第12話 イージスシステム搭載鑑"尾張1号"淡路島遠征
1570年2月8日15時
伊丹城跡地
「坂本ご苦労!」
「坂本様、何時も頑張っていますね。休息も取るのですよ。」
自身がチート創造したAndroid兵とはテレパシーでの会話も可能だが、緊急時を除きそれは封印。
日頃は意図的に言葉を発し会話することを心掛けている。
「御館様に濃姫様!態々の陣中見舞い、恐れ入り奉りまする。」
「良い。ここ伊丹を毛利攻め陸地の拠点といたす。
また軍勢の集結地としてだけでは無く、畿内の最西端として行政機関の役割も果たす地とする。
帰蝶が全ての物や者に対し、チート結界を付与することが可能となった。
故に安土城ではなく60階建ての超高層ビル、"織田トリプルタワー"を建てる。
畿内のみならず中国地方の東側の軍事・治安・行政・通商の中央機関として今後役立って貰おう。」
『シュン!』
Android兵を除く、織田信長の半径5km圏内にいる全ての生物が収納された。
「一番左、中国地方からの玄関口となるビルを"信長棟"として軍事基地とする。
最上階の60Fフロアー全てが攻撃型・偵察型ドローン基地。
屋上は短距離イージスミサイル基地。最大射程300kmを5,000発備えておくか。
1F~10F迄が織田家防衛省事務所として使うぞ。
11F~50Fの40フロアーが兵士専用ホテルだ。
レストランや日帰り温泉施設はその上だな。」
『ズン!』
一瞬で60階建てビル"信長棟"が出現する。
「おお~我ながら良い出来ばえだな。300m隣に"帰蝶棟"これは各省庁が入る。」
『ズン!』
「最後が"信忠棟"だ。未来を担う優秀な人材を育てる学校だ。
保育園~大学まであるぞ。」
『ズン!』
「よかろう、この"帰蝶棟"と"信忠棟"は31Fから上を宿泊施設とする。
51Fから上は100㎡程の広さの部屋も作っておこう。
家臣の住居としても使える。」
完成した3棟のビルに濃姫がチート防御結界を付与した。
「殿。これでもう傷1つ付きません。」
「御苦労、良し完成だ。お前達第1軍団5千と第10軍団3万で今からここに駐屯しろ。
接近してくる軍勢や夜盗等がおればM9マシンガンで撃って構わぬ。
但し命は奪うなよ、足を狙い捕縛しておけ。
後で傷蝶が鑑定して使える人材なら我が配下とする。」
転移で濃姫と岐阜城に帰り、四国攻略部隊夕食の17時まで最新高級ユニットバスでまったりする二人。
「では私も四国遠征にお供しますよ。」
「構わんが結界だけは忘れるずに張るんだぞ。戦場では流れ弾で命を落とす場合もあるゆえ。」
「はい神力∞故に常時張ってますので御安心を。」
「……常時とはな…誠に便利な物だ。」
十分に癒され石山本願寺跡地へ転移で跳びました。
**********
「…………………という訳だ!!皆の者腹一杯食べて淡路国に向かうぞ!!」
「「「おおーーーーー」」」
BBQの夕食で兵士皆の士気も上がり21時に堺港から軍艦に乗り込んだ織田軍。
**********
2月8日 21:20
「恒興久しいのお。」
「柴田様も壮健な御様子ですな。」
「ああBBQの肉が美味くてな。精も付くと言うものよw」
「そちらもですか?我等も夕食はBBQでした。あのタレなるもの、素晴らしいですなw」
「理解してるではないか恒興!白米の上にタレを乗せると止まらなくなる!」
「分かります!それはそれは美味!」
「柴田様、池田様。御館様がお呼びで御座います。
提督室まで御案内束まつります。」
「「宜しく頼む」」
最大乗船可能数10,000人
乗組員200人
基準排水量100,000t
長さ700m幅100m深さ40m喫水10m
馬力1,000,000PS
時速150km(ノットでは無く時速表示)
30ミリ機関砲×12
イージスシステム搭載鑑
"尾張1号"と名付けられた鉄鋼イージス戦闘艦であり、信長が乗船する織田海軍の旗艦でもある。
慣性の法則"0システム"により悪天候でも揺れない為、船酔いにならない。
最大の特徴は信長のチート転移で海上・陸上・空へ瞬間移動出きる。よって速力に意味は無い。
「「おおーーー」」
船内であるにも関わらず120㎡もの広さを誇る、信長の豪華提督室。
「まるで岐阜城におる見たいですな。」
「いやそれ以上かも知れません。」
勝家も恒興も感嘆の声をあげながら、濃姫に勧められた椅子に座る。
「先行している戦闘艦から連絡が入り、艦砲射撃により岩屋城がこの世から消滅した。
5分後に洲本城前の大浜海岸3km沖合いに到着する。
柴田軍3千は直ちに上陸の間に入れ!予定通り22時に戦闘開始だ!」
「はっ!では失礼します!」
「待て勝家!御主の軍勢は今、船員が上陸の間に案内しておる。上陸後の軍事行動を確認するぞ、菅野!」
「はっ!それでは手短に!
