第14話 一条兼定と土佐中村御所
阿波・讃岐の二か国を平定し、戸郷第3軍団長に後処理を任せ尾張1号に戻る織田信長。
『シュン!』
「帰蝶、戻ったぞ!」
「殿、無事のお帰り何より。
お約束通り上陸の間に現れてくれて嬉しゅうございます。」
信長は以前、岐阜城で突然転移で現れて帰蝶に怒られた。
それ以降、帰蝶の前に出る時は緊急時を除き、出現場所を限定している。
「そうかwでは土佐に飛ぶがその前に帰蝶、まずは阿波に行って捕虜の鑑定・治療を宜しく頼む。」
「はい殿、委細承知に御座います。お連れ下さいませ。」
2月9日 2:00 土佐国
帰蝶を阿波の戸郷軍団長の元に届けた織田信長。
信長直轄第6軍団3万を収納から取り出し土佐中村御所前に整列させる。
「四万十川の戦いは5年後だからな、まだ長宗我部元親も土佐1国を平定出来ていない。
和真!!これより土佐の名門一条兼定を、本拠地この中村御所ごと収納する。
念のため第6軍団3万で御所の周りを固めよ!」
「はっ!直ちに!」
岡本軍団長がテキパキと指示を出し御所を包囲する。
「御館様、包囲完了しました!」
「よし。去年妹婿の安芸国虎共々元親に敗れ、領地を削られた今は名門とは名ばかりの一条家だ。
余が跡地に安土城・土佐中村御所支店を築城し、強力な新生一条家を作ってやろう。
兼定も喜ぶであろう、のお和真よ。」
「はい!狂喜乱舞致すかと。」
『シュン!』
一瞬で全てが消える。相変わらず恐ろしき信長のチート収納。
「兼定は時間加速エリアに入れて、まずは1万倍加速を与えよう。
1日で1万日、約27年。兼定は今27歳、明日は54歳、明後日は81歳。
みるみるうちに見た目が若者から老人に変化し、体力気力も衰えていく。
もちろん余の五男、織田勝長(6歳)との養子縁組を了承すれば帰蝶に回復させる。
兼定も馬鹿ではない、余の願いを受け入れてくれるだろう。
どうだ和真!」
「はっ!流石です御館様。がしかし、どうせなら10万倍が宜しいかと!」
「たわけーーー和真うぬはAndroidのAI頭脳を持ちながら計算も出来んのか!
10万倍にしたら明日300歳を超えてしまうわ!!余がうっかり取り出すのを忘れたら、兼定は干からびてミイラになっておるぞ!!この痴れ者がーー」
「御館様。岡本軍団長は最近、帰蝶様から賜りしDVDにて、令和日本の"お笑い"なるものに嵌まっております。
今のは御館様から笑いを取ろうと冗談なるものを言うたかと。」
信長の怒りに第6軍団侍大将の井上が助け船を出す。
「ほお、和真それは"漫才"か?」
「いえ落語なるもので御座います。」
「おおーそうか!あれは良い!余は立川流家元・立川談志が一番じゃ!
枕ではふてぶてしい態度でズケズケとした物言い。
かと言うて一旦古典落語をなぞればあれは天才である!
知っておるか和真!芝浜の落ち。
"止めとこうまた夢になるといけねぇ~"余はもう20回ほど見ておるぞ!」
「……………」
「。。。何だ和真、その顔は不服そうだな…」
「確かに談志も宜しいですが、天才とは古今亭志ん朝以外におりませぬ……」
「。。。ほお。。。そうか。。。わざわざ談志のライバルを嗜んでおるのか。。。余への当て付けか!」
「天才と鬼才は違いま。。。」
「岡本軍団長!!止めなされ!!御館様!!深夜とはいえ3万の大軍勢は目立ちまする。
安土城・土佐中村御所支店の築城何卒お願い致します。」
信長は和真を鋭く睨み付けながら無言で安土城・土佐中村御所支店を取り出した。
『ズドン!!ドン!!』
夜中の2時に突如現れた
外観五重・内部地上六階地下1階。
【防衛兵器】
短距離(射程100km)イージスミサイル1000本。
ブローニングM2重機関銃(有効射程2km)1000丁
攻撃型無人ドローン機レーザー光線弾(飛行範囲10km)1000機
10式戦車信長チート錬金(改)30輌
「御見事に御座います!!流石は織田信長様!天才御館様!鬼才第六天魔王様!誠に天晴れにて、この井上温大感服つかまつりました!!」
「「やかましい!!この太鼓持ちが!!」」
信長と和真がハモリましたw
「うぅ……せっかく気を使ったのに…太鼓持ちって何?」
何だかんだとありましたが、AI学習機能でそれぞれ違う個性を持つ攻撃型Androidの中でも、
「御館様。生意気な物言いをして築城創成の手を遅らせてしまい、申し訳御座いませんでした。」
完成した城を見つめ即座に詫びを入れる岡本軍団長。
自分を創造し、要職に抜擢してくれた信長に対して、感謝と尊敬の思いが強く忠誠心は揺るぎない。
「もう良い!それより仕事だ!
