第3話 寒い闇夜に
突如として蒼く晴れ渡る空が一瞬にして闇に覆われた。黒のような、藍色のような、紫のような、今、真夜中なんじゃないかって思うくらい景色が変わった。
周囲は突然の出来事にパニックになった。俺のように理解が追い付かず呆然としている者、自力で脱出を試みる者、建物に入って身の安全を確保しようとする者、スマホを開いて外部との連絡を試みる者など……今の状況を
遠く、黒い幕の辺りから「びくともしねぇ」「かった!」と微かに聞こえた。一応触っても害は無いんだ。圏外と表示されたスマホをポケットに閉まってどうしようかと真っ暗な空を見上げた。
「えっ、ナニアレ」
上は真夜中のように真っ暗な空が広がっており太陽や雲、飛行機なんかも見えなかったはずなのに、今見ると何か縦長の白いものがフヨフヨ浮いていた。ソレは俺が見ているのに気がついたのかくるりとターンした。そして、1つの声が降ってきた。
「オ――――――――イ」
「きこ――えま――すか――ぁ?」
それは無邪気で明るい少女の声だった。聞こえたのは自分だけではないらしく周りの人は声の主を探し始めた。そして、再び声が降った。
「きこえてるみたいですねー」
俺の視界にあった白いそれがゆっくりと俺たちに近づいてきた。白いそれは白いワンピースを着た白髪の少女だった。少女はにこっと微笑んで口を開いた。
「アサからびっくりさしてごめんなさい。きょうはつたえなさいっていわれたこといいにきたの!」
少女はどこからともなくクラッカーを取り出し思いっきりぱぁんと鳴らした。
「えっと、まず、ここにいるミナサンおめでとうございます!」
おめでとうございます?ドッキリか何かか?周囲も何のことか分からずどよめく。少女はそんな俺らを目もくれずさらに続ける。
「ミナサンは、あのひとたちから12がつにあるたいかいのさんかけんをかけたシレンにいどむちょーせんしゃにえらばれましたー!」
宗派乱戦 ~ catastrophe ~ 牡丹 @9danhila3
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