第38話 マジックリュック砲!炸裂
今日は土曜日!!
特別に夕方18時過ぎに第39話も公開します。
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1570年9月29日 14:30
遠江沖合い・浮島型東京ドーム
調印式後の昼食会も無事に終わりそれぞれ帰途に着く支度に追われる中、徳川家康・酒井忠次
馬場信春・内藤昌豊の4人が信長に呼び止められた。
「土産を準備しておる、少しだけ時間をくれぬか?」
そう言うと竹中半兵衛が
「他の家臣の方々も御一緒に、さあこちらへどうぞ。」
通されたのは300㎡ほどの信長専用執務室。
豪華ソファーセットの1人用の椅子15脚とテーブルが4台。
テーブル上には、酔い醒ましの玉露茶ペットボトルが置かれている。
上座の執務机に腰掛けた信長から半兵衛へ、4個のマジックリュック(簡易版)が手渡された。
それを徳川家武田家にそれぞれ2個ずつ配る。
見た目は同じ物(信長用・容量無限大)を手に取った信長。
「先ずはこれを見てくれ。」
そう言うとリュックの中から10kgのコシヒカリ米袋を次々と取り出して見せた。
「「「おおおーー???」」」
こんな小さな袋から何故に米が出てくるのか?皆意味が分からぬが酒の酔いもあり、楽しげに見つめていた。
「徳川・武田、両家の皆も中に手を入れてみれば色々と分かるぞ。」
4人が言われるまま手を入れた!
「なに!!」「これは!!」
「どこに?これだけの物が!!」
驚愕している4人の頭の中には、リュック内の商品名と数量が、パソコンのExcel画面の様に整理され浮かんでいた。
*****
【織田家贈答品・目録】
新米(コシヒカリ)1万石
150万kg=10kg米袋150,000袋
飲料水(1Lペットボトル)
100万本
塩10万kg=1k袋10万袋
砂糖10万kg=1k袋10万袋
醤油(1Lペットボトル)
10万本
清酒(八海山)酒樽18L
1万樽=18万L
美濃吉・和風おせち三段重
1万食
CoCo壱番屋カツカレー
1万食
フルーツロールケーキ
1万本
織田金貨 750億円
*****
信長
「信じられん顔をしているなw無理もない。徳川殿、試しに取り出してみたらどうだ?」
家康
「では失礼して。」
家康は酒樽を1樽と米10kg袋を2袋取り出してみる。
一同
「「「本当に出てきた!」」」
「徳川殿w驚いてないで在庫数を確認してみるがよい。」
「在庫数?はて・・・なんと!」
現れた数字は酒樽1樽と米10kg袋が2袋、マイナスされた数が出ている。
楽しげな信長は
「戻すとどうなるか?やってみるが良いw」
シュン!
「おおーーー数が戻りまして御座います。。。」
そのやり取りを見ていた酒井、馬場、内藤や他の家臣達も恐る恐る出し入れをし、その度に増減する数字に、まるで物の怪でも見たような表情を浮かべていた。
馬場信春
「織田様、この容量残99%と言うのは何で御座いますか?」
「うむ。この"マジックリュック"なる物の容量つまり残りどれだけ入るか?を表示しておる。
満杯が100%。つまり、これだけの物が入っておるというのに、まだ1%しか使っていないと言うことよ。」
一同
「。。。。。。。。。。」
流石は全員、戦国時代を生き抜く武将達。
真っ先に浮かんだのは、合戦の度に苦労してきた兵糧の運搬・保管場所。
そこに追い打ちを掛ける信長の一言。
「ああ言い忘れておったが時間停止機能がついておってな、この"マジックリュック"の中では時間が止まっておる。
いま炊いた米や汁物が、1年後でも暖かいまま食せる。
汁物等は器のまま入れといても零れないぞ。
全てがそうだが、他の品物と混ざり会う事は無い。」
「そんな。。。。。」
「腐らないのですか。。。」
「1年後。。。暖かいまま。。」
「なんという事だ。。。」
「武器も入れられる。。戦が変わるぞ。。」
「確かに戦も変わるだろうが余は、この世の中を変えていくつもりである!」
家康
「世の中で御座いまするか?」
内藤
「確かに腐らぬのであれば、豊作時の食料を入れといて飢饉を乗り切れる!」
酒井
「織田様、護岸工事の"土砂運搬"等にも使えるのでしょうか?」
「流石は酒井忠次!そこに気付いたか!余が世の中が変わると言うたは、まさにそこだ!
