第13話 阿波国三好家ついでに讃岐十河家の大掃除

 1570年2月8月23時


 1夜にして淡路国の岩屋城・洲本城・由良城を落とし淡路水軍を消滅させ、安宅家当主・安宅 信康神太郎の首級を挙げた。


 戦後処理・島の要塞化のため1万5千の織田信長直轄軍を淡路島に残し

 信長・濃姫の二人と共に

 柴田軍3千・池田恒興直轄軍2千

 を乗せた超大型イージス戦闘艦"尾張1号"が堺港に戻ってきた。


「勝家・恒興・皆の者!淡路国遠征わずか1夜にしての勝利!天晴れなり大義であった!」


「「「ははーーー」」」


「余はこれから四国攻略軍督戦のため取って返す!

 恩賞は12日後の2月20日堺・柴田城にて行う。

 それまで池田軍も勝家と共に、石山本願寺跡地にて佐久間信盛を助け、一向衆信徒の社会復帰に助力するよう。」


「「「ははーーー」」」


「軍資金は恒興に52万貫。。。では無く、織田金貨でたっぷり780億円預けておる。恒興!!使い切れないどころか増やしてどうするのじゃ!!」


「なぜそれを……申し訳ございません!!」


「ふん!驚いたかw余が制作したマジックリュックだ、中身を把握できて当たり前であろう!!」


「恐れ入りましてございます!」


「よい。勝家と相談して此度、戦のあった伊丹と大坂のために使うのだ。

 それと伊丹に余がを建てた。余の直轄軍3万5千を駐屯させておる。

 何かあったら恒興の指示を仰げと申しておるので頼んだぞ。」


「3万5千……………」


「分かったのか?恒興」


「はっ!柴田様としかと相談の上、対処致します。」


「うむ。それと柴田勝家が家臣、山路正国は居るか!!」


「「「「「うっぅぅぅ」」」」」

 勝家始めその場にいた柴田軍全員が、身体を硬直させ思わずうめき声が出る。

 ピーンと張り詰めた緊張感の中


「はっ!!ここに」

 と返事をして前に出る正国。


「勝家から聞いたが、

 安宅 信康神太郎の切腹を許し介錯をしたそうだな?」


「はっ仰せの通りにございます……」


「御館様に申し上げます。家臣が仕出かした事は全て某の責。

 山路は武将の誇りを守っただけにて、責めを負うは御館様より軍団を預かるこの勝家にございます。」


 しーーんと静まり返る尾張1号の船内。頼みの濃姫は1足先に下船している。


「権六控えよ!」


「はっ!しかし御館様」


「止めんか!柴田殿!」


 山路と安宅の事情を聞いていない恒興が、ただならぬ雰囲気に必死になって勝家を止める。


 下を俯き静かに信長からの沙汰を待つ山路。


「はあ~全く貴様という奴は…権六!!早とちりするでないぞ!!この大たわけが!」


「へっ?早とちり?」


「神太郎はまだ若かった…大方、公方と幕府奉行衆の口車に上手いこと乗せられ、余を裏切ったのであろう。

 去年9月、堺南庄を与える際に何度か会って話をした。

 如何にも海の男らしい、気っ風の良い善き武将であった。。。

 山路!!神太郎の介錯、余からも礼を申す。」


「「「なっ!!。。。」」」


 軽くではあるが山路に頭を下げる信長。

 あの第六天魔王が家臣それも陪臣に頭を下げる等と、その前代未聞の光景に再び全員凍りついた……違う意味でだが。


 沈黙が支配する中で山路正国が頭を上げ、信長の目を見詰めながら


「大殿におかれましては某等の陪臣ごときに御礼を賜り、誠に誠に有り難き幸せに御座いまする!!」

 そう言うと床に額を強く押し付け、それは見事な土下座をする。


「ふん!良い、頭を上げぬか!話が出来ぬ!」


「はっ!」

 再び信長を見詰める山路


「先ほど申した通り皆の恩賞の儀は2月20日に行う。

 だが山路だけは別だ!!たった今この場で行う。

 山路正国!!安宅家当主・安宅神太郎信康が首級を挙げた事、まことに天晴れである。

 そして己の首級にて家臣の助命嘆願をする神太郎最後の願い。

 余に折檻を受ける覚悟をし、腹を括って介錯を勤めた男気に溢れる御主の気概。

 敵味方入り乱れておる中での、迅速かつ的確な判断!

