第22話 新姉川の戦い②
浅井長政は横山城内に兵1,000人と共に隔離されているものの、信長討伐に出陣した8,000人のうち生存者25人のみという衝撃的な事実。
小谷城ほか小谷山を含め各支城も全焼し、北近江の戦国大名としては滅亡した浅井家。
その同じ姉川戦場に20,000の大軍で立つ越前の朝倉家に、浅井軍を破った織田の軍勢が襲いかかってきた。
**********
時間は少し遡る 14:10
門脇率いるAPC9マシンガン部隊12,000人。
龍ヶ鼻砦西側に到着するとそこには、
朝倉の前波新八郎3,000人。
黒坂景久500人。
の3,500人が布陣していたが、全員が爆音轟き炎と煙を放つ、5kmほど後方の小谷城を見ていた。
朝倉家・黒坂景久
「何と言うことだ。。。越前への退路、小谷城が攻められておる。。。」
前波新八郎
「馬鹿な。。。一体何処から湧いてきたと言うのだ。。。先程まで敵など1人も居なかったではないか。。。」
朝倉兵・物見
「敵襲!!敵襲!!横山城方面から敵襲!!その数12,000!!!」
悲鳴にも似た物見からの悲痛な叫びに、全員前を見据える。
朝倉家・足軽兵
「12,000だと!!!」
「織田の兵は浅井の奴等と交戦中じゃないのか!!」
「そんな大軍!!話が違うぞー」
「逃げよう!!なっみんな越前に帰ろう!!」
「そうだそうだ、俺は来月祝言なんだ!美濃での乱取りし放題と言われて付いてきたが、命あっての物種だーー逃げるぞ!」
「でも小谷城が。。。燃えてる。。」
「「「「「あぁ、、」」」」」
直ぐに逃げたいのだが、退路にある小谷城が先ほどから攻撃を受けている現実に、戸惑い狼狽える足軽兵たち。
そんな状況にお構い無く織田軍12,000が攻撃を開始する。
門脇侍大将
「距離250m!!狙いなど付けなくて良い!!総員フルオートで弾幕を張れ!!」
全進しながら12,000人のAPC9が悪魔の雄叫びをあげる!!
ズガガガガガガガガ!!
ズガガガガガガガガ!!
「ひいーーー」「助けてーー」
「降伏する!!撃つなあーー」
身体中から血飛沫をあげながら、その生涯を閉じる朝倉・足軽たち。。。
門脇侍大将
「距離150m!総員停止!セミオートに切り替え、各自狙いを定め指揮官から殺れ!!それが終わり次第、掃討戦に入る!!」
ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!
黒坂隊・前波隊の侍大将、足軽大将が狙い撃たれ、次々と倒れていく。
それは大将の前波新八郎・黒坂景久も例外では無かった。
「があ!!あぁぁぁーー」
「ぐへぇ!!!」
敵部隊の大将2人が亡骸になったのを見て門脇侍大将が声を張り上げる!
「掃討戦に移る!!1人も逃がすな!!撃って撃って撃ちまくれ!!!!!」
同時刻14:10
醍醐寺方面山中から門脇の12,000が交戦に入ったのを確認。
吉川第8軍団長・指揮する10式(改)戦車部隊120輌が遂にその姿を敵に見せつけた!!
「遠慮するな!!主砲、機銃、乱射しまくれ!!面制圧だ!!」
今まさに本陣の竜ヶ鼻砦に布陣するため、姉川を渡河中の朝倉本隊7,000人。
生まれて初めて見る、猛スピードで動く異様な鉄の箱に、誰もが畏怖し、それから浴びせられる火力から必死に逃げ惑う。
しかし渡河中という最悪のタイミングに背中から砲撃を受け、慌てふためき姉川の流れに足を取られ動きが鈍ると、機銃の餌食になり次々と倒れ絶命していく。
まだ姉川を渡る前だった敵総大将・朝倉景健
「何なんだあれは!!まるで化け物では無いか!!斥候は何をしていたのだ!!」
*****その時*****
シュン!
「殿?」「来い又左。坂本!前田軍1万の指揮を取れ!」
シュン!
「えっ?ここは?」
「朝倉本隊・敵総大将・朝倉景健のまん前だ励め又左!!」
「殿、、、また消えた、、」
阿部第5軍団長に加賀国境で渡す、第6軍団・陸兵1万の中から300人の"剣豪スキルA+++"を持つAndroid兵士を利家の護衛で置いていった。
ほんの数秒で信長は前田利家を転移で飛ばし、総大将・朝倉景健の元に運んで来たのだ。
これも信長らしい利家への配慮である。
「な!!なんだ貴様ら!!」
突然目の前に現れた迷彩服上下にヘルメット・ブーツの陸上自衛隊スタイルで、刀を手にしている異様な集団。
景健を守ろうと鎧兜の近習武将達数十人!!