物の流れ即ち"物流"全般に使える。汁物が零れないと言うたが、器に入れずに水も収納できる。
河川氾濫時にリュックを川に入れておけば、容量一杯になるまで収納してくれる。
その水は腐らぬゆえ、日照り時に田畑に供給できるし、水と他の物品が混ざる事もない。」
馬場
「。。。まさしく神の所業。。」
信長
「詳しくは申せぬが、
民の為に正しく使えば幸を持たらすが、己の私利私欲を満たすために悪用すれば、中身は全て消え失せ普通の袋に戻る!」
真剣な顔で聞き入る一同
「故に使える人間を限定するカラクリがあってな。
徳川殿、血判を押す要領で血を1滴リュックに擦り付けてみよ。」
「はっ!・・・これで宜しいですか?」
「うむ、酒井よ徳川殿のリュックに手を入れてみろ。」
「はっ!・・・つっ!これは!!」
「どうした?忠次」
何が起きたのか?酒井に聞く家康。
「殿!!品名も数量も頭に浮かびませぬ!!何も掴めませぬ!!」
「なっ!!まことか!!」
信長
「いま血を1滴擦り付けたであろう。これでそのリュックは、徳川殿以外の人間には使う事が出来なくなった。
他の人間には単なる黒い袋だ。盗賊等が盗んでも意味はない。
まあ両肩から掛けられる故、便利ではあるがなw」
家康
「なんという恐ろしき力で御座いまするか。。。」
「織田様は
そう言って内藤昌豊が信長を拝み出す。
馬場
「これだけの代物を同盟国の徳川様にならいざ知らず、駿河から撤退したとはいえ敵国の我が武田へも賜わるとは。。。
どのような意図をお持ちなのでしょうか?」
「馬場信春殿、御主がもし1国の大名なら2個のマジックリュックをどう使いなさる?」
信長は自身がもっとも嫌う、質問に質問で返す言葉を投げ掛ける。
「某なら1つは当然、戦の兵站として使い、輜重隊には武器を持たせ戦力に加えます。
もう1つはその都度の内政、先ほど申された物流や工事の運搬等に力を発揮させ、民・百姓の生活に大いに貢献できるかと存じます。」
「よう申した、ではもう1つ。
馬場殿の国の周り全てが、余の織田家領地になったとする!
仮にだが戦力差が顕著で戦を諦め、他国への侵攻もできぬ。
馬場殿は戦の兵站に使っていたもう1つのリュックをどうなさいますかな?」
「。。。周りを織田家に囲まれる。。。先ずは臣従致しまする。。
その上で許されるならばリュックは2つとも内政に使い、民・百姓が誰一人飢えることの無き国を目指しとう御座います。」
「馬場殿それが答えである。
余が徳川家だけでなく武田家にもリュックを授けた理由のな。」
そこから信長は4月に岐阜城で織田家臣団に話した、イエズス会・大友宗麟の悪行・フェリペ2世・無敵艦隊による日本への侵攻・属国化等の話しと、それを防ぐ為の領地召しあげ扶持は織田金貨での支払い。
一括管理された日ノ本の国を、織田宗家が全て費用を負担して日本列島改造論なる大普請工事。
それらを織田家領内の具体例をあげながら、熱く説明をした。
余りにも壮大な話しに一同驚きを隠せないが、同時にまだ見ぬ敵国スペインへの危機感は僅かではあるが、共有する。
信長
「いまの話は余の織田家内の話である。徳川も武田も織田の家臣でもなければ、ましてや属国でも無い。
ただ、何時までも日本国内で内戦を繰り返していては、伴天連共の食い物にされる!
