第8話
「えっ?!…と、とり??」
今この状況で鳥に「とり??」と聞くのは間違っているだろうか?
…この世界が人間と動物が共存する世界ならあり得なくはない話だけれど。私にとっては"菊地"と呼ばれた彼を目の当たりにするのは初めてのことだ。
「ちがうッ、菊地は、ハシビロコウなのよ…。」
後ろの女性が私の腕を掴みながら、全身を震わせそう言った。
…はしびろこう?聞いたことがない。
「…はしびろこう?とは…??」
「ぺ、ぺりかんの一種よ!ほら、嘴がやたらでかいでしょ?!」
「え、ええ。」
「菊地は流星界の追跡係。菊地から逃れるなんて…最初から不可能だったのよ…!」
りゅうせいかい…?
追跡係…??
理解できない単語を並べられても、頭の中がうまく落ち着かない。
だって、その"はしびろこう"が今目の前にいるという事実だけでもいっぱいいっぱいなのに。
何を疑問にしていいのか、何から質問すべきなのか…。
私は頭で考えるよりも先に、その言葉を口にしていた――――。
「…追跡係で、鳥の仲間であるのに、なぜバイクに乗っているのですか?」
「ア"ーーーーッ」
菊地さんの「ア"ーッ」という鳴き声で思わず後退してしまった。
後ろの女性も思わず「ヒッ」と喚き声をあげる。
でも私は、どうしても聞かずにはいられなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます