第8話

「あの…、璃叶りと居ますよね?璃依って私の名前言うと来てくれると思うんですけど…」




璃叶はお兄ちゃんの源氏名



困った顔をしてる受付の男の人




「お姫様は璃叶目当てで訪れた子かな?」




突然、横から声をかけてきた金髪の人



造られた甘い声に造られた甘い笑顔



……見た目はその辺のチャラ男と変わらないように見えてすごい格好いい



さすがホストクラブだと感心してしまう



金髪の人の問いに頷く



そんな私を見て受付の人と顔を見合せまた困った顔をした




…どうしよう



私も困ってつい、顔を俯かせると





「璃依!!」




聞き慣れた無条件に安心出来る声



俯いてた顔をあげれば完全にホスト使用のお兄ちゃんが急ぎ足で私のとこにきては、抱きしめてきた




「…璃叶」



「ごめん。遅くなった…」



茶髪の少し長い髪が私の頬に触れる



ただでさえ垂れ目なのにもっと垂れ目になって…、ワンコみたい




「すぐ来てくれるって言ったのに…、流石にお店で待つのは怖かった」



半分嘘で半分本音のその言葉はきっと…、すごい困らせてしまう言葉



それを知っていながら言う私は子供だな〜なんて自分でも思う

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