共通テストは、官僚候補生を発掘するためのツール?

——共通テストは、官僚候補生を発掘するためのツール?


 これから述べることは、妄想や拡大解釈に聞こえるかもしれない。


 が、せっかくここまでお目通しいただいたので、もう少しお付き合いいただきたい。


 一度書店で、ぜひ過去問を手にとって欲しいのだが、この試験……


 分量が、えげつないのである。


 間に合わない。


 終わらない。


 ページをめくってもめくっても、やっとの思いで解答して得た報酬は、さらなる問題なのである。


 つまりは……


 およそ「学習したこと」を測るものとは思えない。高校で学んだことを、ここで発揮しよう、などと言っている暇はないのである。


 はっきり言って、これでは「地頭ゲー頭の回転の速さの問題」である。


 誤解を恐れずに言おう、私が思うに、共通テストの裏テーマは……


「若者の地頭の良さを測って、官僚として活躍できそうな人材と、そうでない人とをふるいにかける」ことである。


 言い換えれば、本チャンの科挙官僚登用試験に先立った隠れ一次試験、とでも言えるだろうか。


 私も現役時代に、共通テストに類するもの(当時はセンター試験という名だった)を、追試分も含めて何十年分とやったが、年々大量の高速事務処理能力を求める傾向が上がっていくのがよくわかった(国語や英語で、その傾向が特に顕著けんちょであり、膨大な文章から欲しい情報だけを瞬時に見つける、つまり瞬発力的なものが求められるような内容である)。


 官僚という仕事は、膨大で複雑高度なタスクを、効率よく、ミスなくこなせるような、超人かスーパーコンピュータ(人の心がわからないとか、血の通っていないとか、そういう意味で使ってはいない)並みの能力が要求される。


 そこで、官僚に相応しい人材を見つけ出すのに、大量高速処理能力を手っ取り早く測れる試験、つまり「共通テスト」が、役に立つのである。


 もし、努力や勤勉性で得た知識・考えの習得率を測りたいのなら、一問一答のような、いわゆる「覚えゲー」をそう多くない数、並べれば良い。


 にも関わらず、えて膨大なタスクを与えて大量高速処理能力を求めるのは、つまりは地頭、IQ的なものが高い人間を抽出したい、ととられても、仕方ない。



 国家の中枢にいるのは、政治家ではなく、高級官僚。


 国は、その原石を、血眼になって探していることだろう。

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