第47話 前田慶次郎と奥村助右衛門永福・北条家相模攻防戦
知人からペンネームが長いと指摘を受けたので現在の
【下町荒川砂町銀座】から
【砂町銀座】に変更します。
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1570年10月2日
武蔵国 東京湾(信長命名)沖合い
イージスシステム搭載鑑
尾張1号・信長提督室。
*****
昨夜信長は、内裏(京都御所)跡地に織田信忠関白殿下の居住地・関白御殿を創造。
関白直属軍として尾張・美濃兵を1万。
第1軍団長・村上宗隆軍1万
総員2万の常備兵を配置。
防御兵器として
攻撃型ドローン機レーザー光線弾(飛行範囲100km)100機
アパッチ5機
10式戦車信長チート錬金(改)10輌
屋敷回りを幅20m深さ30m垂直の空堀で囲む。
幅10mの橋はスライド引き込み式なので、取り込んでしまうと陸の孤島。
攻め込む事は不可能。
*****
また室町幕府滅亡により空いた二条御所を、斯波武衛家・京都屋敷・武衛陣として復活させる。
斯波武衛家15代当主・斯波義銀の養子として、次男の織田信雄(12歳)を入れた。
その場で元服させ斯波信雄を名乗らせ、同時に斯波武衛家16代当主に据えた。
しかも江戸幕府・初代将軍信長が幕府の管領として斯波信雄を任命。
後見人は何と"帝"という前例の無い人事。
当然まだ幼く、少しあれな斯波信雄にそんな大役など勤まる訳が無い。
管領代に実弟の織田信治(26歳)を置いている。
更に
斯波の名を利用する輩から隔絶するため、身柄を"東京"に移し江戸幕府敷地内にての生活になる。
信長流の徹底したやり方だが本人曰く
「信長流?はて令和流のM&Aの真似事である!」だそうだ。
ただし津川義近への待遇には温情もみせた。
隠居料として毎月100万円。
住居は100m×50m=5千㎡の敷地内に、織田家臣団恩賞の最強屋敷を与えられた。
本人はこの暮らしぶりに大満足で、史実通り60年の生涯をこの屋敷で終える事となる。
主に織田信治が住む武衛陣の備えは常備兵
第1軍団・侍大将・坂本勇人軍1万
織田警備保障・第3~第5SP部隊60人
防御兵器、屋敷回り空堀等は関白御殿と統一してある。
そして足利義昭には、たった一言「入れ」との言葉を残し、収納した。。。
*****
織田信長・江戸幕府初代征夷大将軍
「どうだ慶次郎、乗り心地は?」
前田慶次郎(29歳)
「。。。。。上様が神の使徒様なのは事実だったのですね。。。」
佐助・才蔵・望月・根津・野崎
慶次郎と愉快な仲間達5人は乗船前、尾張1号の長さ700m幅100mに及ぶ威容を見せ付けられ、借りてきた猫状態になっていた。
信長
「ふん!慶次郎。お前らしくもない、そんな些細な事はどうでも良い。
それより今朝ほど1人顔見知りを拾ってなwお前とも旧知の仲と言うより盟友だな。おい!入れ」
「はっ!生きていたようだな慶次。。。」
「お!おくむら!奥村助右衛門ではないか!!」
前田家・荒子城代を勤めた"奥村助右衛門永福"(29歳)
昨年、前田氏の家督相続問題では信長の命令を無視。利家の兄、前田利久の命令が無い限り城は渡さぬと徹底抗戦。
利久から明け渡しの命が下ると、前田家を辞め姿を消した。
慶次郎とは幼馴染み盟友と呼ばれる程の仲で、彼の諸国漫遊行脚の本当の目的は、行方知れずの奥村を探す事であった。
奥村
「相変わらず傾いておるが、それはもしや黄櫨染ではあるまいか?」
慶次郎
「おお流石だ助右衛門分かるか?」
「分かるか?じゃねえーぞたわけ!帝以外に許されない"絶体禁色"だろーがよー!それは!」
「俺と同じ歳の癖に、お前の頭は相変わらず古いんだよ!」
「抜かせ!上等だ勝負するか慶次!」
少年時代からの無二の友・奥村助右衛門は"男の名"は二文字でいい!と決めつけ慶次郎の事を慶次と呼んでいる。
「止めんか大たわけ供が!!」
シュン!