 紛れもなく将の器である。

 此度の淡路国攻め1番手柄だ!!見事なり!!

 よって恩賞としてこれを遣わす。前に出よ!!」


「はっ!ははあーー」


 ーーー皆の心の中ーーー

『良かったな山路…』

『大殿様も見るとこはちゃんと見てくれている…』

『山路の苦労が…報われたうぅぅぅ』

『ありがとう大殿…一生付いていくぞ』

『大殿は少しお変わりになられたか?勿論、良い方にだが』

『織田軍に入って本当に良かった』


 そう言うと信長は、自身のマジックリュックから同じ物をもう1つ取り出し、山路に手渡した。


「この中に正月に好評だった美濃吉の三段重お節が100

 豚汁が特大寸胴で5つにコシヒカリもたんまり入っておる。

 それと織田金貨も30億円ほど入れてある。

 1番手柄の副賞として明日から3日間暇を取らすゆえ、堺で一族郎党と宴でもして伊勢からの苦労を労ってやれ。

 使い方はそこに控える池田恒興に聞くがよい。

 恒興!しかと山路にするのだ!」


「はっ!!」


「30億円…とてつも無い…金額なのでしょうな…きっと。

 この袋の中に米?何がなんだか。。。」

 織田金貨の価値がまだ良く理解出来てない山路


「なに、ほんの2万貫ほどじゃwでは皆の者、余は四国に取って返す!!うぬらは上陸せい」


「2万!!!貫!!!!!」


 総員5千の部隊を尾張1号から一気に堺港へ転移させた信長。


「ふははははは2万貫と聞いた時の山路の顔ww傑作だったわw

 さてと23:25か、四国攻略部隊の現地到着時間まで残り5分だな。

 余が来るまで動くなと命じておる。尾張1号ごと転移を使いそろそろ行くとするか帰蝶。」


「はい殿。」

 侍女たちと下船するふりをして、実は提督室にいた濃姫様。

 信長と二人四国に向け尾張1号で転移するのでした。



 池田恒興

「とまあこんな具合だ、これで御館様と山路殿の二人しか物の出し入れは叶わぬ。」


 山路正国

「ひいいいい……あめの御中みなか主神ぬしのかみ様の術を付与された褒美とは。。。。。

 これはとんでもない代物に御座います。本当に金貨や御節重箱が入っておる。

 コシヒカリとやらの米が1006トン

 八海山と書かれた1斗樽が10樽

フルーツタルトケーキ100ホール?この煌びやかさは宝石か何か?」


「恒興……ワシにもそれ貸してくれ。いろいろ隠しておきたい物もあるし……」


「御冗談を柴田殿。これは御館様と恒興しか使えないので無理に御座います。

 それとリュックの中身は御館様も随時把握できるのですが、宜しいのか?」


 そのやり取りを見ていた山路は自分のマジックリュックを背負い


「では殿。それがし大殿より1番手柄の副賞として明日から3日間のお暇を頂きました。

 また一族郎党と宴をせよと申し付けられておりますので、これにて御免!」


 一目散に逃亡した。


「こら待て待たぬかーー山路ーーー」


 恒興

「だから山路も血を一滴擦り付け登録を終えた。もう他人は使えない。」


 大丈夫ですよ勝家さん

 2月20日の恩賞で貰えますからw


 **********


 2月8月23:40


「帰蝶。これより阿波国・三好長治本人と一宮城を丸ごと。

 実弟の讃岐国・十河そごう存保まさやすと重臣達全てを収納してくる。

 長治も弟の存保も三好長慶の甥だが、幼少期より重臣・篠原長房の庇護を受け今も篠原の傀儡だ。」


「阿波国・讃岐国を落とすには篠原長房を討ち取れば良いのですか?」


「ああ、両国の軍勢は長治の父、実休の頃より篠原が纏めておる。

 よって篠原居城・上桜城は本人含め全てを収納する。

 後は第3軍団3万に任せるが、国主も城も重臣達もいない丸裸状態で、三好軍と十河軍がどう動くか?

