4.作戦開始

ジジはすごい!


王宮や王城、ラゴナス邸とかで、


日向ぼっこして、ゴロゴロして、モフモフされて、ゴロゴロして、スリスリして、ゴロゴロして、...


ゴロゴロして、日向ぼっこして、ゴロゴロして、モフモフされて、ゴロゴロして、スリスリして、たまにフミフミもして...


わずか2日でだいたいのことを調べ上げた。


ジジは離れた場所のヒソヒソ話を複数同時に聴き分けられる。その声を私の脳内データにある関係者の声の記憶と照合して話者を特定する。

気になる内容があればその人物の側へ行って、今度は眼で確認する。


こうして大量に収集した情報を分析し、関連づけて全体像を明らかにして行くのである。こんなことをやられては悪企み(わるだくみ)はまず成功しない。私も猫には気を付けようと心に決めた。


ジジからもたらされた情報によると、父上様、母上様は捕らえられたものの無事で、王都のラゴナス邸の一室に監禁されていることが判った。


あと、エンセルに加担した、というか多分、主導的にそそのかした貴族の顔ぶれも判った。ついでに言うと、黒幕にはイルキア帝国が関わっていることも判った。また、邪魔になりそうな貴族や官が何人か殺されたり幽閉されていることも判った。


ただ、兄上様の安否だけは全く判らなかった。孔明が言うには、これだけ情報がないのは安全な場所にいることを意味しているだろう、とのことだ。私もそう信じたい。


そして、最も重要な情報は、何と明後日、首謀者と共犯者たちが一堂に会する…ということである。場所も時間も判明している。ここを叩けば一気に片が付く。


同時に、父上様と母上様を救出。その後、捕らえられている味方の貴族や官たちを救出すれば本作戦は一応完了だ。


孔明が瞬時に作戦計画を作り準備の指示を出す。元々想定していたケースの一つなので機材は既に用意されていた。


出撃する部隊の陣容は、戦闘アンドロイド2体と戦闘ロボット1個小隊(4体)、小型揚陸艇1機である。


戦闘アンドロイドは1体は私のコピー。もう1体は私の中学生頃の姿に似た黒髪、茶瞳の少女である。「天空の国」生まれなので、私は「シータ」と名付けた。髪を三つ編みのツインテールにしてあげた。


ちなみに、私のコピーアンドロイドは、ややこしいりので「量産型シャルナ」もしくは「量産型ワタシ」と呼ぶことにする。量産型と言ってもスペックはプロトタイプより格段に良いのはかなり悔しい。


戦闘ロボットは、簡易型汎用ヒト型デバイス戦闘タイプというのが正式呼称。体長は2mで一番小型のもの。あくまでも「フルアーマーの人間の兵士」に見えるようにした。武装パックは暴動鎮圧用を装備させている。


戦闘アンドロイドと戦闘ロボットは、私が開発した超音波振動剣を装備させた。ビーム兵器は違和感全開になるのと、障害物排除の際に建物の破壊を最小限に抑えるためである。修理代で私のお小遣いが減るのは御免被りたい。


量産型ワタシとシータは、私が思念波で直接操作できるようになっている。訓練すれば二人同時も可能らしいが今回は量産型ワタシを直接操作する。制御を映した瞬間だけ視界が変わったが、その後は感覚の変化はない。意識しないとどちらにいるのか判らなくなるので注意が必要だ。


夜明け前。


私たちを乗せた小型揚陸艇が、王城の西にある森の少し開けた場所に降下した。生身の人間を乗せていないので30分もかからず目標地点に着いた。


作戦開始まで光学迷彩を施した上で待機する。


小型揚陸艇は、地上に降下して兵士や機材を展開するための艦艇だ。前世の記憶で言うとLSTかC130みたいなものか。


兵士用客室と貨物室があり、陸、海、空、すべてで運用可能である。操縦は母艦による遠隔操作。武装は小出力のパルスレーザー砲が3基を装備する。


惑星軌道航行用として一番小型なのは連絡艇だが、貨物搭載量が小さいので、こちらの方を使うことになった。今後も重宝しそうであ

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