だが剣豪Android陸兵の敵では無く、1合する前に斬り殺される。
「ほお~強いなお前等!どうだ俺の槍に勝てるかニヤリ」
味方に対して不適な笑みを浮かべつつ槍を構える犬千代さま
戦国の
「。。。前田殿、御戯れを。。敵は朝倉軍総大将・朝倉景健でございますれば。。。」と景健を指差す。
「んっ?あっ!そうであった!ぶははははーー悪い悪い、強い奴には目がなくてなw」
「「「。。。。。」」」
「「「。。。。。」」」
敵も味方も呆気に取られるw
「では、失礼ながら朝倉軍総大将・朝倉景健殿とお見受け致す。
それがし織田信長様1の家臣前田利家と申す!そなたの首級!!貰い受けに参った!!御覚悟召されい!!」
*****その時(2回目)*****
ドガーン!!ズガーン!!
「ぎゃーーー」「ゲェーーー」
岡本軍団長のナパーム弾が琵琶湖から、朝倉本隊の後詰め部隊を兼ねる
今も続く吉川戦車部隊の砲撃と機銃掃射。
ナパーム弾に戦車、死を連想させる悪魔の相乗効果で、渡河を済ませた13,500人の朝倉軍以外は壊滅状態に陥っている。
総大将景健の周りには、数人の味方が残るのみ。。。
「ふっふははははは。前田殿その槍!実に見事な構えだ!最後にそなたの様な強者と出会え幸せである!!いざ!参る!!」
戦国の英雄・朝倉宗滴病死後、加賀一向一揆攻めの総大将を勤めた、父親の朝倉景隆に育てられた景健。
強敵前田利家を前にして、恐れるどころか、武勇の人として認められた血が騒ぐ。
「ふん!!」利家の鋭い突きを
「なんの!!」絡め取る様に左後ろに上手く躱す。
その反動を利用して槍の石突きで急所の喉元を狙う景健!
グギッ!すんでの処で左手元で受け、右後方に飛び退き距離を取った利家!
「ほお!やりまするな総大将殿!」
「お主こそ、重くて速い槍捌き、見事だ!」
2人の周りを取り囲み名勝負を見届ける、数人の朝倉武将達と300人の剣豪Android。
「覚悟!!!」
この時代に185cmの大男、前田利家が全力を込めた槍を、鋭い踏み込みと同時に上から叩き込んだ!!
ぐぎゃ!!!
まともに受けたら槍を折られ、兜に打撃を喰らうと咄嗟に判断した景健!
己の右後方に力を逸らそうと槍を斜めに合わそうとする。
が、しかし
「でぇーい!!」
槍の又左が槍を手放し踏み込んだ勢いのまま、組み付いて来た!!
「ガッ!!」
その巨体とスピードに乗った突進を受け止められる術等ない。
押し倒した景健の喉元に利家の脇差しが深く刺さり、首の後ろから刃が突き出る!!
勝負あった!と喉元から脇差しを抜き取る利家
「ピューーーお・みご、と、ピューー」
喉元から大量の血飛沫を上げながら、景健が人生最後の言葉を絞り出した。
グサッ!ズズズズ!!
己と好勝負を演じた
「織田信長様1の家臣!!前田利家!総大将朝倉景健殿討ち取ったりーーー!!!」
と勝ち名乗りを上げたのだが、半径2km以内に届く大音響に当の本人ですら
「えっ!!??」
興奮冷めやらぬ頭と体が一気に覚めていく。
『殿?何かなされましたね?』
『チート創造で超小型音声増量装置を、収納中の利家の声帯に埋め込んだ。
余にしか切り替え出来ぬオンオフ機能付きだw
但し反動で5~6日は声が出せん。暫く静かになるなw』
『まあひどいことをw後でこっそりチート回復して差し上げます。』
『たのんだw、、それと次なる手を打つ、帰蝶付与を頼む行くぞ!』
『?ハイ殿』
シュン!
二人で関ケ原合戦跡地に飛んだ。
後詰めとして待機中の信長直轄第9軍団に濃姫の結界を付与し収納したのである。
「よし、戻るぞ」
シュン!