22時丁度、洲本城大手門並びに搦め手門の2ヵ所!
御館様"影部隊"が内側から開門致します。
よって艦砲射撃は中止!爆音で敵兵に気付かれる懸念は無くなりました。
開門次第柴田軍3千は随時突入の事!
影の報告では城内守備兵200程度との事!」
「勝家!菅野率いる3千を後詰めとして上陸させる。
だが余程の事態にならぬ限り、御主の城攻めを邪魔はせぬ。
存分に働き手柄を立ててこい!行け!」
「はっ!先陣の誉れを頂き有り難き幸せ!では御免!」
船員に案内され上陸の間に足早に去っていく。
「さて恒興!次はそちだ。伊丹城の即日攻略大義であった!
だが坂本のバズーカ部隊だけであっさり落として不満であろうw」
「うっ!めっ滅相も御座い。。。。。」
「良いw無理するなw
柴田軍と後詰め菅野軍の下船後、恒興直轄の池田軍2千で由良城を攻める!
洲本城主・安宅
瞬間、池田恒興の眼光が力強く光る、やはり戦国武将である。
「ははっ!!畏まりました!この恒興有り難き幸せ!」
「上陸後二手に分かれ1,800で城攻め200にて水軍の船を焼き払え。今朝から火炎放射器の練習をしたであろう、その成果を示すのだ。
船が焼ければ水軍も役にたたぬわw
火の手が上がると同時に"影部隊が"城内から大手門を開ける。一斉に雪崩れ込め。菅野!」
「はっ!由良城内は100人足らず。朝の早い水軍兵は今頃城外の自宅で寝てる頃かと!」
「余と帰蝶も直轄軍千人の護衛と共に上陸する。恒興励めよ!」
「は!…しかし御館様…濃姫様を戦場にと言うのは?」
「励みなさい恒興殿!!」
「……」
「行け恒興!!」
「はっ!では御免!!」
濃姫が信長と共に下船し戦場に赴くと聞き、池田恒興は心配そうな表情をしながら立ち去った。
「私の事を危惧しているのですね。よき家臣ですこと殿。」
「当たり前だが余でも許可等出さぬ。帰蝶が結界防御で守られていると知らなければな。」
「そうですね。戦場では何が起こるか分かりませぬゆえ。
先ほど殿の言い付け通り、この巨大戦艦と乗員全ての服・防具・武具に結界を付与致しました。」
「うむ御苦労。これで柴田軍・池田軍共に防御は完璧だな。
織田軍守りの女神濃姫。素晴らしい貢献度だ!」
「まあ嬉しい事です。では上陸用に令和陸上自衛隊のヘルメット、迷彩服上下、ブーツを用意しました。私とお揃いですよ♡
全てにチート結界付与済みですので、お召し変え下さい。」
「おおーこれは!」
ただでさえ新しい物好きの信長にとって、濃姫からのサプライズである。
「どうだ帰蝶。」
「まあ素敵です。お似合いですよ殿♡」
「そう言う帰蝶も戦姫のように麗しいぞ。」
現代人と違い幼少期より刀槍は勿論、組討ち、弓道、馬術に移動手段は徒歩の戦国人。
日常ほぼ全てがスポーツジムでトレーニングしてる様な物。
2mの長身も相まってビシッと決まった織田信長公!