折角目の前に太平洋が拡がっておる。平野海岸沖合いを埋め立て広大な陸海空軍事基地を作り尾張6号~10号の母校としよう。」
『ザブーン!ザブシュババババ』
『ダダダダダダダダーーン』
まずは平野海岸西側の下田漁村から東の入野海岸迄の約13kmを陸地の海岸線1km離れた場所から沖合い11kmまで埋め立てる。
これにより130平方km
マンション等でお馴染みの平米㎡表示すると1億3千万㎡???
渋谷区の約8倍以上の広大な土地を創造する魔王信長。
超大型艦尾張が航行出きるように埋め立て地周りを深く掘る。
(仮に座礁しても転移で脱出可能w)
1億3千万㎡のうち3千万㎡を海軍基地に割り当てる。
帰蝶から貰ったアメリカ海軍横須賀基地の図面に、横浜山下公園の大桟橋埠頭を30本追加。
それを錬金創造したら海軍基地の完成。
「ふむ!アメリカ海軍横須賀基地の約9倍の創造が、わずか5分で終わるとはな。。。。。我ながらチートとは恐ろしい。」
更に埋め立て前の海岸線に近い部分五千万㎡に陸軍基地を建設。
「この陸海空複合基地の入口だ。まずは海岸線から埋め立て地までの1kmを隔離する。」
深く深く海底を掘り収納する。
これにより複合基地は幅1km深さ500mの海で、海岸線から完全に隔離された。
「次は橋と地下海底トンネルだな。橋は東端と西端に幅60m片側5車線の10車線道路!
海底トンネルは車線は同じだが、幅は70mにして路側帯を広く取る。もしもの事故対策だ。それを2kmごとに計7本作るぞ!」
間髪入れずに次々と出来上がっていく創造物。
「「「おおおあおーー」」」
Androidとは言え流石に驚き歓声が上がっている。
「和真!ここに御主の第6軍団宿舎を建てる。地上10階建てにするがそれはカモフラージュ。
100m下まである地下街を作り、そこに100㎡の個室を1,000室、それでもまだ10万㎡だ。
海底まで300mを埋め立てたから海水は入らん!
この基地が攻撃を受ける状況にはならんが、万が一の地下街だ。
後程、帰蝶にチート防御結界も付与してもらえば完璧だろう。」
「は!地上10階建ては何に使うのですか?」
「平時は宿泊施設、戦時は8F~10Fが攻撃用ドローン発着基地になる。」
「御館様、無敵基地かと!」
「ああ当然よ!最後にど真ん中の5千万㎡で空軍基地!
帰蝶から米軍嘉手納基地の図面を貰っておってな、それに余が羽田空港と成田空港も合体させた。
4,000m級滑走路が8本もある約4千6百万㎡の超巨大空軍基地だ!!」
『ドドドドドドド!!』
「「「すごい!!!」」」
「余った4百万㎡には全面芝生を植えておる。東京ドームの85倍、緑の絨毯だ!!」
一面芝生の目に優しい見事な芝
「和真、井上、完成だ!!」
「見事なる陸海空合同基地です!」
「すごい!!!としか言いようが無い……」
「おおそうだ、艦船と戦車に軍用車輌等も揃えねば!」
『シュ!』
イージス搭載戦闘艦・尾張型5隻
イージス戦闘艦30隻
鉄鋼軍艦100隻
を収納から取り出し軍港に浮かべる。
10式戦車信長チート錬金(改)900輌と相棒の攻撃型ドローン4,500機。
軍用トラック等の車輌1万台。
空軍の方は戦闘機等も出せるが取りあえずはオスプレイ500機、攻撃用ヘリアパッチ300機だけにしといた。
「これは……令和の世でも世界最強陸海空軍では無いか?
