ダウナーギャルの家の地下にはダンジョンと死体があった。なので、配信しながらダンジョン攻略と謎の解明を始めることにしました。
田中又雄
第1話 ダウナーギャルの秘密
「ねぇー、カラオケ行こうよー」と、
具体的には派手な金髪、着崩した制服、緩めの口調に、大きなおっぱい。
男子であれば誰もが目を引かれる見た目をしており、その見た目通り、いろんな男子を手玉に取っている。
【挿絵】
https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/16818093087693490704
そんな彼女の横にいるのが、
黒髪ロングにナチュラルメイク、すらっとしたモデル体型は、一見して清楚な女の子を彷彿とさせる。
しかし、目つきは怖く、ダウナーな雰囲気を醸し出しつつ、男子を毛嫌いしているため、男子からの人気は高いが誰かと付き合ったという話は聞いたことがない、そんな女の子。
【挿絵】
https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/16818093087693511208
あまり合わなそうな2人だが、どうやら幼稚園の時からの幼馴染らしく、仲が良くいつも2人でつるんでいた。
そんな彼女たちとは対照的に、俺はクラスの中でも地味な部類のグループに所属しており、そのグループの中でも最底辺に位置付けられていた。
ぼっちにはなりたくないから、何とか居させてもらっているだけで、特に仲のいい奴もいない。
俺と彼女の共通点など、同じクラスなだけで、住む世界が違っていたから、関わることなんてないと思っていた。
そんなある日のことだった。
◇2024年6月7日(金) 17:30
いつも通り、家の近くにある某カラオケチェーン店にて、ヒトカラを謳歌している時のことだった。
好きなアニソンを歌いまくって、喉が渇いたので、ドリンクバーでコーラを入れている時のこと。
ふと、隣に人がやってきたのを気配で感じる。
どこかで嗅いだことのある、女の子の香水らしきいい匂い。
が、もちろん、そちらに目をやることはない。
そのまま、ぼーっと溜まっていくコーラを眺めていると、「歌下手すぎ」と言われて思わず横に顔を向けてしまう。
そこに居たのは乃木坂 奈々であった。
相変わらず綺麗な横顔を見ながら「うっへ...」と、思わず引き攣った笑顔で変な声が溢れる。
「...何その反応。キモ」と言われる。
相変わらずの毒舌である。
「...すみません」と、よく分からないが、謝罪するとすぐにその場を後にする。
全く災難だ。
ここは学校からそこそこ離れた場所にある、俺のオアシスだったのに。
どうやら彼女たちのオアシスにされてしまったようだ。
帰ろうかな?と思いながら、俺は201のルームに戻る。
そうして、部屋に入り、扉を閉めようとしたところ、ガッと無理やり扉が開く。
「え?」と、振り返るとそこにはまた乃木坂さんが立っていた。
「...な、何ですか?」
「いや、あっちの部屋に戻るとめんどいから」と、隣の部屋を指差す。
「めんどい...とは?」
そんな俺の質問を無視して、勝手に中に入り、ソファに腰掛ける。
「志保乃がどうしてもカラオケに行きたいって言うから来たら、隣の学校の男子もいてさ。どーやら、私目当ての男子がいたらしくて、志保乃を仲介して私を紹介してもらおうとしてたらしくてねー」と、勝手にカラオケの履歴を見始める。
「あの...」
「うわー。アニソンばっかじゃん。まじオタクじゃん」と、勝手に履歴を見て、勝手にきもち悪がる。
「...いや、あの...」
ん?待てよ?なんでアニソンってわかった?
一見すれば、アニソンとわからないような曲ばかり入れていたはず...。
それも有名なアニソンではなく、どちらかというとマイナー曲だった。
「...何でアニソンって分かったんですか?」と質問すると、ちらっと俺を見る。
そして、少し鼻で笑うと「いいね。やっぱ、あんたを選んだのは正解だったかも」と、意味深な発言をする。
「...あの...」と、色々状況を掴めない俺は彼女に質問しようとしたが、それを遮るように勝手に俺のカバンと伝票を取って、そのまま無理やり俺の腕を掴んでレジの方に向かっていく。
「ちょっ!?//」
「ごめん。童貞には刺激が強すぎるかもだけど。ちょっと付き合って」と、言われる。
何だそれは!?と、人生で初めてのモテ期がきたかと思って、テンションを上げながら彼女に言われるがまま、会計を済ませてその場を後した。
お店を後にしてから10分ほどで彼女の家に到着した。
それはやや古めの一軒家だったが、敷地は広く、物置小屋や小さな池などもあった。
意外と近所に住んでいたんだなと思いながら、そのまま家にあげてもらい、いいことをしてもらえるのかと鼻の下を伸ばしていたら、家ではなくその物置小屋に直行する。
え?え?え?小屋?と困惑していると、そのまま南京錠を外して、小屋の中に入る。
夕暮れで何とか見える中の様子は、使われなくなった家具などが雑に置かれているのだが、その中に地下に繋がる扉のようなものがあり、今度はその扉の南京錠を開くと、そこには暗い階段が見えた。
「...え?ちょっと...なんですか?」
「この先に見て欲しいものがある」と、真剣な眼差しでそう言われた。
言われるがまま、彼女の後についてその階段を降りていく。
数歩進めばすぐに着くと思われたのだが、ドンドン下まで降りていく。
その時点で引き返せば良かったものの、振り返って上に登ることすら怖くなり、そうして5分ほど下ったのちにとある扉が立ち尽くす。
改めて大きな鍵を開き、中が開くと、そこにはダンジョンの入り口のような雰囲気の場所が現れる。
そんなアニメ的な展開に心を躍らせていると、その入り口の横にあるものを見て俺は絶句した。
それは...骸骨。
「...何?ここは...?てか、その人...」
「さて、ここまできた以上はもう引き返せない。選択肢は二つに一つ。私に協力するか、ダンジョンに殺されるか」
「...え?」
彼女は素敵で不敵な笑みを浮かべながらそういった。
ダウナーギャルの家の地下にはダンジョンと死体があった。なので、配信しながらダンジョン攻略と謎の解明を始めることにしました。 田中又雄 @tanakamatao01
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ダウナーギャルの家の地下にはダンジョンと死体があった。なので、配信しながらダンジョン攻略と謎の解明を始めることにしました。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。