その事は忘れるで無い。馬場殿、内藤殿も甲斐に帰ったら信玄公に伝えてほしい。
分かりやすく文書に纏めておる。半兵衛!皆に1部ずつ渡してくれ。」
*****16:00*****
信長
「もうこんな時間か?些か喋り過ぎたな。。」
自分のリュックから織田金貨を一掴み取り出す。
「これは今、余の織田領地内で流通させておる織田金貨だ。
尾張の隣、徳川殿の三河でも使われ始めておる。
金の含有率を厳しく管理し、その率の高低で価値を分けている。
渡した資料に詳しく書いておるが、簡単に言うと1番高い織田金貨で10万円、安いのは1,000円だ。
米1石は織田金貨7万5千円で買える。
その10万金貨1枚で1石3斗3升の米が買え、少しだけ釣銭もあると言うことだ。」
家康
「なるほど。。。金を使っているだけあって、かなり価値が高いですな・・・
おっ!品名の1番下にありますな。織田金貨750億円?」
信長
「織田金貨750億円は50万貫だ。」
家康
「はっ???」
他一同
「ひいい!!。。。あわわわわ」
馬場
「。。。そのぉーーー袋は2つありますが。。」
「ああ、だから1,500億円。
100万貫入れておきましたぞ。」
「「「「「。。。。。」」」」」
酒井忠次は小声で家康に
「いけませぬ殿、他の品とリュックは有り難く頂戴して、この金子だけは御返し下さい。。100万貫など受けとったら、遠江の次は三河まで狙われますぞ(汗)」
首を激しく上下に振り頷く家康
「怖れながら申し上げます。織田信長様には十分過ぎる土産物の数々を賜り恐縮しておりまする。
その上100万貫など受けとるのは余りにも過分な計らい。
過ぎたるは及ばざるが如しの例えもありますれば、織田様の温情この家康!孫子の代まで語り継ぎまするので、ここは何卒何卒!御容赦のほどを。。。」
「ふむ!返すと申すか?
余が、この織田信長が、1度土産として出した物を引っ込めろと?
竹千代は要らぬと叩き返すと言うのだな。。。」
シーーーーーン
氷点下 -273.15 °C 絶対零度に凍る室内。。。
誰も話すどころか身動き1つ出来ない絶体緊張感wが支配する。。。
「あいや徳川様、御懸念には及びませぬぞ。
殿がこれだけの金子を土産として用意したのは、遠江の城改築・内政等に多大なる出費をした徳川様を、手ぶらでは帰せないとの思いからで御座います。
それは武田家とて同じ事。
駿河国を即時撤退した返礼も兼ね、今までの出費を少しでも賄えれば、勝手向きも悪くはなるまいとの殿の気持ちで御座います。」
流石は今孔明竹中半兵衛。
場の雰囲気を何とか和らげようと、妥協点を見いだせる方向に導く言葉を、徳川方に投げ掛ける。
「ふん!家康!
大方この金を受け取ると、次は三河を明け渡せとでも言われるかと思ったのであろう!
余は火事場泥棒では無いぞ!!」
「はっ!はぁ!ははぁぁぁー」
必死で頭を下げる東照大権現様。座り心地抜群の豪華ソファー椅子から降りる事はしてないがw
「まあよい、土産に渡した金子だ。使い道は余が指図することでは無いが、徳川家・存続の為にも全て内政に使う事だな。
間違っても織田との戦準備等には使わぬことだw三河もリュックの中身も綺麗さっぱり無くなるぞ!!」
「はっ!はぁ!畏れ入りまして御座いますーーー」
深く頭は下げるが豪華ソファー椅子からは絶体降りないw
「徳川家武田家の方々、本日は大義でござった!!