 降伏すれば捕らえ体育館に収容、逆らうなら滅ぼせと指示を出している。

 帰蝶には降伏してきた者共の鑑定をしてもらいたい。

 武将として使えそうにない者達は職業訓練を受けさせ、それぞれに相応しい職で自立させる。

 阿波と讃岐の二か国だ。忙しくなるぞ帰蝶w」


「殿の天下布武への道!そのお手伝いで忙しくなるのが私の喜びです。」


「よう言うた!!では行って来る。2時間もあれば戻れるであろう。

 四国の後詰めで連れてきた第6軍団3万から、念のため護衛を1,000人同行させるので心配は無用だ!」


 織田信長は阿波と讃岐に転移で向かいました。


「相変わらず猪突猛進ですねw淡路に阿波と土佐は聞いてましたが讃岐は初耳ですよ殿w」


 **********


 2月9日 1:00


 足軽兵・民、皆が寝静まっている間に

 阿波国主・三好長治

 讃岐国主・十河存保

 それぞれの主城と重臣達

 何より陰の支配者・篠原長房も本拠地の上桜城ごと消えてしまった。


 指導者と国のシンボル主城を失った三好軍・十河軍

 単発的な抵抗はあったが織田信長直轄第3軍団3万の圧倒的火力に5分と持たず次々と降伏していく。


「やはり野戦において陸上自衛隊

 10()は無敵極まり無いな。

 主砲は1発も撃っておらぬが、安土城にも配備しておるブローニングM2の12.7mmは凄すぎる。」


 信長は四国平定戦で初めて10式戦車(改)を100輌投入し、その戦闘能力を確認した。

 実際に発砲したのは9輌。その威力に脅えた敵兵が即降伏したからである。


「戦車3輌と攻撃用ドローン15機を1小隊として運用したが、わずか3小隊の攻撃で抵抗が皆無になるとは……恐ろしい武力だ。」


『ドン!ドンドン』


「戸郷!捕虜収容場体育館を50棟出しておいた。

 讃岐の長野侍大将にも30棟出しておる。二人で連携して3万の兵を動かし暫し守備しておけ!

 後ほど帰蝶が捕虜の鑑定ついでに織田陣地にチート結界を付与するそうだ。余はこれから土佐の長宗我部を説得してくる。

 何かあればテレパシーで連絡しろ!後は手筈どおり頼んだぞ!」


「はっ!殿お気をつけて!」


 第3軍団長・戸郷(Android)が信長を見送る。

 こうして敵兵の流血もほぼ無く、流れ作業の如く阿波・讃岐の二か国を平定していく織田信長直轄軍。


 無血開城に無血開国。

 理想的な素晴らしい戦果ですね。



 **********


 阿波国三好長治と讃岐国十河存保

 二人の父親は三好 実休じっきゅう

 最盛期に実質天下人と言われた三好長慶の弟です。


 阿波国の三好長治に関しては1553年より以前の資料が存在しないため、1570年現在(17歳)として書かせてもらいました。

 高校2年生なんですね………


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 チートの世界


 織田信長が恩賞で渡すマジックリュック

 容量は1,000万立法メートル

 東京ドームが8個入ります。

【東京ドームの容積=124万立法メートル】

 もう十分ですよね。


 時間停止付きですが生物は入りません。


 もし織田家に反逆した場合

 織田信長と当代織田家当主の二人のみが、相手の内容物を自分のリュックへ取り込んだ後、ロックしてマジックリュック使用不能の処置が取れます。

 但し全ての優先権は織田信長にありますので、信長しだいですね。

 m(_ _)m

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