「では参るか」
**********
21:40
淡路国・洲本城大手門前
従弟で柴田家重臣の柴田勝定に指示を出す。
「勝定500を預ける。搦め手門から攻め入れ!」
「はっ!殿も御武運を!」
「山路!先鋒を勤めよ800連れて行け!見事大任を果たし、山路一族を
「はっ!この山路正国!必ずや手柄を立て、山路家の名を上げて見せまする。」
山路家は元々伊勢の国人。神戸具盛の家臣であった。
3年前に始まった信長の伊勢侵攻を必死に食い止め、一時撤退させた山路弾正の実弟である。
「うむ!ワシの本隊も直ぐに後を追う、一旗揚げるのだ!」
かかれ柴田、瓶割り柴田などと勇猛果敢な別名を持ち、苛烈な人物として広く知られている柴田勝家。
その一方で温情のある人柄も持ち合わせている。
かつて織田家の敵将だった山路に手柄を立てさせ、肩身の狭い思いを払拭させるべく先陣を命じたのである。
**********
22:00
洲本城大手門・搦め手門が同時に開く。
「「「かかれーーーーー」」」
「「「行くぞーーーーー」」」
城内に柴田軍が雪崩れ込む!!
200人弱しかいない城兵達。しかも見張りの門番20人は既に"影部隊"(Android)によって事切れている。
まさに寝込みを襲われ、防具1つ着用していない三好勢に10倍以上の敵兵を防ぐ術は無かった。
ドタドタドタ!!!
「殿!城内織田勢にて足の踏み場もございませぬ!!」
「流石だな信長公……もう俺と公方様の密書を嗅ぎ付けたか……」
敵味方入り乱れる喧騒の中を奥の間にたどり着く正国。
「それがし織田家重臣・柴田勝家が家臣、山路正国と申します。」
「ほお、山路とな?確か伊勢は神戸殿の?」
「はっいかにも!御無礼ながら洲本城城主、安宅
「いかにも、そうか…山路殿…神戸も織田の三男が養子に入ったと聞く…
行く行くは実質織田家に吸収されるのだろう。
似たような境遇だなwこれも何かの縁!
山路殿。腹を切る故、俺の首級信長に持参し手柄と致せ。
それで家臣の助命を御願いしたい。」
「はっ!では直ぐに抵抗を止めるよう家臣の方々に御指示を!」
「うむ。河内の守、降伏だ皆に知らせい!」
「殿うぅぁぅぅぅぁ。。」
「何をしておる!直ぐに武装解除だ!1人でも多くの命を救え!」
「はっ!!降伏だーー抵抗中止!!降伏せよーー殿の命であるぞーーー」
ドタドタドタドタ
城内に降伏の知らせが響き渡り、洲本城攻防戦は呆気なく終了した。
山路が率いる100人程の兵が二重三重に奥の間を取り囲む。
「では山路殿、介錯を御願い致す!」
「はっ!」
山路正国が刀を上段に構え
「グサッうぅ!」
「御免!!」
ザクッと首が落ち安宅
「山路殿…宜しかったので?」
柴田軍の兵が語りかける。
「勝手した事か?仕方あるまい。
1国の大名が命をかけて切腹と家臣の助命嘆願したのだ!
