第2話
気がつくと、見知らぬ場所にいた。
さっきまで夕方だったのに、空は真っ暗だ。
すると、どこからか話し声が聞こえてきた。
「今日は舞踏会らしい。みんな仮面をつけて踊るんだ」
「みんな仮面をつけているから誰も素顔がわからない」
子供のような声だ。
徐々に声が近づいてきた。
何あれ?仮装?今日ってハロウィンか何かだっけ?
その姿は、頭からウサギ耳が生え、顔には仮面をつけていた。
「お姉ちゃん、こっちだよ」
一人の子供に手を引かれた。
「お姉ちゃん、仮面は?」
「え?」
子供が自分のつけている仮面を指差した。
「持ってなくて…」
「それじゃ、もらいに行かないと。あの人が配ってるから」
背の高い男性の方を指さした。
そういえば、さっきのステッキを持った男性はどこに行ったんだろう?
気がついたら一人でいた。
「おい。仮面を持っていないのか?」
さっきまで遠くにいた男性が、目の前にいた。
「早くこれをつけろ。もうすぐはじまるぞ」
男性が仮面を差し出した。
私はそれを受け取った。
「今日は、お祭りか何かですか?」
私は男性に尋ねた。
「今日は百年に一度のマスカレード・パレードが行われる日だ」
「マスカレード・パレード?」
そんなものは初めて聞いた。
「シルクハットをかぶった男から招待状をもらっただろう?」
さっき会ったステッキを持った男性がシルクハットをかぶっていた。
「いえ、突然声をかけられて、気がついたらここにいて…」
「あいつ、関係ないやつまで連れてきたな…」
男性は、不機嫌そうに舌打ちをした。
「あの…」
「しょうがない。終われば帰れるはずだから、飛び込みで参加しても問題はない。俺についてこい」
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