第10話 池田恒興・無双するはず?
1570年2月7日 7:00
摂津の国 伊丹城
池田恒興率いる17,000の軍勢は
(池田軍2,000人 信長直轄軍15,000)
通常9~10日で踏破できる岐阜・伊丹間を30日もかけてやっと到着した。
これは信長の指示によるもので
「よいか恒興。此度の道中では稲葉、前田、森、村井、柴田の各城で必ず1泊以上しろ。
そして城下で飲食等ふんだんに金を使え。その軍資金は全てこれに入っておる。」
そう言って信長は大きめの70Lサイズリュックサックを手渡す。
「これにですか?」
その軽さに軍資金入ってないんだが?と怪訝な表情な恒興。
「いいから、そのマジックリュックの中に手を入れてみろ。」
「はあ…」
確かに両肩にかけられ便利そうなマジックリュックとか言う黒い袋。
でも何も入ってないのに、と思いながらも手を入れてみた。
「なんだーーーーー!!」
「たわけ!声がでかい!」
「し、失礼しました。」
「ふん良い、取り出して確認せい。」
「はっ!」
手を入れた瞬間、恒興の頭に
金50万貫=750億円と数字が出たのである。
右手で握った分を恐る恐る取り出すと
金100文=15,000円
残り49万9,999貫900文
=749億9,998万5,000円
と表示された。
【1貫=1,000文=150,000円】
「これは……怪しの術…」
「たわけ!いくら乳兄弟とはいえそんな言い草があるかw
せめて神の力と言えw」
「ひいいいいー」
いきなり土下座であるw
「城攻め出立前に総大将が土下座などやめんか!縁起でもない…
分かったら仕舞え、余が作ったマジックリュックとはそう言う物だ。
指先から1滴で良い、己の血をマジックリュックのここに擦り付けよ。
さすれば製作者の余と恒興以外の人間には、出し入れ出来なくなる。」
「殿、これは恐ろしい事でございます。
これだけの銭が入ってるのに何も入ってない軽さ。
それとちらっと見た銭は金の様に光っておりましたぞ!」
「ああ金貨だからな。この世から
100文=15,000円と出ただろう。
通貨単位を
銅より遥かに価値のある金貨だ、受け取りを拒む馬鹿な商人はおるまい。」
「分かりました。織田領内でばら蒔くように使う訳ですな。」
「さすが恒興、理解が早いな。伊丹城到着は30日後の2月7日としろ。道中宿泊の城には余から既に連絡を入れてある。
よいか出し惜しみするな、全部使い切るのだぞ。それも今回の役目だと思え。
武器弾薬兵糧、軍資金も別途たっぷり用意して余の侍大将に持たせておる。坂本!」
「はっ!殿」
身長195cm体重110kgの大男。
マジックリュックを10個抱え信長の前に控える。
「これより恒興の指示に従い言われた物を出すのだぞ。」
「はっ!恒興様よろしくお願いします。」
「おお坂本とやらよろしく頼む。」
こうして岐阜城を出て各地で使いまくるのだが…
「殿は使い切れと言うたが
とびきり美味い兵糧も、飲んだこともない澄み酒もタップリある。
当家の兵等、坂本殿が用意する焼肉弁当とカツカレーとやらを食べたら、城下の飯屋等不味くて喰えんと抜かす始末。
飯屋は飯屋で兵糧と澄み酒(八海山)を売ってくれと町中の商人と共に頼み込んでくる。
敵国なら無視もできるが織田家直轄領内だぞ、致し方なく売ったら金が増えてるし…」
どれ残金は?右手を突っ込む恒興。
残り52万貫=780億円
「……1月で…2万貫も増えてる……無理……」
恒興さんも大変なんです……
**********
ゲネシスから授かったチート創造錬金コピー術で織田金貨を作りまくる信長。
流通させるため先ずは織田家領内で使うのですが、それ以上に織田の未来飲食物が売れまくりで銭が集まってきます。
ここはチートを封印。
高額な日当を用意し、大規模な公共事業で集まったお金をばら蒔く政策を取ります。
まずは河川改修・堤防工事等を在来工法で民衆にやらせ、仕上げを信長と濃姫のチートで行う。
そうやって徐々に織田金貨の経済圏を広めていきました。
さて伊丹城はどうなったか?
**********
「坂本、してこの武器は何じゃ?」
「はっ!殿より預かりしバズーカ砲にございます。」
「これで大手門と城壁を破壊すると?」
「はっ!命令くだされば直ちに!」
「俄には信じられんが先ずはお手並み拝見だ、坂本!先鋒を命じるかかれーー!!」
ズガーン ズドーン グシャ ドゴーン
坂本が指揮する信長直轄軍(Android)のバズーカ砲部隊1,000人。
1人が1度砲撃すると当然合計1,000発の砲撃となる…
激しい砲撃の煙に、土砂等を消し飛ばす埃が晴れた1分後。
「…………………」
そこには大手門と城壁どころか、かつて城だったような瓦礫だらけの落城跡地が見えた…
「池田様、第2弾発射用意完了です!」
「……いらぬ……坂本、動いてる者が1人もおらぬ……見ればわかるだろ…」
「はっ!失礼しました。バズーカ砲部隊総員そのまま待機、休め。」
「……どこの世界に大手門の破壊を命じられて……城を丸ごと瓦礫に変える部隊がおるのじゃ…」
瓦礫だらけの城跡を池田隊の面々が生存者を探している。
「殿、死体以外出て来ませぬ…」
「伊丹親興の首級いや羽織袴でも良いが…これでは無理だな…」
「しかし坂本隊の攻撃…恐ろしいものですな…」
「ああこの1月、殿の直轄部隊の面々はあんなにも大人しく、民衆にも優しく接する者達ばかりで、戦働き出来るのかと疑っておったわしが馬鹿だったわ…」
「殿、生存者は無理でしょう…勝鬨をお願いいたします。」
「そうじゃのう、あい分かった!皆の者ーーー勝鬨をあげーーい!!エイエイオーー」
「「「エイエイオー」」」
このとき早馬にて使いの者が現れた。
織田信長が3万の直轄軍を、"尾張1号"と名付けられた鉄鋼イージス戦闘艦を旗艦とする、鉄鋼軍艦30隻の水軍にて引き連れ、堺の港に上陸したと報せが入った。
「なんと!御館様が堺に!!」
「はっ!池田様におかれましては、伊丹城跡地に5千の織田直轄軍を残し、1万2千を引き連れ急ぎ石山本願寺に向かうようにとの御指示!」
「石山本願寺じゃと!!もしや3万の大軍の向かう先は!」
「はっ!御察しの通り!石山本願寺攻めに合流せよとの事にて!!」
「なんと!!伊丹に続き本願寺も!!」
「はっ!既に堺の柴田城から柴田勝家軍1万5千も出立致したとの事!」
「了解だ!!聞いたか皆の者!!我等も急ぐぞ!隊列を整えよ!」
「「「おーーーーーー」」」
こうして瓦礫だらけの伊丹城跡地にAndroid兵5千を残し、池田恒興隊1万2千は石山本願寺に向かって進軍。…したのだが…
伊丹から尼崎を抜け
安治川(旧淀川)を渡り大坂に入ったところで、信長からの伝令が駆け込んで来た。
そのまま堺港の織田軍鉄鋼船前に進み、そこで待機と連絡が来た。
「伝令ご苦労、して待機とは?」
「はっ!石山本願寺落城!!
池田様軍勢は早朝からの伊丹城攻めで疲労が出る頃合いだろうから、ゆっくり昼飯を食べて堺港で待つようにとの事です!」
「落城!!あの難攻不落が!!落ちただと……まだ午前中ではないか!!」
「はっ!それがしもこの目で見届けております!現在の石山本願寺は瓦礫の山にて!」
「なんと!またか…また瓦礫か…」
「池田様?」
「分かった…もう良い。お主も早馬お疲れだったな。我等と一緒に昼飯を食してゆくがよい。
だれぞ坂本殿のところに案内してくれ。」
「はっ!ありがたき幸せ、馳走になりまする。」
「うむ……」
『一体どうなっておるのだ?石山本願寺に向かった軍勢も信長様直轄軍との事。
しかも3万の大軍…あり得ん。
今まで見たことも聞いた事もないのに突然これだけの軍勢…
何が起きているのだ…』
恒興は思考するが答えは出ない。
「せんなきこと…織田信長様なら神がかった何かをやりかねんわw
皆の者!腹が減っては戦ができぬ昼飯じゃー」
「「「おおーーー」」」
恒興
『ふっ腹が減る前に戦は終わったがな……正直今回、我等池田軍は何もしておらん……』
坂本侍大将(Android)
「皆様、戦勝祝いです。
CoCo壱番屋のカツカレーにヒレステーキでございます。」
「うっしゃーーCoCo壱だーー」
「やったぞーーーーー」
「CoCo壱番屋でたーーー」
「おい知ってるか!ヒレステーキにCoCo壱番屋のルーかけると泣くほど美味いんだぞー」
坂本侍大将(Android)
「本日ルーと白米お代わり食べ放題です!!」
「「「うおーーーーーー」」」
安治川東岸で織田軍・池田恒興伊丹城攻略部隊12,000が昼飯を食べながら狂喜乱舞している。
その姿を見ながら恒興は右手を動かし。
残り52万貫=780億円
「はぁ~減ってる訳ないか…また兵糧食べてるしな……
それにしてもCoCo壱番屋は美味いなw確かに壱番だ。」
勝ち戦なのに何故か落ち込む
織田家名将・池田恒興様でした。
ーーーーーーーーーーーー
さてお金の単位の話です。
1貫=1,000文=150,000円
だいたいこんな感じらしいのですが別の資料だと
1貫=120,000円だったり…
なにぶん私も皆様も戦国時代で生活した経験は無いわけでして。
大変申し訳御座いませんが
リアリティー追及は他の作品に任せますm(_ _)m
次回から織田金貨の単位
令和の米騒動とかで例年より新米価格は高めですが、
米10kg=5,000円
大体こんな感覚で進めますので御理解の程よろしくお願いします。
追記
戌の刻?瞬間的に何時か分かりません。
時間に関しても現在と同じ
20:00もしくは20時の表現となります。
************
冒険者ランクSSSタイセー・ヨミウリ人外記
完結しました。
こちらも宜しくお願いします。
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