第6話
赤いドアを開けると、アルマがいた。
「これはこれは。先ほどお会いしたお嬢さん、こちらの世界はいかがですか?」
「お前、何も知らないこいつをなんの説明もせずに連れてきたらしいな」
リオンが問い詰めると、アルマは首を傾げた。
「何をおっしゃいます。私はただ、お嬢さんが悩んでらしたように見えたのでお連れしただけですよ」
リオンは眉間にシワを寄せた。
「それは、お前の余計なお世話だ」
するとアルマが私の方を見た。
「ここに来るまでに、鏡を見ませんでしたか?」
壁にかけられていた鏡のことを言っているのだろう。
「見ましたけど…」
「それを見て、あなたはどう思いましたか?自分がどんな風に見えていましたか?」
自分がどんな風に見えていたか。
それはもうわかっている。
「周りに合わせて、自分を出さないでいるように見えた」
「そうでしょう。ここなら、周りの人の顔は分かりません。本当のあなたでいても、何も困ることはありません」
「つまり、ここから出られないってこと?」
「はい」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます