6.閑話-二人の王

アストラ王国の王都にある、ミラトリア王家の別邸の一室。


そこでは、ミラトリア王国の王と、隣国のローデン王国の王が、ワインを片手に、オ○ロゲームの対戦中であった。


そう、シャルナが作ったあのゲームである。


ミラトリア王は、最近、家人の間で流行るそれを、王妃から教えられ、自分も嵌まってしまったのであった。


そして、それを、仲が良いローデン王にも教え、こうやって対戦をするようになった。


「なあ、オルデロ。うちのエレノアが最近、ミラトリアの木工技術とローデンの鉄工技術を融合させて、新しい産業を興されては・・・とか、言っておってなー...」


ミラトリア王がローデン王に言う。


二人は同い年で、押さない頃から、同盟関係にある隣国同士ということもあって、仲が良く、私的に会う時は、いつもこんな感じで話すのであった。


「ああ。うちのミイナも同じようなことを言ってたな...」


ローデン王が返す。


「しかし、それは12、3の娘が言うことか? 大臣でも、そんなこと考えておらんぞ!」


・・・とミラトリア王。


「いや、全くだ。これは、やはり、シャルナ姫か・・・?」


ローデン王が言う。


「多分、そうだろうな。あちらはまだ10歳。いや、もう11歳か。この三国はしばらく安泰なのはたしかだが、息子たちは立つ瀬を考えてやらんといかんなー。」



ミラトリア王が続ける。


「うちは王太子が立っておるから良いが、そっちは大変だな。」


「いやはや。大変だわ。しかし、我々の時でなくて、本当に良かったな。」


ロー電王がため息混じりに呟く。


「ああ。それは、全くな...。なあ。オルデロ。その話。ちょっと真面目に考えてみないか?」


ミラトリア王が真顔でそう言って、話を続ける。


「エレノアが言うには、シャルナ姫の直臣となった孔明という男は、優れた工匠で、うちやローデンにも力を貸してくれると言っておるらしい。」


「ほう。孔明と言うと、あの事件の? 軍師ではないのか? それに、殿下の直臣だとぉ?」


ローデン王が驚いて聞き返した。


「いや。薬師でもあり、工匠でもあるらしい。それも一流の・・・」


ミラトリア王が話を続ける。


「殿下の直臣となった経緯(いきさつ)は、面白い話があってな・・・・」


ミラトリア王は、孔明がアストラ王の誘いを蹴ったこと。シャルナが大砂漠を領地として王から賜り、その半分を孔明に与えて臣下としたことをローデン王に話した。


「何かおとぎ話のようだな。本当にそういうことはあるのだな...」


ローデン王はさらに付け加える。


「それで、その新しい産業の話だが、アストラ王はそれで良いのか?」


「コロシウスの方はそれで良いそうだ。アストラは、物を作らず、物を動かして稼ぐ・・・なんだと。」


「裏も取ってあるのか。さすがはマリウス。仕事が速いな!」


こうして、二国の技術連携はオ○ロゲームをしながら決まっていったのであった。



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