第6話

赤いドアを開けると、アルマがいた。

「これはこれは。先ほどお会いしたお嬢さん、こちらの世界はいかがですか?」

「お前、何も知らないこいつをなんの説明もせずに連れてきたらしいな」

リオンが問い詰めると、アルマは首を傾げた。

「何をおっしゃいます。私はただ、お嬢さんが悩んでらしたように見えたのでお連れしただけですよ」

リオンは眉間にシワを寄せた。

「それは、お前の余計なお世話だ」

するとアルマが私の方を見た。

「ここに来るまでに、鏡を見ませんでしたか?」

壁にかけられていた鏡のことを言っているのだろう。

「見ましたけど…」

「それを見て、あなたはどう思いましたか?自分がどんな風に見えていましたか?」

自分がどんな風に見えていたか。

それはもうわかっている。

「周りに合わせて、自分を出さないでいるように見えた」

「そうでしょう。ここなら、周りの人の顔は分かりません。本当のあなたでいても、何も困ることはありません」

「つまり、ここから出られないってこと?」

「はい」

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