それを無視し縄で縛り上げ生き恥をさらさせる等、某には出来ぬ…」
「そうですか、確かに敵ながら見事な御覚悟であった。
致し方無きこと!なあ~みんな!」
「おおそうだとも!!」
「山路殿は悪くないぞ!!」
「介錯もお見事であった!!」
「柴田家家臣みなで大殿に御願いいたそう!!」
「たわけ!まずは我等の殿への報告が先だろ~が~、おみゃ~」
「……あああ…皆の衆忝ない…」
その時ドタドタドタ柴田勝家が到着
「良い判断であったぞ山路!!問題無い!」
「ああ~……殿…」
「良くやった!斬り合いだろうが切腹だろうが、首級を上げたのは紛れもなく山路だ!!
それに神太郎をそこまで追い込んだと言うこと。
安宅兵にしても無用な殺生はするな、降伏を受け入れよ、と命じられていた。
我等が御館様もそれぐらい分かっておられる。
山路正国一番手柄だぞ!!
皆の物、勝鬨を挙げーーーい!!」
「「「えいえいおーえいえいおー!!!」」」
「ううう殿…忝ない…」
新しい主君、柴田勝家の温情に涙する山路正国でした。
**********
22:30
一方その頃
由良城を攻めた池田軍2千だったが
池田恒興
「殿…これはどうすれば…」
織田信長
「……ううむ…帰蝶に聞け…」
恒興
「濃姫様……どう致しましょう…」
濃姫
「攻撃は最大の防御とも……」
信長の指示通り二手に分かれた200の軍勢が、火炎放射器で淡路水軍の船を焼いた。
いや正確には爆破され焼きつくされた!!
何故なら濃姫チート結界付与の神力が強力過ぎて、武器の火炎放射器の火力に炸裂弾まで混じってしまったのだ……
防御だけでなく攻撃力までアップするとは、張本人の濃姫すら冷や汗をかいている……
その凄まじい爆音と爆災の圧倒的破壊力に
"影部隊"も大手門を開けるのを一瞬忘れる始末。
がしかし、開ける必要等無かった…
由良城内から白旗が掲げられ、降伏の使者達が息咳切って駆け寄ったと思いきや、使者ではなく城代と家老たち。
軍配を持っている恒興の前で深々と土下座。
「城も領地も全て差し上げます。どうかどうか城兵の命だけは…」
各々の自宅から出てきた水軍衆も船を失ったら、ただの人。
無惨に爆破され焼け焦げ炭状態の船だった物。
それを横目に見ながら、全員池田軍の前で土下座をしている…
池田家家臣
「お前達はまだ良いだろ、敵の船を焼いたんだから…」
「そうだ…俺たちは門の前に立ってただけで戦が終わってしまった…」
「みんな丸腰で土下座してるし…伊丹城と同じ…また戦えないのか…」
「いや俺達だって練習した火炎放射器とまるで別物で、危うくちびるとこだった…」
「俺は少し…出た…」
恒興
「ええい黙れ馬鹿ども!!濃姫様の前でちびるとかやかましいーー!!!」
「池田殿もうその辺で…さて由良城の方々。織田家の猛将・池田恒興殿に降伏と言うことで宜しいのですね?」
「ははっーーー全面降伏致します。」
「あい分かりました。池田殿"戦わずして勝つ"孫子の兵法を実践されたのですね。
流石は織田家屈指の名将!帰蝶感服致しました。
ここから先は
戦後処理はお任せ致します。
では私は戦艦"尾張1号"に戻りますね。
失礼致します。」
「女神さま」「ああ女神さまじゃ」
「女神さまーーー」「ははー」
濃姫の神々しさに敵味方関わらず女神さまコールが沸き起こる。
『殿、何をしておられます。早く全員を収納して下さい。
その間に船に戻りましょう。』
『おっおおーそうだな…その手があった。お前が本物の女神に見えて余も固まっていたわ!』
『シュン!!』
池田恒興さま
伊丹城に続き由良城も秒殺…またしても大手柄ですww m(_ _)m
ーーーーーーーーーーーー
安宅
1572年12月死亡説や石田三成の下で働いていたとか?1573年以降ハッキリしていません。
フィクション物語として、この様な結果を描きました。
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