第34話
「じゃあお前は見んな!俺が隅々まで身体検査して感度確かめたるから!」
「転んで泣け
「お前はせいぜい指咥えて死んでればええわ!」
いい加減寒いし、このままでは話の終わりはこないと思い、私は思い切ってアコーディオンカーテンを引いた。
「····あ、あの、」
5人の視線が私の方に向けられる。
でもなぜか帷さんが関西弁の彼をベッドの上で押し倒していて――――
手前のソファでは竜彦さんと竜馬さんがポッキーゲームをしていて、
ポッキーを噛まずに棒状のまま喉まで入れたのか、むせ始めた竜馬さん。
私の顔が青ざめた。
「お、お邪魔でした···か···?」
身体を巻いたタオルの端を持つ手が、動揺を隠せず震える。ぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶる
「ち、ちがうよ?!!俺は違う!絶対にBLなんて言わせないから!!」
「なにゆうてんねん帷ぃ。いつも俺らラブラブやんかー♡」
押し倒されている関西弁の彼が、下から帷さんの胸ぐらをつかんで、キスをした。
ぶちゅ
薔薇の花が一気に咲き誇る。
ふぁさぁ~
私がいたゲームの世界は圧倒的に女子の数が多く、『あの柿の下で。』は男性向け恋愛シミュレーションゲームのため、男性同士がこうしてキスをするなんてことはあり得なかった。
だからあまりの衝撃に、巻いていたタオルが落ちてしまった――――。
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