大日本織田海軍・第5軍団3万の母港としてここに配備する。
第6軍団3万と合わせ6万の陸海空軍基地としよう。和真!!」
「はっ!」
「岡本和真第6軍団長!本日よりここ織田家土佐・陸海空軍複合基地の司令官を命ずる!長宗我部に伊予の河野、九州勢を存分に叩きのめす拠点として励め!」
「はっ!御館様の手となり足となり励みます!!」
「安土城・中村御所支店の方には兼定の養子として余の五男織田勝長(6歳)を"一条兼長"として縁組みさせ城主として入れる。
第7直轄軍3万も布陣させる。大城第7軍団長と上手く連携して励め。
大切な拠点ゆえ暫くの間、余も週の半分は駐屯する。」
「は!では早速、長宗我部・
「慌てるな和真!それは織田勝長と一条兼定との養子縁組み後の初陣として行う。
それまでは土佐沖を朝昼晩最低3回巡回し、軍事演習も連日行い十分に威圧しておけ!」
「は!承知致しました。」
「勝長と養子縁組後すぐに兼定は八歳の嫡男一条
住まいは関ケ原にでも作ってやるか。」
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一条兼定
1468年土佐国に土着した公家・土佐一条家4代目党首。
土佐一条家は初代党首・房家の時代から、五摂家の1つという公家の頂点に立つ破格の家格が大いに役立ち、土佐国人の紛争を治め各地で調停を依頼される。
土佐における権威の象徴として各豪族等を傘下に従え、その勢力を次第に拡大させていった。
1549年父親の土佐一条家3代目・房基が27歳の若さで死去。
自害と伝わってはいるが理由も不明で真偽は疑わしく、暗殺説等もある。
父の突然の死により兼定は僅か7歳で家督を継ぐ。
現代の小学校1年生の子供に
房道は土佐一条家出身であるが本家の京都一条家10代目党首・一条冬良に後継ぎが無く、養子として育てられ京都一条家11代目党首となった人物。
土佐にも愛着があったらしく兼定の後ろ楯となった。
だが1556年48歳で死去しており、まだ13歳の兼定はそこから苦難の道を歩む。
1568年
養父・一条房道の死後12年の歳月が経ち、京都一条家とも次第に疎遠になってきていた矢先。
伊予国(現在の愛媛県)に進出。河野氏と戦うが毛利家からの援軍を得た河野家に敗れる。
兼定の時代に疲弊した土佐一条家。
日の出の勢いで土佐東部から中央部に勢力を拡大し、台頭を現す長宗我部家。
1569年
長宗我部元親討伐の旗を掲げるが有力な味方、妹婿・安芸国虎が討たれ、土佐一条家は一気に領土を侵食される。
家臣からの信頼人望を失った兼定は、重臣たちによって1573年強制的に隠居させられた。まだ30歳である。
翌1574年中村御所すら追われ土佐から追放される。
一方35歳の働き盛り長宗我部元親は、土佐一条家の内紛に乗じ中村御所を制圧、占領した。
1575年兼定は大友氏の助力を受け土佐へ侵攻。
四万十川の戦いで長宗我部元親に大敗、命からがら敗走し戦国大名としての土佐一条氏は歴史から姿を消す。
10年後の1585年7月1日兼定死去、42年の生涯を閉じた。
嫡男・内政(23歳)も翌日死去し土佐一条家はここに滅亡した。
死因に対して明確な資料は残っていないが、連日の不幸に長宗我部元親陰謀説が根強く残っている。
晩年を過ごした豊後水道宇和海に浮かぶ戸島。現在の宇和島市(愛媛県)
島民からは「一条様」「宮様」と呼ばれ親しまれていたという。
悲哀に満ちた生涯を送った一条兼定。
どこかで転換点があれば四国統一を果たせていたのかも知れません。
戦国武将としてはメジャーではない彼を、いつかフィクションで描いて陽のあたる人生を歩ませてみたい。と思ったりもしますが資料調べが。。。。。大変かも。。。
m(_ _)m
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