第4話

「あの人…!」

私は思わず声をあげた。

「あいつは案内人のアルマだ。お前を連れてきたのもあいつなんだろう?」

アルマはステージの上で話を続けている。

「それでは皆様、素敵な夜を」

周りからパチパチと拍手が聞こえた。

「行くぞ」

「え?」

私は男性にそう言われた。

「どこに行くんですか?」

「決まってるだろ。アルマのところだ」

「待ってください。その前にあなたの名前を聞いていません。私は愛莉といいます」

男性は足を止めて言った。

「俺はリオンだ、早く行くぞ」

私たちはアルマを追いかけた。

「さっきアルマのこと、案内人って言ってましたよね?なんで案内人なんですか?」

歩きながら私はリオンさんに尋ねた。

「敬語はいらない。あいつは人間界に行って悩んでいるやつを見つけると、こっちの世界に連れて来るんだ」

「こっちの世界…?」

「ここは人間界でいう夢の世界みたいなものだ」

それって、今私は眠ってるってこと?

「目覚めるにはどうすればいいの?」

「本当の自分を見つけ出すことだ」

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