したのだろう。驚愕と困惑。そして嬉しさと気恥ずかしさが混ざったような顔と目で見てくる。僕だって恥ずかしい。だけどあくまで平静さを保ちつつ説明する。


 「こ、この指輪は装着者のLUKを上げてくれる。それときみがダメージを受けた時、このに現存HPの25%を肩代わりするんだ。きみの戦闘スタイルは僕に似通ったものだけど僕よりも幾らか盾もあるからその分硬い。そしてもしダメージ受けたらその分僕が……あ、アサ? ご、ごめん、なんで泣いて……えっ!? ちょ、ちょっ」


 気付いたらアサはぽろぽろと涙を流しててぎゅぅっと強く抱きしめられる。


 「ばかっ! ……どうしてそうお前はっ」

 「……僕の装備、加護とかは良いんだけど、アクセサリーとかの戦闘面で助かるようなアイテムの装着出来ないんだ。だからこれをきみが……ってアサ。ちょっと痛いよ」

 「ばかっ。おおばか!」


 アサに抱き締められてる間に僕は少しだけ罪悪感があった。ひとつだけ。たったひとつだけ彼女にをついているから。


 「ミカ。一つだけ約束して」


 顔を上げたアサと真っ正面で見つめ合う。


 「あまり無茶なプレイをしないこと。それを約束して欲しい」

 「分かった。そのプレイは僕のスタイルとも反してるし気をつけるよ」

 「約束だぞ」

 「約束だね」

 「メリークリスマス」

 「メリークリスマス」


 クスッと笑い合って、アサが目を閉じた。合図に察して僕も目を閉じて顔を近づけ……ようとした瞬間、ノック音が部屋に響き、パッと離れる。アサがそちらに向かうのを見つめてからアイテムボックスを開いてあるものを見る。


 ────ごめん、アサ。嘘ついちゃって。


 この装備は別に指輪などのアクセサリーの装着は不可能じゃない。けれどその分、そのアクセサリーの効果を打ち消してしまう。悲しいことにデバフをバフとして扱うのがこの装備だからこの指輪とは相性が悪すぎる。しかし例外はある。なら効果があるから。けどあれらを装着することは無いだろうけど。


───────────────────────


【獲得アイテム】


・純白の想輪


【補足アイテム】


・真鍮の指輪

 右手専用装着アイテム。黒鉄の指輪と共に装着時、自身のスピードが6%減少。モンスターとの遭遇率6%アップ。真鍮のみ装着時、スピード12%減少。モンスターとの遭遇率12%アップ


・黒鉄の指輪

 左手専用装着アイテム。真鍮線指輪と共に装着時、自身の与ダメージ12%アップ。被ダメージ6%アップ。黒鉄のみ装着時、与ダメージ12%減少。被ダメージ12%アップ。

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