信長の手刀が掴み合いを始めた2人の手首に落ちる。
「「ガッ!!」」
激痛に転げ回る2m弱の大男2人。
「奥村!黄櫨染は織田軍の正式軍服である!
余が直接、帝から承諾を得た。よって織田の家臣に限り絶体禁色では無い。よく覚えとけ!」
奥村
「はっ!ははぁ」
「今後の"慶次郎一家"の話をするゆえ、よく聞いておけ。
この船は全部で10隻ある。余の専用艦としてこの尾張1号。
関白殿下に3隻、阿部慎之助第5軍団長に3隻。
残り3隻を東京湾に持ってきた。その内の1隻をお前に任せたい。」
慶次郎
「えっ!!???」
こんな怪物船を任せると言われ、まるで意味がわからない慶次郎?
固まる慶次郎に構わず続ける信長
「艦内"システム"や操船技術等を身に付けるのに2年はかかる。
実戦で使いこなせる様になれるのはそれ以上だ。
勿論3千の乗組員を慶次郎の家臣として遣わす。皆がこの"イージス戦闘艦"と海の玄人だ。
どうだやってみるか?」
その瞬間バネ仕掛けで弾かれた玩具の如く、体全体が飛び上がりそのまま着地w見事な土下座を決めた。
「この前田慶次郎!上様の為、日本の為、何よりもこの国に生きる全ての民の為、命を懸けて生涯を"イージス戦闘艦"と生きていく事を誓います!」
何が何だか分からない奥村を除く他5人もそれに続いている。
「よし、決まりだな!
余はこれから武蔵国・権太坂にて中納言と共に北条の相模に雪崩れ込む。
慶次郎はそこの5人の前田家"家老"と"筆頭家老"の奥村助右衛門と共に、3千の家臣を引き連れ、これから与える"尾張2号"にて東京湾クルーズをしてこい。」
そこの5人
「「「家老?俺達が?」」」
奥村
「えっ!筆頭家老?誰が??」
慶次郎
「クルーズ?前後の言葉からして威力偵察の類いでしょうか?」
「ふっははは、厳密には違うがまあよい。
下総・上総・安房・常陸沖合いまで戦闘力を見せ付けて来い!
しっかりと、この戦闘艦の軍事力を体験するのだ!」
「はっ!上様!改めてありがとう御座いまする!!」
「うむ、では2号艦に送ろう。明日からの艦隊訓練は厳しいぞ!覚悟しておけよ!」
その後、前田慶次郎達は尾張2号にての"クルーズ"で、鉄鋼イージス戦闘艦の恐ろしさを体験することになる。
と同時にこんな怪物を自分達が扱えるのか?の不安と、1日も早く自分の手で操縦したいの"期待と希望"に心を踊らせていた。
奥村助右衛門永福
「何が?筆頭家老?明日から艦隊訓練?今日の今日で何なんだこの流れ??」
*****
巨大艦の大きさと速さ、威嚇の艦砲射撃を見た他国の武将達も
「これは江戸幕府に逆らったら終わりなんだな。。」
「帝も一緒に行動しておる。足利家と同じく"賊軍"にされるぞ。」
「明日にでも使いを送り、上様との謁見許可を得るしかあるまい。」
下総国の千葉氏・原氏・高城氏等は早々に、臣下の礼を取る動きを見せる。
上総国も同じ動きであったのだが。
安房・里見家だけは
「せめて降りるにしても一当てするぞ!」
「小早船で囲んで爆薬を投げ込めば、一矢報いる事ができる!」
「そうすれば臣従後の待遇も良くなるはずだ!」
はあ~爆薬投げ込むって。。。
甲板まで高さ30mはあるんだが。。。
命を粗末にするなよ八犬伝。。
**********
武蔵国・都筑郡二俣川村・境川東岸
吉川尚輝第8軍団長
『全員に告ぐ!川幅18m水深30cmしかない。
10式戦車(改)10輌、横幅50m間隔!機銃乱射しながら突っ込め!
APC9部隊1万5千!設定セミオート!
渡河次第、左右1kmに散開せよ!左右1kmに散開せよ!』
『『『ラジャー!』』』
『門脇誠・侍大将は渡河後、打合せ通り別動隊を編成!
戦車2輌・兵3千にて、境川3km上流・深見城の北条守備兵300人を包囲!1時間で降伏せねば総攻撃!!』
門脇
『降伏勧告1時間後、総攻撃ラジャー!』
吉川第8軍1万5千が戦車10輌と共に武蔵・相模国境の境川を越えた。
西岸に北条の軍勢は皆無。僅か300人が3km北にある深見城に籠城しているのみ。
偵察ステルスドローン
『北条軍勢いまだ小田原を出ておりません。相模川沿いの磯部城、その3km南の座間城は無人です。繰り返す相模川沿い磯部城・座間城共に無人!』
吉川
『よし磯部城・戦車2輌、兵2千。
座間城・同じく戦車2輌、兵2千。
それぞれ班長の指揮にて駐屯し待機。門脇侍大将の深見城3千と連携して北条軍の北上をゆるすな!』
『『ラジャー!』』
『我ら残り8千と戦車4輌にて"相模川"を渡河後、本厚木付近に陣を構える。敵は恐らく我等が鎌倉に向かうと思っているだろうが平塚・藤沢含め海沿いは放置だ!浮島東京ドームが三浦に艦砲射撃後、平塚沖までやってくる。』
『『おおー浮島が動くか!』』
『ああ、それと小田原には尾張3号の艦隊が16隻にて航行中!13:00に現地到着予定!各自しっかり自分の陣地を守れ』
『『ラジャー!』』
本厚木と瀬谷を抑えられると、武蔵国の多摩方面に、小田原から援軍が出るのは無理。
残された道は大山越えしか無くなる。
万を越える大軍勢が行軍するのは、その後の戦闘に使う体力面を考えると現実的に不可能だった。
吉川尚輝1万5千がこれ以上無い配置を取れたのは、
情報収集能力の高さの賜物と、強力な織田海軍のおかげで海岸部を放置できる事が大きい。
そしてその頃"小田原"では
北条幻庵(66歳)と北条綱成(55歳)
両巨頭が久野屋敷で会談していた。
幻庵
「火急の用向きで来たのであろうに、待たせてすまんのお綱成よ。
最近はめっきり体力と気力が落ちておる。氏康殿が病に臥せっておる時に、わしまでこの体たらくでは。。我ながら情けない事じゃ。」
綱成
「何を申されますか幻庵様。こうして面会が叶うだけでもこの綱成、心強う御座いまする。」
「ああ忝ない。
して火急の用向きとは織田の件であろう。綱成よ此度は無念ではあるが勝ち目は無いぞ。
この上質な紙にて出来ておる"ビラ"という物の精巧さ。
それを空から撒いておるあの鉄の箱。。あれが何時までも"紙だけ"を撒くとは思わぬ。」
「やはりそうで御座いますか。。」
「うむ、それともう1つ。。
今朝方わしの寝所にビラと"写真"と言う物が置いてあった。。
昨晩も風魔一族10人と、寝ずの番のわしの家臣10人が守っていたにも関わらずだ。
誰1人として侵入者に気付けなんだ。。
織田信長がその気ならとっくに殺られておる。。。どう考えても太刀打ちできる相手では無いぞ。」
綱成
「なんと寝所にまで。。。その写真とやらは?」
幻庵から受け取った箱の中には、床に伏せる北条氏康の姿が3枚。
その3枚のうち1枚には綱成も写っている。
そればかりか小田原城内の執務室等々重要な部屋と、厠まで撮った精巧な絵が30枚入っていた。
「これは!!!まるで生き写し。。
間違いなく昨日、見舞った時の大殿と某で御座います。。
何一つ異変には気付きませんでした。。
幻庵様。。正直申し上げて此度は伊豆1国いやせめて半国か、小田原城界隈の何れかだけでも安堵して貰えれば御の字なのかと。。」
「うむそうじゃな、せめて滅亡を避けるか。。。小太郎!おるか!」
隣の部屋から音もなく2mはある大男が現れた。
綱成
「久しいのう小太郎、達者でおったか?」
風魔小太郎
「はい、綱成様もお元気そうで。」
幻庵
「戸塚宿先の様子、綱成にも話してくれるか。」
「今朝早くに"錦の御旗"を掲げた織田軍の本隊先鋒と見られる5千。権太坂と品濃坂上に陣取りました。
今頃は織田信興が本隊の兵で埋め尽くされているかと。」
「やはりそうか。。瀬谷と磯子に布陣して東海道を見逃す訳が無い。そうか。。権太坂も取られたか。。」
その時、1人の男が小太郎の右後ろに風の如く現れ頭を垂れる。
幻庵
「
加藤段蔵
「申し上げます。織田軍瀬谷方面・境川東岸に布陣しておる部隊。
先鋒1万5千にて境川を越境!座間・磯部の城にそれぞれ2千!
更に相模川を越え本厚木付近に8千が陣を敷きました。また別動隊3千にて境川深見城を包囲された御味方、降伏しております。。」
綱成
「深見が取られたか。。
本厚木に8千?鎌倉か平塚方面を目指しておる軍勢は?」
加藤
「居りませぬ。ただ今しがた配下の
平塚沖に巨大な浮島が現れたと。鎌倉・藤沢から炎が、遠く三浦からは煙が見えるとのこと。
恐らく浜松沖に浮かんでいた"東京ドーム"とやらの砲撃ではないかと。」
幻庵
「詰んだな。。。少なくとも配置的に北条は終わりだ綱成。」
綱成
「鎌倉を砲撃。。。早急に深見城を目指す武蔵多摩・瀬谷方面の援軍3万5千、本厚木で止まらざるをえない。その間に織田の本隊が権太坂から相模の戸塚宿に降りてくる。」
幻庵
「その本隊も小田原を目指し相模川渡河をしてくる。」
綱成
「武蔵多摩援軍の先鋒3万、本厚木8千と相模川渡河の本隊に挟撃されまする!!」
その時、久野屋敷・幻庵配下の武将が飛び込んできた。
「殿!!小田原沖に巨大な鉄の船が16隻現れました!!」
幻庵
「なんだと!!!」
また1人、乱波が現れ小太郎の耳元で報告をした。
小太郎
「超巨大鉄船1隻、巨大鉄船5隻、特大鉄船10隻、計16隻。
超巨大船は安宅の20倍はあるそうです。。。」
綱成
「20倍。。。。。。」
幻庵
「ワシも城へ参ろう。。狼狽えた氏政が何をするか分からん。
そんな戦船に手を出したら小田原が火の海にされる!」
ズドーーーン!!
ズドーーーン!!
ズドーーーン!!
ガシャグラッガラガラガラ!!