信玄公とは近いうち和平に向けた会談を行いたい。来月下旬には正式な使者を遣わすゆえ、その旨お伝え下され。」
馬場&内藤
「「はっ!必ずや」」
「半兵衛!徳川家の方々をホバークラフトにて岸辺までお送り致せ!
武田家の方はこの浮島で江尻城までお送りしましょう。」
馬場&内藤
「浮島を移動なされるので???」
「当然である。もうこの地で徳川・武田の合戦は無くなり申した。
織田家中で浮島の名を東京ドームと呼んでいるのは、東京つまり武蔵国に由来しておりましてな。
余はこれより武蔵を視察してくる故、その途中まで共に参りましょう。」
馬場
「いやしかし、10隻の武田戦船は相成りますでしょうや?」
「何を申されるか馬場殿。何の為にリュックを渡しておる?
10隻どころか1万隻入れても容量はびくともしませんぞw」
馬場
「これは!!畏れ入りました。
確かにその手が御座いました。」
本当に便利なリュックです。
1個下さい。
**********
ホバークラフトで海岸線中田島砂丘まで送られた徳川家御一行様。
海から直接陸に上がる、この異様な船に皆が度肝を抜かれている。
本多忠勝
「これがあれば渡河も自由自在!迅速に敵の背後をつき、連戦連勝間違いなしでござる。」
家康
「滅多な事を申すでない!敵とは誰だ?三河の両隣、尾張も遠江も織田家の領地だ。。。」
忠勝
「三河の北に信濃がありまする。」
家康
「たわけ!織田様が近々信玄公と和平会談をするのだぞ!それを荒らしてどうする!三河とワシの首が無くなるわい。。。」
酒井忠次
「はあ~海に出たとて、あの浮島と織田の鉄で出来た戦船の砲撃で沈められます。三河は袋の鼠ですな。。。」
石川数正
「確かに四方八方織田に囲まれましたが、今川義元公御存命の折には、駿府にて殿を人質に取られ三河岡崎城にも入れず、属国扱いを受けていた身。
その頃に比べれば今は三河で皆が暮らせております。
この際、織田家からの100万貫にて我等が三河の発展に力を入れましょうぞ!」
榊原康政
「袋の鼠も見方を変えれば、何処からも攻められる事が無くなりました。軍事の備えは必要ですが、国内整備に使える金子が増えるのは間違い御座いませぬ。」
徳川家康
「ああ!これからの徳川家は三河の民・百姓のため、そして我等が子や孫のために内政に重きを置く。
軍事力では織田に歯が立たぬが、何か1つでも内政であっと言わせてやるぞ。
忠次!明朝、大久保忠世を交え内政面の詳細を詰める。
数正は急ぎ岡崎に戻り、
忠勝と康政は今後の軍事面の縮小編成の原案を詰めておけ!
戦が無くなっても、やる事はいくらでもあるぞ!皆が1つになる事こそが肝要じゃ!」
「「「はっ!!」」」
早くも家臣団に方向性を示し、即対応する動きをみせる徳川家康。
流石は史実の初代江戸幕府・征夷大将軍である。
ーーーーーーーーーーーー
【マジックリュック簡易版】
容量124万立法メートル
(東京ドームと同じ)
時間停止機能付き
何でも収納出来るが
生き物は不可(人間・動物等)
但し生きているw植物類は可能。
【ペットボトル関連】
ペットボトル等の地球環境に悪影響を及ぼす材質の物は、中身が無くなった時点で異空間に消滅する。
ゆくゆくはリサイクル施設等も建設。
環境問題に取り組む予定ではあるが、それは天下統一後の事業で、今はチート異空間に頼っている。
フィクションですからm(_ _)m
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