わずか2分で次の手の段取りをすませ、姉川から横山城門前に戻る2人。
待機中の稲葉軍と直轄第7軍11,000の元に降り立ったのである。
*****
朝倉家・真柄直澄3,000を10,000で包囲殲滅中の、坂本が臨時で指揮を取る前田利家隊。
濃姫のチート結界を付与された事は知らないが、敵の攻撃が自分に全く通じない不思議な体験をしながら、槍を兜に叩き込み脳震盪でふらつく敵に斬り込んでいく。
朝倉軍本陣の竜ヶ鼻砦中央に位置する真柄直隆騎馬軍団3,000には黒坂隊・前波隊を壊滅させた勢いのままに、門脇侍大将の12,000のAPC9が火力を叩き込んでいた。
その戦い真っ只中の両部隊及び吉川戦車部隊に、これでもかと大音量で響いたのが
「織田信長様1の家臣!!前田利家!総大将朝倉景健殿討ち取ったりーーー!!!」
前田利家隊足軽兵
「大将。。急に消えたと思ったら敵総大将の首取ったのかよ!!」
「にしても。。。声。。」
「人が出せる大きさじゃないよな。。」
「まあ前田の大将は人じゃないからな。。」
「で?どうすんだこれ?」
「全員逃げ出したぞ本陣の龍ヶ鼻砦に。。」
「坂本侍大将から追撃中止命令出てるから、ほっとくけどよお。。」
「いやでもあんな処に籠ってもなあ。。」
「敵の総大将も討ち死にしたし、小谷城も燃えて退路も無いぞ。。」
「小谷城どころか、直ぐそこの朝倉後詰めも燃えてるぞ。。」
「袋の鼠だよだな。。。」
『こちら偵察ドローン朝倉軍残党、竜ヶ鼻砦に先行着陣していた本隊4,000。
戦闘に敗れ逃げ込んだ真柄直隆隊150・真柄直澄隊350、総数4,500で立て籠りました。
真柄直隆はAPC9により討ち死に、指揮官は真柄直澄です。
後詰めを兼ねた
現在砦には兵糧・飲み水の備え無し。
繰り返す兵糧・飲み水の備え無し!!』
「兵糧もきついが、この激しい戦闘後に水が無いとは、もう無理だろう。」
「殿、どうなさるのですか?」
「そこだな!余が降伏は認めず殲滅せよと申したのは、あくまで戦闘中の事である。
籠城戦になると、後の世でサルがやった鳥取城の
「私も未来の歴史書にて読みましたが、人間の尊厳その物を否定するかのような飢え殺し。余りにも酷い仕打ちです。。。」
「ああ、そこで戦国の世の習いじゃ。真柄直澄に切腹を許し交換条件として4,500人を助命する。
勿論、帰蝶に鑑定はしてもらうが、よほど酷くない限り労働力として開発で使う。
奴隷働きではないぞ!正当な賃金を支払い家族を呼び寄せるのも許す。
ただ土着しておる越前・北近江とは別の場所だがな。
どうだ帰蝶?そこが落とし処ではあるまいか?」
「とても良い考えかと思います。」
「うむ、ここは不破光治に仕事をして貰うか。余の収納の中で存分に休んだであろうw」
シュポ!
「。。。。。"はっ!"殿!!武蔵殿?ではありませぬな髭が無い。。その鼻筋の通った綺麗な御顔立ち。。もしや?濃姫様!!!」
「まあ綺麗な御顔立ちとは不破殿。美濃の男は見る目が違いますねえ。」
「おおーその鈴が転がるような美しいお声、紛れもなく濃姫様じゃ!!」
「まあ綺麗な御顔立ちの次に鈴が転がるような美しいとは不破殿。美濃の男はお口も達者でございます。」
「。。。。。。。。」
「いえいえ、それがしは世辞な。。。」
「だまれえぃーーー!!!2人して何時まで褒めあっておる!!
いくら美濃生まれの美濃育ち同士だろうが、聞いててむず痒くなるわい!不破!!周りを見ろ!!ここは戦場であるぞ!!」
「は?えっ?いくさ?誰と?と言うか殿。。浅井長政殿はどちらに?」
「はあ~~そこからか、まあ良い。帰蝶、光治に事のあらましを説明しといてくれ。余は慎之助のところに行ってくる。武蔵は清洲に戻ったこともな。」
「はい殿、御武運を。」
「光治!少し待っておれ、夜には戻る。そのあと大任を申し付けるゆえ、帰蝶と2人これでも食べて待っていろ。ペットボトルの御茶とも相性が良くて美味いぞ。」
信長は収納からテーブル椅子3点セットを取り出し、その上に濃姫のギフトから大量コピーした東京銘菓ひよこ10個入りを置く。
周りを固めるAPC9部隊の中に紛れこむと、シュン!
阿部慎之助が待つ越前沖停泊中のイージス搭載艦"尾張6号"に転移していった。
ーーーーーーーーーーーー
"東京銘菓ひよこ"
しっとりとした食感と素朴そのものの味。
大好きですw
「ひよこ怖い」おっ出てきた
パクパクパクパク
「めっちゃ食べてるな、本当は何がこわいんだよ!」
「熱いお茶が怖い」。。。
古典落語"饅頭怖い"のひよこversionでした。
"目黒のさんま"も是非ぜひ
***
それと馬面亭馬之助(落語家みたいw)さん始め★★★で応援してくれる皆様。
素直に嬉しいです。
もっともっと良い話を書こうと執筆の励みになっています。
拙い文章も多いですが、これからも宜しくお願い致します。
m(_ _)m
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