轟音3発が鳴り響いた後、石垣が崩れる音が小田原全域にこだました。
屋敷の方向からは見えない城の南側に、土煙が激しく舞っていた。
加藤「行ってくる」小太郎「頼む」
「幻庵様、城へ赴くのは今しばらくお待ちを!某が先に様子を見て、使い番を出しますゆえ、では御免!」
小田原城へトンボ返りする綱成
幻庵
「後北条家が誇る"地黄八幡"でも海の怪物の砲撃には勝てぬ。。ワシと氏康の首で許しを乞うしかあるまい。」
信長の間髪入れない攻撃に、松田の先鋒3万に続く本隊を出す前に、敗戦濃厚となった北条家。
その時、駿河国・織田スカイツリーから伊豆国の下田・伊東・熱海へ、オスプレイ2機・アパッチ1機が空爆に飛び立った。
陸からは遠江国・高天神城から
丸佳浩・第4軍団長率いるAPC9部隊1万が、軍用トラックで伊豆国・三島大社に向け爆走中。
織田幕府軍・伊豆電撃侵攻!
大混乱している小田原北条家の者達は、誰1人知る由も無かった。
**********
東海道保土ヶ谷宿・権太坂
ドドドドドドドド!
将軍信長が軍用トラック100台に分乗し、2千のAPC9部隊を引き連れてくる。。
信長自身は
「信興!ご苦労。余の娘婿(蒲生氏郷)は品濃坂上で精を出しておったぞ。」
「兄上!失礼。上様!!アパッチの操縦等いつの間に?」
「ん?余が創造したのだぞ、操れんでどうする?それより中納言。東海道を南下し本陣を藤沢・白幡神社まで押し上げろ。
さすれば鎌倉は目の前だ。
長尾城にて磯子を牽制しておる北条氏繁も、玉縄城に戻るしかなくなる。
それに合わせて細川には、磯子にAPC9部隊2千を残し、8千で六浦へ陣を移せと言うておる。金沢街道で鶴岡八幡宮まで7kmだ!
鎌倉の守り神"地黄八幡"も焦るであろう。」
「はっ!品濃坂上、蒲生氏郷が6千は如何いたしますか?」
「お前ならどうしたい中納言?」
「はっ!畏れながら、このまま壕掘り土塀設置作業を続行させ、そこを後詰めの陣と致します。」
「100点だ中納言!余でもそうする。作業の邪魔にならぬよう、1,000人だけ抜いて速やかに通過するぞ。
これも行軍訓練の1つ、しかも実戦だ!
余は尚輝の本厚木陣を視察してくる、指揮は任せた!」
信長はまたアパッチに乗り込み空の人となりました。
蒲生氏郷
「おお~あの
いつか俺も操縦してみたい。」
羨ましそうに見上げる娘婿を確認した信長は
「たまには"サービス"じゃ!ゲネシスの気持ちも分かるわいw」
シュポッ!遠隔操作で氏郷を収納した。
「はっ!!!これは!!」
「どうだ氏郷!空は気持ち良いだろう!」
「う、上様!!あっあああ~~素晴らしい~」
「そうだろw尚輝の本厚木まで飛ぶぞ!付き合え。品濃坂上には"テレパシー"で連絡済みだ。」
「テレパ??シイ?」
「些細な事を気にするな!スピードアップ!空からなら本厚木はすぐそこよ!!」
「はい!上様!!」
若干14歳の氏郷、中2ですw
興奮もしますよねアパッチですから。
吉川尚輝軍団長の本厚木に着陸した信長と氏郷。
吉川
「黄櫨染のアパッチ等、1機しか御座いません。お言葉ですが上様、今後はお控え下さい。真っ先に狙われます。」
信長
「誰に?弓も種子島も届かんぞ?」
「ぐぬぅ。。。とにかく某は油断大敵と申し上げております!」
「ふん!ラジャーだ。確かに少し興が過ぎた。戯れが過ぎると命取りだ、氏郷!よう覚えておけ。」
吉川・氏郷
「へっ??いや氏郷(某)は関係無いかと。」
バツが悪い顔をしながら信長はマジックリュックを手渡す。
「北条は乱波を総動員しておるが、わざと泳がしておる。こちらの配置を分からせるためだ。
磯部城・座間城・後詰めの深見城、そしてこの本厚木だ。
武蔵国多摩への早急な北上には全力で"ここ"を抜きに懸かる。
北条の先鋒は松田憲秀が率いるであろう。最低でも3万はおるぞ。此方の8千を見て兵を割り挟撃か横腹を突いて来るのが必定。」
そう言って信長はマジックリュックからAH64アパッチ10機・オスプレイ100機・10式戦車(改)を100輌も取り出した。
「中納言の本隊4万。
後詰めに蒲生氏郷5千を品濃坂上に置き、藤沢の白幡神社へ3万5千にて行軍中だ。
玉縄衆は城から出れなくなるであろう。
この本厚木に敵を引き付けるため、相模川を敢えて渡らず藤沢にて待機させておく。
経験豊富な名将、松田の事だ。
中納言へ抑えの軍勢を平塚近辺に5千ほど置き、後続の北条部隊と合流させるであろう。
松田軍本隊が相模道(現在の中原街道)の真土城を通過し1時間後に、中納言軍2万をトラックにて北上させ寒川で相模川を渡河する。」
吉川
「馬でも追い付かないトラック移動に、北条軍勢も肝を潰しますね。」
「用心深い松田の事だ。あまり速く動くと後方警戒の手勢に気付かれ、本厚木への行軍を止め真土城へ引き返すとも限らんからな。」
「成る程、その場合我等は南下しますか?」
「否、誘い出すための織田の配置は、もう十分小田原に伝わった。
ここからは北条の乱波・風魔の手下は全て捕える。既にステルスドローンが全員に密着している。何時でも眠らせ収納可能だ。」
「すると上様の予想通り"ここ"本厚木にて決戦ですね。」
「うむ。そこでだ尚輝!敵の先鋒の騎馬隊はアパッチで壊滅させろ。
馬の機動力では手も足も出ない事を、世の中に知らしめる。
第2陣以降の松田軍勢全軍には、オスプレイ100機で余が創造した煙幕弾をぶちこめ。
どす黒い煙で3分間、何一つ見えぬ。
それを各方面にくまなく10発以上、大型送風機をAIコントロールで上手く使い、30分間は敵の視力を奪え。その間に10式を鶴翼の陣形で布陣するんだ。」
「上様。。アパッチで壊滅となるとM230機関砲を乱射する事になりますが?」
「必要あらば対戦車ミサイル・ヘルファイヤの使用も許可する。」
「ヘルファイヤ!!。。。
それは最悪の事態になるまでは封印致しまする。。。
30mm口径弾の乱射でも十分過ぎまするが。。。」
M230機関砲の30mm口径弾。
こんな物を生身の人間や馬に使えばどうなるか。。。ミンチの山になるのを、信長も吉川も理解している。
ましてや対戦車ミサイル・ヘルファイヤ。流石に吉川尚輝もそれの使用には躊躇っている。
だが今回の戦だけは信長の"決意"は変わらない。
「良いか尚輝!煙幕が晴れるそのタイミングで安土城を出せ。
この戦を終わらせるのは、そこが勝負所だ!先鋒を壊滅させられ、黒煙に巻かれ視力を奪われ、動揺狼狽している所に突然目の前に巨大な城が現れる。
それで全てが終わる。。。
気が触れた奴等が向かってきたら、APC9で応戦して構わぬ。。全滅しろ。。。」
「。。。りょ、了解しました。」
信長の何時もと違う苛烈な指示に、吉川尚輝軍団長も声が上擦った。
「これは今後も語り継がれる江戸幕府の初戦である!
余も心を鬼にする。。仕掛けてくる奴等に甘い顔は出来んのだ。。良いな尚輝!!」
「ラジャー!!上様!!仰せのままに!」
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何とも悲しい結末になる雰囲気ですが、北条幻庵・北条綱成の和平交渉が実るのか?
北条氏政がどう出るか?
また明日m(_ _)m
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